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本間 裕
経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師 [ 資産運用 ]
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フラクタルから見る「金相場」/アメリカのデモ騒動/金融システムの崩壊!?
2011.10.31
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●フラクタルから見る「金相場」
9月21日の「FOMC」以降、大量の「売り叩き」が、 「貴金属」や「株式」の相場で起きたが、一方で、 「先進国の国債価格」については、史上最高値圏に位置し、 実質上、「まったくの無傷」の状況でもあった。
そして、「何故、このような事が起きたのか?」が、 今後の相場を見る上で、きわめて重要な点だと考えているが、 基本的には、「プログラム売買」による、 「国債の買い」と「株式の売り」が、大量に行われたようである。
また、多くの人が、「リーマンショックの再来」という恐怖心に怯え、 「再び、貴金属や株式が急落する」と考えたようだが、この点については、 「金のチャート」に関して、「日足」と「月足」とを比較すると、 「今後の展開については、おおよその予想が付く」ものと考えている。
具体的には、「2011年の7月から9月の日足チャート」と 「2007年から2008年の月足チャート」を比較すると、 「ほとんど同じ波動を描いている」ということが見て取れるのだが、 このことが、いわゆる「フラクタル(相似形)」と呼ばれるものである。
つまり、物体において、「宇宙」と「細胞」とが、 同じ構造をしているというように、「時間」や「現象」においても、 「往々にして、同じような波動が現れる」ということが、 私自身の「過去の経験則」から感じていることである。
そして、このことから判断できることは、今回の「相場の下げ」は、 「2008年と比較して、約8分の1程度の規模である」ということと、 「すでに、最悪期を脱し、今後は、2009年以降の相場が、 短期間のうちに、繰り返されるのではないか?」ということである。
より具体的には、「金価格は、今後、本格的な上昇期を迎える」 ということが予想されるのだが、この点については、 「再度、新高値を取る」という状況になった時に、 はっきりと見え始めるものと考えている。
また、この「フラクタル」が正しいとすると、今回の混乱については、 「2008年とは、まったく性質が違ったものである」 ということが理解できるのだが、具体的には、 「今回は、株式や商品の問題ではなく、国家財政や国債バブルが、 大きな注目点になっている」ということである。
つまり、「金融混乱の規模が、民間銀行や民間企業のレベルから、 より大きな国家のレベルに移行した」ということだが、 同時に、「アメリカのデモ騒動」からも理解できるように、 「多くの国民が、混乱の本質を理解し始めた」ということである。
そして、このような状況こそが、「混乱の最終段階」であり、 かつ、「通貨価値が、最も激変する時期」だと考えているが、 このことは、今後の数ヶ月間で、はっきりと見えてくるようである。
(2011年10月4日)
●アメリカのデモ騒動
世界的な「民衆の反乱」は、いよいよ、「アメリカ」にまで及び始めたが、 今回の騒動については、大きな注意が必要だと感じている。
つまり、「国民の不満が高まり、その不満の対象が、 ウォール街に向けられている」という状況であるとともに、 この「元凶」となっているのが、「FRB」だと考えられているからである。
別の言葉では、 「1971年のニクソンショック以降、マネーの大膨張が起きた」ということが、 「生活苦の根本的な原因である」ということに、 多くのアメリカ人が気付き始めたのである。
そして、この動きは、今後、より大きなものになると考えているのだが、 重要な点としては、この時に、 「アメリカの金融政策が、どのような影響を受けるのか?」ということである。
つまり、今までは、「QE1」や「QE2」、あるいは、 「ツイスト・オペ」というような、「本質的な解決策」ではなく 「単なる時間稼ぎの政策」しか行ってこなかったのだが、 今後は、このような「誤魔化しの金融政策」が 実施できなくなる可能性が高まっているのである。
