□家で仕事がしたかった――50万人のユーザーを抱える社長の創業秘話―――その後起業されて、今では売上が13億円。
去年度はそうですね。―――東京と福岡で従業員は何名くらいいらっしゃいますか。
アルバイトなども合わせて100名くらいです。―――ベンチャーとしては本当に規模の大きい会社ですよね。しかし引きこもりをされていたご自身から、起業し経営することを決断されたきっかけは何だったのでしょう?
会社を創るきっかけは、別に会社が創りたいというわけではなくて、嫁が妊娠しまして、妻と子供と3人で、家で仕事しながらいられるといいなー、というとこから創った会社でした。―――ご結婚されたのは?
22歳でした。会社を創ろうとしたのも同じころ、22か23歳でしたね。―――家で仕事をしようと会社を始められて、今では100名の従業員を抱えるまでに成長されたわけですが、大きくしようと思ったきっかけは何だったのでしょう?
社員が入り始めて20人くらいになったころですかね。ふっと気付いたんですけど、家庭持ちの社員もいて、気付けば、僕一人だけの会社じゃないんだなと思ったときに、ちゃんとやっていかなきゃ、大きくしていかなきゃ、という感情がわいてきました。―――有名なサービスとして「ロリポップ」というレンタルサーバーをされていますが、それをメーンに選ばれた理由は?
僕が会社員をやっていたころに、趣味でホームページ作ったりしていたんですけど、個人で使うにはレンタルサーバーはやっぱり高すぎた。あとは、嫁も中学校時代からホームページをやっていまして、それも無料のところを使ったりしていて、学生に優しくない環境でした。
僕はずっとそう思っていて、だから一番の動機は自分が使いたかったというのがあって、ホスティングをしようかと思った。―――実際にそのサービスが当たって会員数も何十万人となりましたが、それは最初から予測されていたんですか?
いえ、そこまでは考えていなかったですね。―――現在、ユーザー数はどれくらいですか。
今は申し込み数で50万人になっています。―――当然それまでにご苦労もあったわけですよね。本によれば世間からのバッシングもあったとか。
そうですね。主に2ちゃんねるでしたけど。まだ一人でやっていたころは、サポートで自分の携帯番号を載せていたので、深夜問わず、怖い電話がかかってきたりとか。―――例えばどういう電話だったんですか。
「サーバーが見られないぞー」ってものすごく強い口調で言われて、「申し訳ございません」と対応をしたりとかですね。一人でやっていたころはいろいろ、僕自身でいろいろと対応をやっていましたね。―――でもその後レンタルサーバーが大きくなって、商品も当然広がり現在に至るにあたって、ベンチャー企業でいうGMOというグループに入るという判断をされたわけですが、それはどういう理由だったのでしょうか。
それも先ほどお話しした、自分一人じゃないと思ったころに、うちが使っているサーバー業者がいくつかあったんですけど、そのうちの1つが倒産してしまいまして。そこでよく考えると、大元のところがこけちゃうと、会社はもろに影響を受けてそのまま潰れてしまうなという恐怖とか、僕自身が経営の勉強をしてきたわけではないうえに、会社が個人経営という状態だったので、やっぱり今後はちゃんとしていかなくてはと思った。そういう時に丁ちょうど話がありまして、何社からかオファーがあったんですが、GMOホスティングというところでもともと長年やってきた会社ですし、お互いに得るものがあるかなという判断をしました。(3)に続く