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原尻淳一
エイベックス・エンタテイメント株式会社にて、アーティストのマーケティングや、プランニングを担当。 [ 仕事術 ][ 時間管理 ][ キャリア ]
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原尻淳一
[インタビュー]
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発想やアイデアのヒントが満載(1)
2007.03.11
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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チーム全体で生産性があがって楽しく仕事ができる環境になっていったらいいなと思ってます。
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メールのやりとりから生まれた本
川崎 本日のゲストは東洋経済新報社から出版されている、4万部を突破したベストセラー「IDEA HACKS!」の著者でいらっしゃいます、原尻淳一さんそして小山龍介さんです。
高城 原尻さん、小山さん、本日は宜しくお願い致します。
原尻・小山 宜しくお願いします。
高城 このコーナーに共著の2人がそろってお越し頂くのは初めてですね。
川崎 そうなんです。嬉しいですね。
高城 スタジオも賑やかな感じになっておりまして、すごく楽しみなのですが、まず初めにお二人でこの本を書こうと思ったきっかけを少し教えて頂けますか。
小山 もともと広告代理店の時に同期として入って、その当時から2人で変な悪さというというか、勉強を一緒にしたり、やろうとしてできなかったのですが「東京中の坂を研究しよう」とかですね。
川崎 なぜ坂なのか、気になりますけど。
原尻 赤坂に坂がいっぱいあって、由来の説明があるんですよ。「東京は坂の由来がいっぱいあるから、これ、調べようか」とか変なことばっかり言って。
高城 おもしろいですね。
小山 そういう好奇心がどんどん発展して、ある時異業種勉強会に僕が参加して、そこでワークショップみたいなことを学生と社会人1、2年目の人とやっていたんですね。その時にすごく好評で、「じゃ、これちょっと本にできないかな」ということで、出版社に持ち込んだんですね。
高城 そうなんですか。
川崎 入社してすぐですね。
小山 それは小山が代理店を辞めて大学院に行って、日本に帰ってきた時に。
川崎 その時に出た異業種勉強会ですか。
小山 そうですね。
高城 それ、今から何年前ですか。
小山 2004年。
原尻 3年前ぐらいですね。
高城 そこから現在の本が出るまで約3年間の構想で作ったという感じですか。
原尻 いいえ。(小山が)アメリカ行って、僕はずっと代理店でマーケティングやっていて、その時に「これ、使えるぜ」とか「これ、おもしろいよ」というのを小山とメールでやりとりしていたんですよ。
川崎 海外と日本とで。
原尻 小山はシリコンバレーにいたので、シリコンバレーの習慣みたいなのを送ってきてくれるわけです。僕はマーケティングをやっていて、「日本のブランドの最先端はこんなことやっているんだぜ」というのを送るわけですよ。そうすると「これ、おもしろいね」という話になって、実はそのメールがベースですね。
高城 どれぐらいメールのやりとりは続いたんですか。
小山 ずっとですね。1日に10往復とか20往復とか、すごい時もありましたね。
高城 すごいですね。彼氏と彼女よりまめな。
川崎 お互いにアメリカに相方がいながらにして日本の情報を渡せたり、逆に日本にいながら留学している感じでしたかね。
原尻 そこまではなかったですけど、シリコンバレーの状況とかそこの人たちがやっている技術がすぐ入るから、スカイプとかを早いうちに教えてもらったり。
川崎 小山さんがそういう情報を。
原尻 そうですね。そういう情報がバンバンくる。「これ、使ってよ」とか「あれ、使ってよ」とか。
高城 そうしますと、西海岸のビジネスのセオリーに日本のマーケティングの最先端を足して2、あるいは足して3とか4になったような本がこの「IDEA HACKS!」ですね。
川崎 行き来しないでメールで。
上司と部下のあり方をタクシーの運転手にならう
高城 「IDEA HACKS!」というタイトルについても少しお聞きしたいんですけども、このタイトルをつけた理由というのは。
小山 もともと仕事術みたいなのが西海岸の方で「LIFE HACKS」という名前でみんなの中で共有して「こうやるとお仕事早く終わるよ」とか、エンジニアの人はたくさんある仕事の量をどう効率よく処理していくかというテクニックがすごく重要になるので、それをみんなで共有しあって「LIFE HACKS」と呼んでいたんですね。
川崎 「HACKING」はコンピューターどこかから侵入をする、すごく悪いイメージですけど、その「HACK」ですか。
小山 それは「CRACKING」といいます。
高城 違うんですね。
小山 「HACK」の本当の意味はもっといい意味なんですよ。
川崎 今、日本では悪い意味だけがみんなよく知っている。
小山 ええ、そうですね。流布しちゃったという感じですけど、本当は「HACKER」はもうちょっとリスペクトされる名前なんです。
川崎 そうなんですか。
高城 知らなかったですよね。言葉も実は新しかったですし、今回この本もすごく真っ白な、キャンパスの白にイラストでいくつか靴やコーヒーカップが描いてあって「オフィスで茶会を開く」、あるいは「歩くスピードは1秒に2歩」とか。本の中身の中のキーワードを表紙に交えてあって斬新な感じがすごいして、しかも内容も読ませて頂くと、日頃ビジネスしていて「なるほどな」とか、「あっ、これ確かにそうだよね」と思える内容がすごく多いんですけど、気づいているようで気づいてないことを再発見したような気がしました。
原尻・小山 ありがとうございます。
高城 私がすごくおもしろかったのは、「タクナビは部下ナビに通じる」という。
川崎 それはどういうことですか。
原尻 たぶん書いたの、僕ですね。タクシーの運転手さんに道を教える時、急いでいると渋滞にはまりたくないとか、この道は絶対行ったらはまるとかあるではないですか。それを的確にどうやって運転手さんに伝えて、ちゃんとゴールまで行けるかというのは、実は部下に伝える言葉と同じだなと思って。だからちゃんと「ミスしてはいけないとことは、ここなんだよ」とか「ゴールまで行くにはここが最先端だから、こうやった方がいいよ」というのをちゃんと伝える言い方は、タクシーの運転手さんに伝える言い方と同じで、それをタクシーの運転手さんに言うように部下に伝えるとちゃんとワークする。
川崎 自分が急いでいるだけで「あー、もう早く」ばっかり言ってるとちゃんとたどり着かないし、結局自分に返ってくる。仕事でもそうですか。
原尻 ルートもちゃんと言ってあげて「ゴールはここですよ」と。「だからあれで行ってください」と言うと、「いい近道が見つかったので、こっちの方がいいんじゃないですか」と返してくれる方がプロですよね。そういうのが上司と部下のあり方としていいなと思って、そこをなんか使えるなと。
高城 すごく妙を得ていたような気がして、「ああ、なるほどなあ」と思わずうなってしまった気がしましたね。
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