⑥経済的「有事の金」○昨今の金相場は、数々の経済・金融危機に対して敏感に反応するようになってきた。2007 年のサブプライムローン問題の発生、2008 年のリーマン・ショックの影響でドル不安が加速する中、金は騰勢を強めていった。
○ドル不信が強まる中、その受け皿として期待されていたユーロだが、ギリシャ財政問題がユーロ圏全体に波及したことで大きく売られる一方、信用リスクの無い無国籍通貨「金」への資金シフトが加速した。
○欧州危機は対岸の火事ではなく、我が国のソブリン・リスクはもっと深刻である。GDP比約2 倍という債務残高は、世界最悪の状況である。まさかに備え、準備が急がれる。
参考として、「直近の経済的有事とNY金」、「予測:2011年の政府債務残高」、「主要通貨の対円レートと円建て金価格」をご覧いただきたい。
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⑦新興国の経済成長と中国の金需要○BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に代表される新興国は、経済成長に伴い外貨準備高が大幅に積み上がっているが、ドル一辺倒の保有リスクを避けるため金の保有比率を高めている。
○民間部門でも、持続的な高成長を背景に金需要は拡大している。直近のインドは、レーショニング(価格高騰による需要の減退)が起こっているようだが、その分中国では、投資需要・加工需要(宝飾品等)ともに順調に増加傾向にあり、2009 年には投資需要でインドを抜いた。
○また中国では、段階的に金取引の規制緩和が進んでおり、2008 年以降、金の投資需要が急増している。政府筋からの金準備1 万トン発言、純金積立や金ファンド創設など、巨象「中国」の動向に注目が集まっている。
参考として、「BRICs諸国の経済成長率」、「BRICs諸国の外貨準備高」、「インドと中国の金投資需要」、「インドと中国の金加工需要」をご覧いただきたい。
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