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本間 裕
経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師 [ 資産運用 ]
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2011年を振り返って/干支から見る2012年/海千山千の政治家
2012.01.15
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●2011年を振り返って
2011年は、「辛卯(かのと う)」という年であり、 「血を見るような大事件」が起きることを想定していたが、 ご存じのとおりに、「3・11の大震災」により、 「日本」は、きわめて悲惨な状態に陥ってしまった。
また、「9月」に、はっきりと見えてきたことは、 「タイの大水害」であり、「ギリシャ発の金融大混乱」でもあったが、 これらの出来事が意味することは、 「3・11の海津波」と「9月の山津波」という、 「二つの大天災」でもあった。
つまり、「天災は、天の警告である」と考えているのだが、 実際に、9月から始まったことは、「最後通告」が出されることにより、 「ギリシャの国家破綻問題」という、「信用崩壊の波」が、 世界を襲い始めたということだったのである。
そして、この時に、はっきりと見えてきたことは、 「2001年」に、「3・11事件」と「9・11事件」という、 「二つの人災」が起き、その後に、 「権力の暴走」と「金融の大膨張」が起きたということだった。
具体的には、「2001年の3月11日に、 バーミヤン遺跡で、二つの巨大な石仏が破壊され、また、 9月11日には、アメリカで、二つの金融を代表するビルが破壊された」 ということであり、その後に、「デリバティブ」や「世界的な借金残高」が 「未曾有の規模で大膨張した」ということである。
このように、「2011年」に見えてきたことは、 「原発事故」からも明らかなように、 「政府や官僚は、国民を犠牲にして、自己保身を図っていたのではないか?」 ということであり、このことが、「世界的なデモや反乱」という形で、 年初から、広がりを見せたということである。
換言すると、 「1%の人々が、99%の大衆を、金融で支配していたのではないか?」 という疑念が浮かび上がり、結果として、 「世界的な金融システムや通貨制度が、大きな混乱状態に陥った」 ということである。
具体的には、現在、「二つの、目に見えないツインタワー」が、 世界に存在しており、それは、「日米の国債ツインタワー」であり、 また、「米英のデリバティブ・ツインタワー」のことである。
具体的には、「約2京5000兆円のデリバティブ」を、 米英が、依然として保有し、かつ、 「約1000兆円の国家債務」を、日米が保有しているということである。
そして、これらの問題が片付かない限り、金融混乱は収束せず、 ますます、広がりを見せていくという点も、世界的に理解され始めたようだが、 最も重要な点は、現在、 「世界的な金融大戦争」が繰り広げられているということであり、 実際には、「デリバティブや国債を守ろうとする陣営」と 「金(ゴールド)を信用する陣営」との間で、 熾烈な戦いが繰り広げられているということである。
(2011年12月8日)
●干支から見る2012年
2012年は、「壬辰(みずのえ たつ)」という暦になる。 そして、「壬」が意味するのは、「妊」であり「任」であるが、 具体的には、「新たな時代が孕まれる」ということであり、 また、「新たな人が任用される」ということである。
また、「辰」が意味するものは、「振」であり「震」になるが、 実際には、「世の中が、激震状態になる」ということや、 「人々の意識や行動が、大きく振れる」という状況が考えられるようである。
また、「壬辰」に「女編」を付けると「妊娠」という言葉になるように、 今後は、「金融大崩壊が起きるものの、一方で、 新たな時代が姿を見せてくる」という状況も想定できるようである。
そして、これらのことを、今までの流れに当てはめてみると、 現在の最も大きな問題は、やはり、「世界的な金融大混乱」であり、 「ギリシャ発の信用崩壊の波が、世界中に行き渡る」 という可能性のことである。
