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山ア武也
ビジネスコンサルタント [ 礼儀作法 ]
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山ア武也
[インタビュー]
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上品な人、下品な人/PHP研究所(3)
2006.03.26
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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ビジネスマンとしての上品さは 礼儀正しさが基本になると思います。
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衣食が足りすぎて、礼節がなくなりつつある
【高城】 今回の本は山アさんにとってたくさん本を書かれている中でも10万部を突破したベストセラーで、相当な読者の方から反響や問い合わせがあったと思うのですが、反響があった方はどういう年代の方なのですか?
【山崎】 反響は出版社を通じて聞いたこととか、インターネットでいろいろな人が書いていることを見たりとか、それから読者カードを出版社経由でもらったりとか、また私の友人が読んでコメントを送ってくれたとか、いろいろありますけど、やはりだいたい大部分はどこのテレビを見ても、街を歩いていても、もう品が悪いことばかり流行っているから品が悪いのもしょうがないかなと思っていたけど、やはり考え直さなくてはいけないのかなとポジティブに受取ってくれる方が多いですね。
やはり「衣食足りて礼節を知る」ではないですけれど、今は逆に衣食が足り過ぎて礼節がなくなりつつある。だからみんなその点が行き過ぎているということは感じていらっしゃる。そういうところに入らないと、いわゆるよく売れる本にはなりませんよね。私もたくさん本を書いているなかで、いくらいいことを言って自分では「この本は1番いい」と思っているものでも、全然売れませんでした。タイトルがダメということもありますけど、時宜を得てないというのですか。するとなかには10年、15年ぐらい経った時に「この本はこういう内容でいい本なんだけど」と見せると、「あっ、これいいじゃないですか、これじゃあ文庫にしましょうよ」という話も出てきますね。
【高城】 そうですね。時代的にいうと、人の心は多少変化しているのですかね。
【山崎】 それは変化していると思いますよ。テレビや大きな政治の流れで変化が左右されているところはありますけど、でも最近悪いことが多過ぎるからやはり反動でいいことを求めますよね。
いいことが多少で「まあ、いいんじゃないか」と思っている時は抜け駆けで悪いことをする人が出てくる。それに足を引っ張ろうとする人がいればいいんですけど、「俺も私もあれ、やっちゃおう」という人が最近多いですよね。
【高城】 そうですね。
【山崎】 だからそれにブレーキをかけるようなものであると、やはりある程度の人が読んでくれると思いますね。
【高城】 私は他人のせいにすることがやはりすごく多くなってきていて、例えば下品な人を見た時によく「親の教育が悪いんじゃないか」と言って、人のせいにするケースが多いと思うんですよね。もちろんそれは一理あるとは思います。けれども大事なことはやはり自分自身で受け止めることができない人はどうしても下品になってしまうのかなという気がします。
【川崎】 そうですね。そういうことはありますよね。 【高城】 あと他人の下品なものを見て、「ひどいよね」と言って自分をちょっと安心させてしまう。
【川崎】 安心すること、ありますね。
【高城】 そうならないように自分を軸に見なくてはいけないのかなと思いました。
【山崎】 安心するというのは、自分が見た悪い例のちょっと上だと思うだけですよね。それではもう1つほかの例を見たら、それは見た悪い例よりは上かもしれないけど、見てないもうちょっといい例から比べると悪い例なんですよね。だからそのようなメンタリティで「自分の方が良かった、自分はいいんだ」と安心する感覚というのがやはり昔風の我々の年代から言えば、堕落への道ですよね。
【高城】 堕落しないように、ここでもうきっちり止めないといけないわけですね。
【山崎】 そうして下さい。
【高城】 ちょうど今、時代がまた少し戻っている感じがします。そういった意味でもこの本は若い人も含めて、是非読んで頂きたいなと思いました。
心をこめて形をつくる
【高城】 では、最後に今から1分間、リスナーの皆さんに山アさんの方からアドバイスやメッセージを頂ければと思うのですが。
【山崎】 「人の品を見て我が品直せ」と書いてありますけど、結局何か人のやっていることを見て、先ほどの話ではないですけども、悪かったら「ああ、よくないんだ」と止める。それからいいことがあったら学ぶ。これは、教育の、それからものごとを学ぶ根本的な考え方ですよね。それこそお茶のお稽古事でも同じですけど、自分が稽古をつけてもらってやるよりも、人の稽古をしているのを見て、いい悪いを判断する方が勉強になるんですよね。
そういう意味ではとにかく礼儀正しいかどうかのポイントを見極めて、その視点で悪いのは悪い、いいのはいいとはっきり峻別することでしょうね。マナーやエチケットと言われていますけど、まず礼儀正しさが基本になると思いますね。礼儀というとすぐ「作法だ」、「形だ」といわれて、「形が嫌だ」という人がいますが、形ではなくて心。
でも心だけでは通じません。初対面でも通じるのが形なんですよ。「形を作って心をこめる」とよく言いますけど難しいです。形を作ったら心をこめないと形にならないところがあちこちあるのです。お辞儀だけを考えてみてもわかると思いますよ。テレビで謝罪している時、心がこもっていないからおかしいでしょう。
【高城】 そうですね。
【山崎】 角度もきちんとしている。背もきちんとしている。でも手は全然どこにあるかわからない。そういうことですね。やはり自分を律していって頂きたい。本の中に「お説教するのはいけない」と書いてあるのですが、お説教になってしまいました。
【高城】 ありがとうございます。本日は、「上品な人、下品な人」の著者、山ア武也さんにお話をお伺いました。どうもありがとうございます。
【山崎】 ありがとうございました。
【川崎】 ありがとうございました。
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