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堀之内九一郎
株式会社生活倉庫代表取締役 [ 成功法則 ]
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堀之内九一郎
[インタビュー]
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どん底からの成功法則/サンマーク出版(1)
2006.02.26
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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「どん底」とは、自分の中で 明確な目標がないことをいうのだと思います。
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目標され決まれば、「どん底」ではない
【高城】 今回のゲストは、サンマーク出版から出版されております、15万部を突破したベストセラー「どん底からの成功法則」の著者でいらっしゃいます、堀之内九一郎さんです。堀之内さん、今日は宜しくお願い致します。
【堀之内】 宜しくお願いします。
【高城】 今日初めて堀之内さんにお目にかかったのですが、テレビでたくさん拝見しておりますし、「どん底からの成功法則」も15万部の大ベストセラーなので、初めてお目にかかったような気がしませんね。
おそらく同じような取材を受けることが多いと思うのですが、堀之内さんが経験された「どん底」に我々は大変興味があります。堀之内さん自身の「どん底」とは、何でしょうか?
【堀之内】 一般的にはご飯が食べられない、お金がない、住む所がない、このようなものを「どん底」と言うんでしょうね。それももちろん「どん底」だと思うのですが、実は私の「どん底」というのは、そういった環境のことではないのです。
自分がやりたいこと、「これはどんなことをしてでもやるんだ」という本当の目標がしっかりできあがっていない時は、実は「どん底」なんですね。ですからそれができあがると、たとえお金があろうとなかろうと、もう目標が見えていますから、つまり「光」が見えるのです。
10km先か20km先か、わかりません。あるいは日にちでいうと1年先か2年先か、わからないけれども、そこにしっかり「光」が見えた時には、もう「どん底」ではないんです。
【川崎】 それなら今、私達の周りや私達の中にも「どん底」にいる人はいっぱいいそうですね。
【堀之内】 だって、お金なんていうものは、稼げばあるわけでしょう?
【高城】 そうですね。
【堀之内】 普通に食べるぐらいだったら、普通に働けば(お金は)あるではないですか。そう考えると、お金があるとかないというのは、それほど大きな問題ではない。
やはり人というのは、事業であっても人生であってもしっかり目標を持って、「どんなことをしてもやるんだ」という目標が決まった時には、もう「どん底」ではないですね。それがない時は「どん底」だと私は思っています。
【高城】 「どん底」ではなくなったとき、周りの方から見れば変わっていないのですが、気持ちは変わってしまっているのですね。
【堀之内】 もう全然違う。お金があろうとなかろうと、服を着ていようと着ていまいと、全然関係ないですね。
【高城】 川崎さんはこの本をお読みになってどうですか?
【川崎】 本を読んで不思議に思ったのが、「どん底」をそれぞれいろいろな人が経験し、「そこから這い上がった時の反省する気持ちが大事だよ」と書いてあり、一旦堀之内さんは這い上がられていますよね。
私だったら這い上がって一旦安定したレベルの生活までくると、そこで安心してしまうのではないかなと思ったんですね。けれども、堀之内さんはまだまだその上を突き詰めていこうとされた気力はどこから湧いてきたのか。
這い上がる気持ちは最初「どん底」に行ったら誰もが意識すると思うのですが、途中でなくなってしまわないのか、すごく不思議だったんです。
【堀之内】 やはりそれは意欲でしょうね。私は欲深い人間ですから、1つのことができあがると、またその上に目標を求めるんでしょうかね。ですから1つのことができてそのままの状態だと、経済面や外観から見ると「どん底」ではないのですが、精神的にはたぶんまだ「どん底」でしょうね。
そこから「まだ先に何かをする」という目標が見えた時に、初めて「どん底から出る」と言えると思います。人というのは、事業であろうと普通の生活であろうと、なんとか三度の飯が食べられる状態をずっと続けていると、また「どん底」になるんですよ。そこから次へ上がるという目標が決まった時、また「どん底」から出て行くという繰り返しなのです。
真っ暗なトンネルを進んで、「光の穴」、出口を見つけよう
【川崎】 「光の穴」や目標は、いろいろなことをしているうちに、また変わってくるものですか?
【堀之内】 非常に変わりますね。例えば、人間は10万円の服を買えるようになると次は20万の服を買いたくなるではないですか。欲望や何かを追求するから文化が発展していくわけでしょう。
ですからどんな時にも次のステップを目指していく方向の高さ、言い換えると意欲かもしれませんね。これが全くなった時には文化は発展しないわけですから。
【高城】 そうですね。私も本を読んで、おそらく堀之内さんの「幸せの基準」が、どんどん大きくなっていったんだろうなと思ったのですが、私が一番感銘を受けたのは「「光の穴」、「成功の穴」が見えてしまえば、あとはもう大丈夫」という部分。その後のシナリオはもう見えていらっしゃるのかなと思ったので、「光の穴」、「成功の穴」についてちょっとお聞きしたいのですが。
【堀之内】 例えばトンネルで出口が見えないとします。真っ暗ですよね。どのくらいの大きさのトンネルか全然わからない。触ってみても壁がないから、壁まで1m以上かなと思うわけです。だんだん進んでいって、光が見えてきます。 本当に小さな光なんですね。
ところがだんだん行くと、光があるからそのトンネルの大きさがわかってくるんですよ。「なんだ、こんなに広かったのか」とか、「なんだ、こんな狭いトンネルだったのか」と。自分の進んでいる道がわかってくるんです。それが大きいトンネルなのか、小さいものなのか、光が見えるからたぶん2mぐらいあるんだろうなと思って一生懸命進んで行くと、だんだん明るくなってトンネルの大きさに気付くでしょう。
出口に近づくと、とんでもない大きいトンネルかもしれません。でもどんなに小さい穴でもいいから光さえ見えれば出口はあるわけですから、まず進めばいいのです。
【川崎】 今の世の中、目標以外のいろいろなものが溢れているではないですか。だから自分がやりたいと思った目標にフォーカスすることがなかなかできないですよね。
「面倒くさいから、ちょっとゲームしちゃえ」とか、「面倒くさいからちょっと放っておこう」みたいな気持ちになって、「針の穴」、「光の穴」を目指すことをすっかり忘れてしまっているような気がします。
【堀之内】 私はいつもトンネルに例えるんですが、トンネルなんて実際はずっと同じサイズで続いていますよね。ところが出た瞬間、ものすごく開けますでしょう?
【高城】 そうですね。
【堀之内】 でも、みんな出口まで持たないんですよ。徐々に、徐々に広がって欲しいんです。ところがそんなことはあり得ないと思っていまして、あるところまではずっと一定で、急にドンッと広がるものだと思っています。
【高城】 すごくわかる気がします。きっと、潜伏期間があるんですよ。
【堀之内】 そう。
【川崎】 英語の勉強をしていた時、そんなことがあったような気がします。全然伸びないのに、ある時「フッ」と言っていることがわかるようになるという。
【堀之内】 だって、人間の生命の根源は精子と卵子があって、何万か何十万か知りませんけれどもこれらが一生懸命格闘するわけですよ。膨大の量の精子と卵子が格闘して、格闘して最後の一瞬に、ピッとつながった時に生命が誕生するわけですよね。
会社だって、組織だってものすごくいろいろなことがあって、作っては潰し、派閥ができてダメになって、それを繰り返し問題解決していると、どこかでピッとできるんです。これが「核」なんですよ。これができないと発展していかないのです。これができるまでが、大変なんです。
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