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佐々木俊尚
フリージャーナリスト [ インターネット ]
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佐々木俊尚
[インタビュー]
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グーグルーGoogle既存のビジネスを破壊する/文藝春秋(2)
2006.09.03
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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Googleは我々の生活を支配する インフラになる
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テレビCMでものを売る、みたいなやり方がGoogleの登場で変わってきた
【佐々木】 基本的に、例えば電機メーカーとか、重工業の会社がものづくりをやっていて、そのものづくりの影響にあるかって言って、たぶんそれはそんなに影響ないと思うんですよね、製造業。ただ製造業の会社は実際に例えばテレビとかいろんなものを販売店経由で消費者に売っているんですけど、その売り方自体がものすごく変わってくる。グーグルというモデルを使うと、今までテレビコマーシャルでものすごい巨額なお金をかけていろんな電機メーカー、テレビCM流して、それをみんな見て、「あっ、これおもしろそうだ」と買っていたのがグーグルの登場によってもっと他の人の口コミ情報を聞いたりとか、あるいは検索エンジンで本当にその製品がいいものかどうかを調べたりとか、消費者が主導になってくるんですよね。そうすると、テレビCMみたいなやり方によってものを買うっていう仕組みが徐々に変わってきて、よりみんなの意見から正しい評価をすくい上げようというふうにモデルが変わってくる。その手助けをグーグルはしているわけですよ。そうするとものの買い方自体変わってくるわけだから、これはものの売り方に大きな影響を与えるんじゃないかと思いますね。
【高城】 たぶんそうなると川崎さん、2兆円とか3兆円と言われている広告マーケットが変わってしまうかもしれないですよね。テレビコマーシャルとか見ますよね。
【川崎】 見ますし、私はそういう仕事もしますけれども、その仕事の口が減りそうですね(笑)。
【高城】 その影響と、テレビコマーシャルの影響とインターネットのそういう検索エンジンの順位っていうものが同じぐらい重要になってくるということらしいですね。
【佐々木】 現在既にインターネットの利用者数っていうのは総務省の数字で7千万人に達しているんですよ。だから人口の、ものすごくお年寄りとか、子供を除くとほとんど全員がもう使っているに近いと思いますよね。
【高城】 なるほど。例えば広告業界についてはもしかしたら逆転現象っていうの起きてきても全然おかしくないと思うんですけど、でも当然グーグルって進化していくと思うんですよ。この中でもすごい進化していくと思うんですけども、そのすさまじい進化の中で、例えばグーグル自体がもっと変わっていく部分ってあると思うんですね。あと我々、ユーザーも変わっていかなきゃいけない部分も結構あると思うんですけど。
消費者例の意識改革が大きく進んでいく
【佐々木】 たぶんグーグルももちろん変わってくるでしょうけど、たぶんそれ以上に今高城さんがおっしゃったように受け手の側というか、消費者の側というか、そっちの意識改革の方がたぶん大きくなるんじゃないかなと。例えば企業が大々的にコマーシャル展開して、CM展開して何かものを売ろうとしても、たぶんもう売れなくなってしまう。みんなやっぱり口コミ情報とか、知り合いが「これがいいよ」って言っているから買うとか、そういうふうにどんどんどんどん変わっていくわけですよね。消費者がより偉くなっていくというのはあると思いますよ。例えば統一ブランドとかなくなってしまって、例えばあるデジタルカメラのメーカーが何とかというブランドのカメラのシリーズを出そうとしても、どの製品もそのブランドが有名になったからどの製品も売れるかって言ったら、決してそうではなくて、1個1個の製品に対してきちんとみんなが評価して、それがいいものだったら買うっていうふうに変わってくるわけです。だからブランドが有名だから買うっていうのは、それこそフランス製のバックぐらいしか残らないんじゃないかと思うんですけどね。
【高城】 そこまで変わってしまうとだいぶ商品の戦略とか売り方っていうのが変わってくるのかなって思うんですよね。私がこの本を読んですごく思ったのは、仕事柄、人のことをやっているからかもしれないんですけど、商品とかサービスの作り方も変わりますけど、これだけインターネットが本当に強くなってくるとさらに優れた人材、技術者もそうですし、コンテンツを作る人、どんどん集まってくるので、より優秀な人が集まる。さらに進化するっていう循環に入ってきてしまったんだなって。きてしまったっていう感じですね。ついにっていう感じがすごく感じましたね。だから楽しみな反面、怖いなっていう。ものすごい力を握るんだなっていう感じがしますよね。
【川崎】 まだまだお話をお聞きしたいことがたくさんあるんですけども、だいぶ時間も迫って参りましたので、最後に佐々木さんの方からこのラジオを聞いて頂いているリスナーの皆さんにビジネスに生かせるアドバイスを頂けますか?
【佐々木】 はい。昔、ものを売るっていうのは、やっぱり営業力が大事だってすごく言われていましたが、こういうグーグルのようなモデルが登場したことで、対面的な営業力が実はもうなくても、ものが売れる時代になったんではないかと。それこそ昔は単なるオタクだと言われたパソコンの前でずーっと画面見ている人は実はものすごくもの売っていたりとか、そういう営業のやり方自体が変わる時代になってきているんではないかと。だからもうひたすらド根性でものを売るんじゃなくて、もっと頭を使うっていうのがたぶん大事になると思うんです。
【高城】 営業も変わっちゃうんですね。
【川崎】 そうですね。ありがとうございました。
【佐々木】 はい、ありがとうございました。
【川崎】 貴重なお話をうかがうことができました。本日のゲストは「グーグル−Google既存のビジネスを破壊する」の著者でいらっしゃいます、佐々木俊尚さんでした。どうもありがとうございました。
【佐々木】 ありがとうございました。
【高城】 ありがとうございました。
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