別の言葉では、現在のような、 「借金爆弾が、日に日に、大きくなっている状況」が、 国民の「不安感」や「不満」を増大させ、一方で、 「国民の生活」が、きわめて厳しい状況となっているために、 今回のデモ騒動が起きたものと思われるのである。
そして、「次に、どのような展開が考えられるのか?」ということが、 今後の注目点になるのだが、この点に関しては、 「日本の明治維新」が、大きな参考になるようだ。
具体的には、「和を貴ぶと言われた日本人」が、「物価上昇による生活苦」で、 「世直し」を求めて「打ち壊し騒動」を引き起こしたのだが、 この時には、なんと、国民の一割以上が、この動きに参加したのである。
つまり、「ええじゃないか」や「おかげ参り」と呼ばれている 騒動のことになるが、 このような動きが数カ月間続いたのちに「大政奉還」が起き、 結果として、「幕藩体制」が崩壊するとともに、 「明治維新」が起きたのである。
このように、「世の中が行き詰まりを見せ、人々の不満が高まる」 ということは、「世の中が、大転換期を迎えている」 ということを意味しているものと考えているが、 その後の「日本の躍進」については、説明するまでもないようである。
つまり、「一つの時代が終わる」ということは、「新たな時代が始まる」 ということを意味しており、このような観点からは、現在の「金融動乱」は、 「大きなピンチ」であるとともに、意欲のある人々には、 「大きなチャンス」でもあるようだ。
(2011年10月5日)
●金融システムの崩壊!?
10月に入り、いろいろな識者が、危機的なコメントを述べ始めている。 具体的には、著名な投資家である「ジョージ・ソロス氏」が、 「2008年以降の金融危機は、ソ連崩壊前と似た状況である」とか、 あるいは、「IMFのアドバイザー」である「シャピーロ氏」が、 「有効な手を打たない限り、10月中にも、 世界の金融システムは崩壊する可能性がある」と述べているのである。
また、「ECBのトリシェ総裁」も、 シャピーロ氏と同様の意見を述べているのだが、このことは、 今までに申し上げてきた、「金融のメルトダウン」が、 本格的な動きを見せてきたことが、根本的な原因だと考えている。
つまり、今回の金融混乱については、 「デリバティブ」と「日米の国債」が、「混乱の元凶」であり、 この点に関して、「抜本的な解決策」が必要だということである。
換言すると、「ギリシャ問題」は、単に「氷山の一角」であり、 本当の問題は、いまだに、表に現れていないのだが、現在では、 時間の経過とともに、徐々に、「金融混乱」が、世界的に伝播しつつあり、 間もなく、「ある瞬間に、全ての問題が表面化し、 金融システムが崩壊する可能性が高まっている」ということである。
そのために、今回は、金融に精通した人々が、 これほどまでの危機的な表現を使っているのだが、 このことが意味することは、 「たいへん近い将来に、本格的なハイパーインフレが、我々を襲ってくる」 ということでもあるようだ。
別の言葉では、「膨大に膨れ上がった現代のマネーが、 堰を切って、我々を襲い始めるのではないか?」ということだが、 この点については、「アメリカのデモ騒動」が、 象徴的な動きとも言えるようである。
つまり、「生活に困り始めた国民が、 金融の象徴であるウォール街を占拠しようとしている」ということだが、 このことは、今年の初めから始まった「世界的な暴動」が、 ついに、アメリカまで押し寄せたということを意味している。
そして、今後は、この動きが、ますます、加速するものと考えているが、 このことが意味することは、「政府」のみならず、 「現在の富」に対して、国民からの信用が失われ、その時には、 大量に存在する「現代の通貨」が、「市場で暴れまわる」ということである。
別の言葉では、「富の象徴」とも言える 「日米の国債ツインタワー」が崩壊し、その後の「約6カ月間」に、 最も厳しいインフレの時期が訪れるものと考えているが、 やはり、このような状況下では、「金や銀を保有し、かつ、 6か月分の食料を備蓄する」という方法が望まれるようである。
(2011年10月14日)
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