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内藤裕紀
株式会社ドリコム代表取締役 [ 社長の哲学 ]
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内藤裕紀
[インタビュー]
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「出来ないことはない」と思うことで道は開ける(2)
2006.12.24
[ TOPBRAIN RADIO ] 高橋幸司の仕事の哲学
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腹をくくっているからっていう視点で考えると、いろんなことが変わる
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自分の理想像に近づくためにはいろんな人の話を聞くこと
高城 ちょうど株式の公開をされたのが2006年ですから、まだまだその当時は小さい会社だったんですよね?
内藤 そうですね。
高城 そこから会社が2006年の上場までに成長する間は従業員の数もだいぶ変わったんですよね。
内藤 そうですね、2003年の時に従業員は多分20人くらいで、上場する時に100人くらいになってたと思うので、結構増えていってるかなと思いますね。
高城 会社を経営して初めは自分が起業したい、ということで始められたと思うんですけど、これだけ規模の大きな会社の経営者になって仕事の仕方っていうのは内藤さんの中で何か変化はありましたか?
内藤 そうですね、最初の頃はどちらかと言えば自分はやっぱりプレイヤーなので、あれもやってこれもやってそれもやって、何とか成り立ってしまうんですよね。それがある程度の規模になってくると、いかに皆がプレイヤーであったりヒーローであるようになっているかっていうことを考えなければならないので、そこがやっぱりこの1、2年で変わったところですかね。
高城 何か、そういう会社の仕事をしていく経営者としての考え方とかビジョン、そういったもので自分自身に影響を与えているものって何かありますか?
内藤 周りにいらっしゃる経営者の方が皆さん殆どが先輩ですので、いろんな話を聞くじゃないですか。成功した哲学も失敗した哲学も両方聞いて、自分の中でこうあるべきが一番最適だろうっていう理想像を作ってそこに近づくようにしていっていますね。現状がどうだからこっちが行きそうだ、とかじゃなくて、こうあるべきだったらそこに向けてどう進むかっていうのを皆さんの話から考えて作る。
高城 良いところを取っているわけですね。
川崎 お若い経営者の方々とお話しすると、わりと皆さん、ちゃんと上の方とかシニアの方々からのお話をすごく素直に受け止められている。今日の内藤さんの今のお話もそうだなぁと思いますが、成功する秘訣なんですかね。
高城 最初からそうだったんですか?
内藤 最初の会社が立ち上がるくらいまでは、とりあえず「行け!」っていう感じですね。「行け!」っていう感じで行った途中くらいからやっぱり聞いたほうが良いっていうことが出てきますね。最初の頃はやっぱりリスクって少ないと思うんですよ、「行け」で行っても。でもだんだん多くの人が関わるようになって周りへの影響も増えてくると、そのリスクヘッジをどうするかという中で、成功だけでなく失敗も両方聞いて最適な道を探そうという風に変わってきました。
高城 今、100名を越えてくるとおそらくこれってきっと3年後に内藤さんにお会いすると、多分その会社の数が100人じゃ済まなくて、ゼロが1個くらい、もっとしたらゼロが2つ増えているかもしれないですよね。そうなると経営者として仕事している姿を、社員に見せられないじゃないですか。その辺りで工夫すると言うんですか、伝え方を変えていかないとなかなか社員に自分自身のメッセージが伝わりづらくなると思うんですけど、その辺りで何か考えたり工夫したりしていることってありますか?
内藤 そうですね。出来る限り社内の組織を、ちっちゃいベンチャーが何個もあるような体制にしていって、その中で昔、僕が社長で30人くらいでやっていたようなものをいっぱい作っていく。という風にしてそこだけでもどんどんまわるようにしていくっていう方針を採っています。
高城 すごいですね。それって自然と覚えたんですか?そういうマネージメントのことを。
内藤 昔ですね、大学1年生の時に塾の先生をやってたんですけど、大体1クラス30人くらいを超えてくると見えなくなってくるんですよね。先生の見える距離として。なので、出来る限りそのぐらいの規模の中で収めていく組織にしていったほうがまわる。校長先生がいて先生がいる、みたいなものですよ。
高城 何気なくやっているようで、アルバイトの体験って大きいですよね。
転職を考える同年代との違い
高城 今後で考えると、人数が100人が1,000人、10,000人っていう会社を経営者として目指していくと思うんです。そういった中で内藤さんの中で今後の事業に対する計画とか夢みたいなものがありましたらお願いします。
内藤 そうですね、僕達自身はインターネットの会社なんですけども、ずっと新しいサービスを作るっていうモノ作りに近いことをやっていっていまして、メーカーに近いんですよ。なので今後はやっぱり海外にもご提供出来るようなサービスをどんどん作っていきたいな、というところが目指す方向ですね。
高城 具体的に今発表している範囲でいいんですけども、進めているような事業とかあるんですか?
内藤 そうですね、今現在は法人さん向けも個人さん向けも提供していってるんですけども、だんだんインターネットってやっと皆さんに使われるようになってきて、そういった中でより多くの人が見るだけじゃなくて使うサービスを作っていきたいなと思っていまして。今までのインターネットって実は見るだけってものがすごく多かったので、自分で使うサービスをもっと作っていきたいなと思っています。
高城 今僕らが知っているブログっていうのはもともとの用途と違った部分で広がっている気がすごくしていて。
川崎 最初の用途って何ですか?
高城 もともとサイトとしての展開はすごく楽なものだったんだけど、個人の発信物にだんだんなってきているから。 今後の計画を少しお聞きしたいんですけども、実際にこのラジオを聞いたりサイトを見ている方は同世代でも経営者でもなくてビジネスマンの方が多いと思うんですよね。普通のサラリーマンやってたら多分違った人生を歩んでると思うんですけども、経営者をやっている内藤さんから見て同世代の大学時代の友人と同期会で会ったりした時に何か違いが出てきたなって思うことあります?
内藤 いろいろあるんですけどよく言われるのは「お前がベンチャーベンチャー言ってた時に俺もやっときゃ良かったな」とか言われることもあるんですけど、彼らはちょうど会社勤めして5年とか経ってるんですよ。転職とかを考えてる人がすごい多い時期でして。僕は転職って無いじゃないですか。
高城 無い。
内藤 そもそもそこの時点で話が大きく変わってくるんですね。これからどうしよう、つまりまだやりたい事が見つかってないから転職を考えるんですよ。僕はやりたい事が見つかってやっているので、そこが一番大きな違いかな、と思いますね。
高城 でもなかなか転職しても見つからないんだよね。考え方とか仕事をしていく進め方みたいなもので、社長をやっているから身に付いたなって思うことは何かあります?仕事の進め方とか考え方とか。
内藤 そうですね、さっきの転職出来ないっていう話と近いんですけども最後の最後の場所じゃないですか、社長っていうのは。もう腹くくってなきゃいけないって思いますね。腹くくっているからっていう視点で考えるといろんな事が変わるかなと思います。普通に就職していれば辞めることも出来ますし、これはやらなくても誰か上司がやってくれるだろう、とか。自分の次がいるんですけど、経営者は自分の次がいないので、その点で考える事によって身に付く事っていうのはすごくあったんじゃないかな、と思います。
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