具体的には、現時点で存在する「世界的な借金爆弾」が、 「世界の至る所で破裂し、人々は、大慌ての状態になる」ということだが、 この点については、「日米英の国債やデリバティブ」の他にも、 「日米の地方債務」、「世界的な民間銀行債務」、そして、 「先進国の年金や健康保険」というように、今までは、 「すべての債務が先送りされ、低金利により隠されていた状態」だったのである。
このように、今回の「信用崩壊の波」については、きわめて重大な意味が存在し、 すでに、「世界の金融システムは、コントロール不能の状態に陥っている」 とも言えるのである。
そして、「2012年には、さまざまな問題が、一挙に、表面化する」 という状況が想定されるのだが、このことは、 「今までの異常な状態が終焉する」ということであり、 かつ、「新たな時代が、水面下で、姿を見せ始める」ということである。
そして、「3・11の大震災」以降、 「日本人が、どのような態度を取ったのか?」ということが、 今後、大きな参考になるものと考えているが、具体的には、 「金融の焼け野原」の状態に陥った時に、 「世界中の人々が、お金の呪縛から解き放たれる可能性」のことである。
つまり、その時には、「人々が助け合いながら、新たな時代を形成する」 という状況のことだが、このことは、 「1991年のソ連崩壊」の時にも、同様のことが起きたのだった。
具体的には、「人々が、お互いに、協力し合うことにより、 ほとんど餓死者が出なかった」という状況であり、このことは、 「お金」というものが、実は、 「人々の絆」を分断する効果があったということである。
換言すると、「過去40年間の信用本位制」の時代には、 「お金」の量は、未曾有の規模で拡大したものの、実際には、 「なにも信用できない社会が生まれ、結果として、 現在の混乱が発生した」ということである。
(2011年12月8日)
●海千山千の政治家
「言葉」には、時間の経過とともに、 「反対の意味」として使われる傾向があるが、このことは、 本来、「良い加減」という意味の言葉が、現在では、 「いいかげん」という「でたらめ」という意味に使われていることなどである。
そして、このような例としては、その他にも、 「海千山千」という言葉が挙げられるのだが、現在では、 「世の中の表も裏も知り尽くした、ずるがしこい人」として 理解されているのである。
しかし、本来は、「海に千年、山に千年住んだ蛇が龍になる」 という意味を持っており、決して、 「ずるがしこい」という意味は持っていなかったことが理解できるのである。
より詳しく申し上げると、「中国の言い伝え」として、 「四神」というものが存在し、具体的には、 「東の青龍」、「西の白虎」、「南の朱雀」、「北の玄武」 のことであるが、 その中心に、「黄龍(別名、金龍)」が存在するというものである。
そして、この「黄龍」が出現するためには、 「海で千年、山で千年、修行する必要がある」と言われており、 時期としては、「千年に一度の大震災」などの後で、 「世に出て、人々を救う」とも信じられているのである。
つまり、「世の中が大混乱の状態に陥ると、本当の意味での、 海千山千の人々が必要とされる」ということだが、このことは、 「数多くの実践により、世の中の裏も表も知り尽くした人々」ということである。
そして、このことは、特に、「政治家」に望まれることでもあるようだが、 現在の野田首相を見てみると、「社会で揉まれた実践経験は、 ほとんど無く、単に、言葉だけが先行している政治家」とも言えるようである。
そして、「現在の苦境から脱出するためには、増税しか方法が存在しない」 と教え込まれているようだが、かりに、消費税率を上げたとしても、 「国家債務」が減少するわけではなく、 「単に、時間稼ぎができる状況」とも言えるのである。
つまり、「問題を大きくするだけであり、その後の反動が厳しくなる政策」 ということだが、結局は、 「増税は、誰のためのものなのか?」という疑問点を、 国民の間に、急速に広めた政治家でもあったようである。
そして、「国民」のみならず、「民主党の内部」においても、 「意見の集約ができない首相」とも言えるようだが、 実際には、「不退転の決意」とやらで「政治の暴走」を企てているのである。
しかし、このことは、「政治の機能不全」を促進する効果しか存在せず、 また、「世の中の大混乱」を加速することが考えられるようだが、 一方では、このような時が、「黄龍」の出現時期とも考えられるようである。
(2012年1月6日)
本間裕(経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師)
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