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本間 裕
経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師 [ 資産運用 ]
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ヨーロッパの金融危機
2011.09.18
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ギリシャの1年国債金利が、9月14日時点で、「141%」にまで上昇している。 つまり、日本の「闇金融」のような金利になっているのだが、 興味深い点としては、 「ドイツの10年国債金利は、史上最低レベルにまで低下した」 という事実である。
つまり、極端な二極化が進展しているのだが、この裏側には、 想像以上の力が働いていることが考えられるようだ。
具体的には、「国債価格の下落を、極端に恐れる人たちが存在するのではないか?」 ということであり、また、 「このままでは、ギリシャがユーロから離脱するのではないか?」 と懸念する人々が存在し、 「国債を買い支えているのではないか?」ということである。
また、今回の金融危機については、「ヨーロッパ」の状況だけを見るのではなく、 「アメリカ」や「日本」も含めた、世界全体を考える必要性があるのだが、 より根本的な点としては、「過去数百年」という期間に、 どのような推移を経て、現在の「金融システム」や「通貨制度」が形成されたのかを 理解することが必要とされているのである。
そして、これらのことが十分に認識された時には、世の中が、 新たな段階へと進化することも想定されるのだが、 問題は、やはり、今後の金融混乱である。
つまり、現在では、「金融機関の資金繰り」に関して、 大きな問題が出始めているようであり、そのために、 「金融株の値下がり」という事態に見舞われているのだが、 この点に関して、少しだけ時間を進めると、 「金融機関が国債を買えなくなると、どのようなことが起きるのか?」 という疑問につながるのである。
別の言葉では、現在のような、「株式を売り、国債を買う」という手法を駆使して、 問題の先送りが図られている状況が、 「根本的に行き詰ってしまうのではないか?」ということである。
そして、この点に気付いた人々が、急速に、 「金(ゴールド)」などへ資金を移動させているという状況でもあるのだが、 現在の「ギリシャ」というのは、 「ハイパーインフレ」が始まる前の「ジンバブエ」のようにも感じられるのである。
つまり、今後は、ギリシャを先頭にして、いろいろな国で、 ハイパーインフレが起きる可能性が高まっているのだが、 このことが、海外の識者が言い始めた 「グローバル・ハイパーインフレ」ということである。
しかも、今回は、世界で最も信用力のある「アメリカ」においても、 同様の事態が見込まれるような状況になっているのだが、この点については、 今後、数週間という期間に、「ギリシャ」や「ポルトガル」、あるいは、 「イタリア」などの金利を見れば、はっきりとすることが考えられるようである。
2011年9月15日
【著者】 本間 裕(ほんま ゆたか) ・経済評論家 ・第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師
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