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本間 裕
経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師 [ 資産運用 ]
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「現在の税金」と「将来の税金」
2012.03.09
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●「現在の税金」と「将来の税金」
「税金」には、大別して二種類が存在するが、それは、 「目に見える税金」と「目に見えない税金」のことである。
そして、「目に見える税金」にも、やはり、二つの種類が存在するのだが、 それは、「現在の税金」と「将来の税金」のことである。
具体的には、「所得税」や「消費税」などは、 「目に見える税金」であり、かつ、「現在の税金」である。
そして、ほとんどの人は、この種の税金だけを気にしているのだが、 実は、「国債の発行」というのは、 「目に見える形での、将来の税金」とも言えるのである。
つまり、「国家が国債を発行する」ということは、 「将来の税金」を担保に取り「新たな借金をする」 ということを意味しているのだが、ほとんどの人は、 この点が理解できないようである。
そして、「国債残高の急増」に関しても、 「自分の問題ではない」と考えている人も多いように感じるのだが、 実際には、我々の「預金」や「保険」、あるいは、「年金」などのほとんどが、 「金融システム」というメカニズムを通して、いつの間にか、 「国債」に換わっていたのである。
そして、今後の問題は、「ある日、突然に、将来の税金が、 現在の税金に変化する時が来る」ということだが、それは、 「国債の発行」が難しくなり、「国債価格が暴落する時」のことである。
つまり、「国家に対する信用」が失われた時には、現在の「ギリシャ」のように、 「1年国債の金利が652%にまで上昇する」というような 状況が訪れることが考えられるのだが、その時に起きることは、 「目に見えない税金」である「インフレ税」が、 我々に課されるといことである。
具体的には、「中央銀行が紙幣を増刷して、借金の返済をする」 ということだが、この時の注意点は、 「国債には、金利や返済期限が存在するのだが、日銀券には、 金利も返済期限も存在しない」ということである。
そのために、どのような政府も、最後には、 必ず、この手段を採用するのだが、 一旦、この政策が取られた時には、 「莫大な将来の税金が、一挙に、現在の税金へと変化し、 大量の紙幣が増刷される」ということである。
しかも、この時には、 「大量に存在する現代の通貨が暴れ出し、さまざまな商品価格を、 一挙に押し上げる」という状況も考えられるのである。
つまり、このことが、本当の「インフレ」であり、実際には、 「通貨価値の下落」という、「誰も、紙幣を信じなくなり、 すぐに、商品に交換する動き」のことを意味しているのだが、 驚いた事に、まだほとんどの人が、このことに気付いていないのである。
(2012年2月16日)
本間裕(経済評論家、第一商品「経済・商品セミナー」レギュラー講師)
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