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SEの持つべき「思想」ーできるSEは何を考え、どう動いているのか

技術を磨き、コミュニケーション能力を高めよう
[出版社]すばる舎
[主著者]秋月昭彦


会社にとってのコストとは 「これだけ働いたのだから、もっと給料をもらわなければ割に合わない」誰もが一度はそう思ったことがあると思います。しかし、働いた分だけ給料がもらえる時代は終わったのです。ぼーっと座っているだけでは会社に利益がでないことは当然ですが、頑張って働いたとしても、その労働内容によっては会社にとってやはりコストになってしまうこともあります。会社は基本的に時間制でお金を払っている訳ですので、方向性の間違った頑張りは、会社にとって無駄なコストになることもあると著者はいっています。
コストを意識すると考え方が変わる 自分の時間単価の報酬を計算したことはありますか。例えば、月給が60万円だとして一ヶ月の勤務時間を160時間と仮定すると時給は3750円です。この時給3750円の仕事内容が手作業で毎日インターネットでのデータの集計とします。その処理に毎日1時間かけているとすると、年間240時間、金額にして約90万円分も会社はその作業に払っていることになります。 この状況では、会社は数十万円投資してでもその作業を自動化するツールを作成したほうが有意義です。これではきちんと仕事をしているとは言えません。つまり、自分の抱えている作業にかかっているコスト、作業に対しての利益を考え、コストを削減する方法を考えることが必要なのです。自分の時間単価を把握しておくことはきちんと仕事をするための最初の一歩になります。
プロジェクトを迅速に進めるには ソフトウェア開発プロセスの一つにアジャイル開発プロセスという手法があります。ソフトウェアを開発している途中、周囲の状況は日々刻々と変化し、顧客の要求も変化します。それらの変化に対してプロジェクト期間内に成果を出すために生み出された手法がアジャイル開発プロセスです。この手法の重要な要素として以下の4つがあります。 1.直接コミュニケーションをとる 2.改善の機会を作る 3.一つの作業の大きさを小さくする 4.プロジェクトの計画を立てる。 ソフトウェア開発以外のプロジェクトでも大変重要な考え方です。
本書ではこのほかにも、個人個人がどのような営業意識を持てばいいのかといった点や、報連相の考え方、コミュニケーションをとる上で気をつけなければいけないことなど、幅広い職種の方にも参考になる内容が多く記述されてあります。 仕事の基本を改めて考え直す機会を与えてくれるお勧めの一冊です。
第一章 SEをとりまく現状―SEの働く現場と雇用情勢 第二章 SEが持つべきコスト意識 自分のコスト、機材のコストをどうとらえるか 第三章 SEに求められるコミュニケーション能力 技術だけでは「できるSE」にはなれない 第四章 信頼性の高いシステムをいかにして構築するか システム設計とプログラミングに必要な「思想」 第五章 ユーザサポートとプロジェクト管理のあり方 技術だけでは解決できない問題に対してどう取り組むか 第六章 自己を高めて本物のSEを目指せ 一流を目指すのに遅すぎるということはない
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