|
|
箱田忠昭
インサイトラーニング株式会社代表取締役 [ コミュニケーション ]
|
|
|
|
箱田忠昭
[インタビュー]
|
「できる人」の話し方&コミュニケーション術/ フォレスト出版(1)
2006.01.22
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
|
|
あなたの人生の大事なことを全部他人が決めていませんか?
|
他人とのコミュニケーションが自分の人生を決めている
【高城】 今回のゲストは、フォレスト出版から出版されております、8万部を突破したベストセラー「できる人の話し方&コミュニケーション術」の著者でいらっしゃいます、箱田忠昭さんです。箱田さん、今日は宜しくお願い致します。
【箱田】 宜しくお願いします。
【高城】 今日は、お目にかかるまで大変緊張していました。
【箱田】 そういうのを蚊取り線香現象と言うのですよ。キンチョウ。
【高城】 ありがとうございます。ちょっとアイスブレイクできましたね。箱田さんは、日焼けもされていらっしゃいまして、スポーツマンでいらっしゃって、サーフィンのお話をお聞きしてすごく素敵な方ですよね。
【川崎】 そうですね。お伺いしたいのですが、今日は、「できる人の話し方」コミュニケーション術にフォーカスして進めさせていただきたいと思います。
【高城】 箱田さん、『できる人の話し方&コミュニケーション術』をお書きになるきっかけになったことやこの時期に書いてみようと思ったきっかけなどがありましたら教えていただけますか?
【箱田】 「人生で大事なことは何か?」と考えた時に、人生で大事なことは随分他人が決めているとある時気付いたのです。それは昔、サンローランの社長として働いていたときに、ある日突然解任されたのです。
即日。3月23日、私の41歳の誕生日にすごい誕生日プレゼントをもらったわけです。弁護士とアメリカの本社の副社長が突然私に対して、「お前は今日限りだ。辞表を書け」と。突然ですからびっくりしますよね。だって、家のローンがあるでしょう。
子供三人。女房はもちろん一人。それから私の家内が真っ赤なBMWを買ったばかりで、ほかにも39の時に山中湖に別荘を買っていたのですよ。もちろん全部ローンです。息子は医学部に行きたいと言ってきました。でも考えてみたら、私立に行くことになったら教育ローン、医学部教育ローンがありますからね。全部ローンですよ。私の家内はとにかくローンレンジャーと言っていましたから。途方にくれました。
その時、「自分の人生が他人によって破壊されている」と気付いたんです。よくよく考えてみると、それだけではなくて、人生の大事なことは全部他人が決めているのです。あなたの給料は偉い人が勝手に決めているわけです。
「高城君、ちょっと」と部長に呼ばれて、(高城)「なんでしょうか?」(部長)「網走行ってくれ」(高城)「出張ですか?」(部長)「いや、違う。転勤だ」(高城)「え、僕寒いところ嫌いなんです」(部長)「好きとか嫌いの問題じゃない。会社の方針だ」このように他人が勝手に決めているのです。
網走に住むか、九州に住むか他人が決めているんですよね。例えば、よい家庭を作りたいと思って「川崎さん結婚してください。」と川崎さんに伝えたとして「あなたなんか嫌です。」と言われてしまったら、好きな人とも結婚できない。
仕事もお金のことも住むところも結婚も全部他人が決めている。だから他人とのコミュニケーションが一番大事なのです。ところが、他人とのコミュニケーションに関して、あまり学校で教えないのですよね。日本の学校は、世の中に出てから役に立たないことを教えますから。だって川崎さん、因数分解したことある?
【川崎】 はい。
【箱田】 でも学校出てからしたこと一回もないでしょう?
【川崎】 ないです。
【箱田】 それをなぜ学校で勉強するのだろうかと思います。だから結局他人とのコミュニケーションをよくしなければならない。
私は、ずっとそれを教えていましたから、それをもとにフォレスト出版から頼まれまして、コミュニケーションに関する本を出し、他人との関係を良くして、自分の人生を良くしようというのが今回の本の目的でもありました。
話し方は訓練さえすれば誰でも身につけられる
【高城】 一方では、話し方はすごく難しく、真面目に考えると大変難しいテーマだと思うのです。
しかし、この本の中では、誰にでもできると書かれていまして箱田さん自身も「自分自身が天才ではなくて、普通の方」だとかなり強調されていますが、そう思われていたのでしょうか?
【箱田】 普通以下ですね。僕は、茨城県の出身で、田舎者で、赤面恐怖症。対人恐怖症。口下手。女性恐怖症。女性の前では、いいところを見せようと思って硬くなっちゃうわけです。
そうすると女の人が、「あの人なに?意識しすぎじゃない。」なんて。ますます緊張してしまう男でしたね。それが、就職のときになって外資系の会社に就職してしまったわけです。大学時代、成績が悪くて、(就職試験で)日本の会社を受けたら全部落ちたわけですよ。
それで、やむを得ず外資系の会社に就職したら何と飛び込みの営業マンをさせられた訳です。さっき言ったとおりはにかみ屋で、口下手でどうしようもない男が、知らないおじさんのところへ行って、物を売ってくる仕事を毎日しました。まさに地獄でしたよね。
「これはどうしようもない、辞めようかな」と思っていたのです。ところが、部長に相談したら、「大丈夫だよ、箱田君。弱い性格は直るんだよ。実は今度アメリカからボブ・アリソンというすごい教育研修の部長が来る。あの人は、すごい先生だから。絶対営業できるようになるから。」と。そこでアリソンに会ったんですよ。そうしたらもう、すごいんですよ。
要するにパワフルで、誠実で、そして涙もろくて、アメリカ人的ではないようなプレゼンテーションをしたのですよ。感動的なプレゼンテーション。私は、英語が得意でしたから、アリソンさんはすごい!と感銘を受けました。「あなたのそのスピーチ能力は、人をひきつけますよね。
私は正直言って、正反対の男です。口下手で、はにかみやで・・・」と話をしたら、「箱田、実は俺もそうだった。ミシガンの田舎に生まれて、人口1200人の村で高校まで行って、大学でシカゴに行った時にはビックリ仰天した。都会ってこんなにすごいのかと。でも正しいトレーニングを受けたらここまでなれたのだよ。お前も俺の若いときに似ている。教えてあげるよ。俺は日本に3年いるから大丈夫だ。絶対にお前も話がうまくなるから」と言われ、私は藁をもすがる思いで、「是非教えてください」とお願いしますと「君は英語がうまいから家に遊びに来いよ」と言ってくださるような方だったんです。
そして彼の弟子にしていただいて、一生懸命習ったわけですよ。すると「だんだんうまくなってきたな」と感じるようになり、あるとき部長に呼ばれて、「今度のホテルオークラの新製品発表プレゼンお前がやれ。代理店が5、60人集まるからその前で発表をお前やれ」と言われて。そしてさらに「アリソン部長もお前を推薦しているんだ」と。
そこで私は一生懸命練習して、アリソンさんに見てもらって、恐る恐るプレゼンをしたのですね。そうしたら意外や意外、懇親会の時に、「箱田さん、あなたは話うまいな。ひきこまれたよ。すごいね。」と何人かの社長さんから言われまして。「えっ」と思って、それから私、さらに一生懸命練習したのです。もうこうなると人前で話すことが一つの趣味になってきまして。そういったことをする中でだんだん話すことがうまくなって、今ではそれを教えるようになったわけです。だからだれでも正しいトレーニングを受けて実践すればうまくなるのですよ。
|