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ケビン・D・ワン
ワトソンワイアット・コンサルタント [ 経営 ]
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ケビン・D・ワン
[インタビュー]
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ニワトリを殺すな!/ 幻冬舎(3)
2005.11.13
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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個人の持っている創造力を組織として活かすことが重要だと思います
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大手の狙わない分野で事業をする!
【主藤】 転職をすぐにということや、ドライに考え切れない部分はやはりまだまだ大きいですよね。 色々なノウハウや、事例も多く寓話形式で書かれているこの本ですけれども、多くの読者からの声や反響があったと思うんですけれども、今こちらに(読者の方からの)葉書がございますが。
【川崎】 そうですね。この綴じ込みの葉書で皆さんが読んだ感想をケビンさんに送って下さっていて、幅広い年代の方から届いています。
【主藤】 これ、おもしろいですね。絵が入っていて。
【川崎】 そうなんです。まず、寓話形式になっているということで、ビジネス書にもかかわらず、9歳の男の子の感想です。“「ニワトリを殺すな」ということがよくわかり、案外とってもいい本だった。僕はこの本がお勧めで、世界中の人に読んでもらいたいなと思った。” 一方、こちらの女性の方は、“おもしろいです。子育てにも通じるものがあります。何度も何度も読み返して、私の身に染み付けたいと思います。”と子育てに役に立つと思っている方もいらっしゃいます。 今ここにある中で一番年齢が上の方なんですが、79歳の方から“未知な世界を知ることができて、老人ですがこれからの生活に生きがいを感じます。”という感想をいただいています。
【主藤】 本当に9歳の小学生から、子育てをしている主婦、79歳の方まで反響が幅広いですね。
【川崎】 そうですね。もちろんビジネスマンの方も読んでいらして、営業テキストのように受取られている方もいれば、先ほどの79歳の方のように人生の指針にしたり、お母さんは教育、子育ての指針にしたりというような、色々な側面があるんですね。
【主藤】 こういう反響は、当初予想されていらっしゃいましたか?
【ケビン】 これは予想はしなかったですね。やはり読者の中心に置いたのが30代から50代の、先ほどの一番疲れているサラリーマンを対象に置いたんですね。 ところが読者からの手紙もそうですし、講演会にいらっしゃる方は想定している年代よりも高かったり、極端な話でいうと、小学生の方がやはり講演会に来られたりするケースもあったりだとか。それから今、ご紹介にありましたように、主婦の方に講演会に来て頂いたりだとか、こういう反響のあり方は全然想像しなかった世界でしたね。
【主藤】 タイトルにニワトリという言葉が入っていますし、表紙の絵もニワトリのかわいらしい絵が載っていますから、そういった意味では本当に幅広い方が手に取られているんでしょうね。そして、9歳の小学生の方の感想もありますけれども、読みやすいんですね。
【川崎】 読みやすいんですよ、字が大きくて。
【主藤】 それと、きちんと伝えるべきことは、きちんと伝えるという構成になっていますから。それで予想外というか、ここまで幅広く支持を得たということですね。
【ケビン】 ただ、感想文の中にもたくさん書いてあったんですけれども、“自分だけが読んだのではどうにもならないと感じ、回し読んでもらうこととしました。”と。読もうと思うと、1時間弱で読める本なんですね。そうすると、結構回し読みが多いんですよ。
【主藤】 著者の立場としては、微妙ですね。
【ケビン】 私もある本屋さんで見かけたんですけれども、立ち読みで最後まで読破された方がいらっしゃいまして。非常にお客さんの中でも回し読み率が高くて、部数的には困ったなと。
【主藤】 それだけ読みやすいということと、もう1つは、やはり先ほどの読者の方からの葉書にも書いてありましたけれども、自分だけがわかっていてはダメだということが大きいですよね。
【川崎】 人に伝えたくなるということですよね。
【主藤】 上司の方にもそっと机の上にさりげなく置いておくといいかもしれませんね。
【ケビン】 いいですね。
【主藤】 やはりこれだけ売れているということは、さっきおっしゃっていた、今の日本の会社に必要な哲学みたいなものが、全部の年代に、足りていないということなんですかね。 ケビン そうだったんでしょうね。ですから年代、職業にかかわらず、やはりこういう哲学というものが足りない。そこでこういう世の中ではいかんなと思ってる人達が、たくさんいてくれたということだと思うんですね。
著者から見た今の日本と、今伝えたいこと
【主藤】 この本を書かれて、約2年半ほど過ぎていますが、執筆された当時は日本を見渡すと元気がないとあとがきでケビンさん、おっしゃっていました。2005年も終わりに近づいていますけれども、今の日本はどうでしょう。
【ケビン】 景気はよくなっているというんですね。でも本当にこういう顔の日本になりたかったのかなって、私はちょっと冷静には見ているんですね。人間って、年をとってくると、生き様が顔に出てくるじゃないですか。今の日本を顔にした時に、「こういう顔になりたかったのですか」って、問いかけたいですね。 私はよくシズル【sizzle】という言葉を使うんですね。シズルは、料理の言葉なんですけれども、例えば生肉を、お肉をフライパンにのせた時にジュワッと香気と湯気みたいなのが出てきますよね。食べ物が持っているジューシーさなどをシズルというんですね。 そのものが持っているシズルを捉えた時に、日本という国をフライパンにのせたら、どんなシズルがするんだろうなって。私のイメージでは、何かすごく無味乾燥というんですか、のっぺらぼうなシズルしかしてこないんですね。
【主藤】 なるほど。何も反応がないようなね。
【ケビン】 やはりそのへんの誉れですよね。誉れみたいなものをやはりもう少し持てる国になって、そのうえで景気がいいということがやはり目指している姿じゃないかなと思うんですけどね。まだちょっと寂しい限りだなと思います。
【川崎】 そう言えば、海外の人に自慢ができるようなところ、パッと出てこないですね。
【主藤】 まだまだ色々とお話をお伺いしたいんですけれども、そろそろお時間もなくなってまいりましたので、ケビンさんから最後に1分間ほど、リスナーの方に何かメッセージをお願いします。
【ケビン】 1つは、哲学に通じるところなんですけれども、やはり自分自身の信念というものをしっかり持って生きていけるといいなということですよね。 もう1つは、根気がいいという言葉を私は最近、すごく大切にしているんですね。最近は、すごく手っ取り早く何者かになるだとか、手っ取り早く何かができるという風潮ですよね。根気がいいという言葉が死語になっていると思うんですよ。ただ、今、この年齢になって世の中の人達を見ていて、根気よく積み上げている方達を見ていると、すごいなと思うんですね。さっきの信念にもつながるんですけれど、この根気がいいという言葉を大切にして、自分の根をしっかり張っていけるような生き方ができると、いいのではないかなと、私自身に対する教訓も含めて思ってますね。
【主藤】 なるほど。根を張るっていうのは、重要ですね。
【川崎】 学校の先生にも読んでもらいたい気がしましたね。
【主藤】 子供の教育に、このような考え方、この「ニワトリを殺すな」という考え方は、是非重要ですね。本日は、「ニワトリを殺すな」の著者でいらっしゃります、ケビン・ワンさんにお話をお伺い致しました。ケビンさん、どうもありがとうございました。
【ケビン】 ありがとうございました。
【川崎】 ありがとうございました。
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