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松尾昭仁
ネクストサービス株式会社 代表取締役CEO [ コミュニケーション ][ 成功法則 ][ 自己実現 ]
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松尾昭仁
[インタビュー]
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「自分」という個人を「ブランド」にする!(3)
2007.11.07
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他人と確実に差をつけるには――― 実力、経験、人間性を上手に伝える“魅せ方”
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□セルフブランディング成功者は「空き地に旗を立てた人」
―――では、セルフブランディングができている人と、したいと思ってもできていない人は何が違うのでしょうか?
いろいろとあるのですが、いちばん端的に示すのは「誰々ならあなた」というところですよね。例えば私はセミナープロデューサーということをやっているので、セミナーをコーディネートする人は誰かなと思い浮かべるときに、その5人に自分が入っていればいいと思うんですね。ただし、そこの部分がニッチでもいいんですよ。例えば、インターネットなら誰、というと広すぎるじゃないですか。でも、セミナーの個人ブランディング、個人開催、自主開催を教えている人、ということ自体、あまりないので、逆をいうと、空き地に旗を立てるような感じなんですよね。私の友人、知り合いで、メルマガコンサルタントの平野さんという方がいるんですけれども、あの方は、まだメルマガというものが創世記のとき、まだ誰も知らないときに、自分はメルマガコンサルタントですと名乗ってしまったんですね。そういうことをすれば、そこの部分でマーケットが取れる。例えば社労士なら社労士で「全部できますよ」ではなく、社労士の業務のなかの1つだけ得意分野を決めて、「何々専門社労士」というようなところでブランディングをかけていくと、比較的早く、小さいマーケットが取れるのではないのかなと。
―――いま、空き地とおっしゃいましたが、空き地を探すわけですね?
そうですね、あとは、探さなくてもあまりそこに有名人がいなければ、自分がどんどん名乗り続けていくような。
―――そういったことをしていくことによって、ブランディングが確立していくと?
はい。
―――確立すると、人を集めやすい?
そうですね。
―――注意するべきことは何かありますか
まず、一貫性ですね。ブレではだめです。例えば私がセミナープロデューサーをやりながら、健康食品を売ったりすると、絶対ブランドが傷つくと思うんですよね。これは儲かった、じゃあこの人達に健康食品まで売ってやろう、というと、そこでの一貫性が崩れていって、ブランディングどころの騒ぎじゃない。ですので、私が例えば本を書くときには、セミナー講師に必要なノウハウについて、外れないようなことを書かないと、多分、自分自身のブランディングが失敗してしまうのかなと。
―――逆に、ブランディングするうえで、ぜひやったほうがいいことはありますか。
はい。最初に話したような、ブログですとか、メルマガですとか、比較的お金のかからない媒体で自分の情報を出していくところですね。その情報も中途半端に出し惜しみをしないで、もう、全部教える。この人は、ただのブログでこれだけ教えてくれるのだから、セミナーはもっといいはずだ。セミナーでこれ以上いいのだから、コンサルティングはもっといいはずだ。というようにやっていかない限りは、出し惜しみはバレますね。
―――出し惜しみしないんですか。
しちゃダメだと思いますね。しなくても、個別コンサルをするとその人だけの事例が出てくるはずですので、問題はないと思います。出し惜しみしてもできる人というのは、よっぽどすごい人なのかなと。
―――出し惜しみできるだけ懐が広い、引き出しがある、ということですね。
そうですね、カードをたくさん持っている人ですね。ただ、持っていない最初の段階でそれをやってしまうと、お客さんやファンはついてこないのではないかな。
□自分ブランドを確立する「ブログ」のうまい使い方とは
―――いま、ブログを書いている方がすごく増えていますが、ブログを使ってブランディングしていくのは、一方で難しいですよね。
はい。
―――ブログの書き方などもアドバイスされるのですか。
えーと、コンサルティングではします。例えば、「無闇矢鱈にコメントをつけない」とか。
―――コメントをつけるのはよくないのですか?
ある程度のブランディングを確立しているのに、嬉しいからといってコメントをくれた人全員にコメントをつけにいくと、いつまでたってもそこの仲間内で終わってしまう。やはり、広く、これから上の段階にいく場合には、どこかちょっと我慢しなきゃいけない。もし嬉しくてコメントつけたければ、その人に直接メールを送るとか。やはり、だんだんと自分の価値を上げていかなければいけないのかなと思います。
―――セルフブランディングができてきて、実際に仕事がうまく回るようになると、それを続けていくことも大変ですよね。
そうですね、例えば最初のうちは暇だと思うんです。そうすると、その時は毎日の例えばブログなどの更新もいいのですが、忙しくなってきたら頻度は落としてもいいと思うんですよ。例えば毎日書いていたのを、3日に1度、最終的には1週間に1度でもいいと思うんですが、1週間に1度は必ず近況を報告するような形で、なんとかさん、まだ元気でますます最近は忙しくなってきたんだな、ということを近況報告のような形でやる。ただし1カ月も2カ月も放っておくと、誰も見に来なくなってきてしまいます。作ったものがもったいないので、ちゃんとそのブログに「ちょっと最近忙しくなったので、更新頻度が落ちますが、1週間に1度は更新しているので見てください」ということで、自分が最近どういうことやっているんだ、というのがわかるようにやっていくだけでも違うと思います。
―――続けることは必要なんですね。
そうですね。やはり最終的には、地味な努力が必要ですね。
□「好きでない自分」についてきてくれる人などいない!
―――この本を書かれて、実際に読者の方の反響がありましたか。
そうですね、あの、元気が出たというのがありますよね。やっぱり自分としては、この本は応援メッセージでもあるんですよね。自分に自信を持ちましょう、自分を好きになりましょう、好きじゃない自分に人がついてくるわけがないですよ、というところで、精神的な面もたくさん書いていますので、そこの部分で自分が足りなかった、そこから変えていこう、というような、読者の声があります。
―――実際にかなりたくさんの方が本を読まれて、動いているということですよね。
そうですね、もちろんこちらに届かない所で一生懸命やられている方もいらっしゃると思うので、そうあってほしいですね。
―――今後どのような本を書きたい、こういうことをしていきたい、といった具体的なイメージをお持ちですか?
具体的には、まず書籍関係なんですが、11月にダイヤモンド社で「その他大勢から抜け出す」という基本的なコンセプトはあるんですが、大人の勉強法の本を出します。今、資格を取って勉強しましょう、語学を学んで抜け出しましょう、という本があると思うのですが、ちょっと私の個人的な意見のなかに、英語が必要なら英語は勉強しなくてはいけない、資格が必要なら資格は勉強しなきゃいけないと思うんですが、往々にして、資格を取れば何とかなる、英語を勉強すれば何とかなる、といわゆる現状の先送り、その為の勉強をしている人が比較的多いのではないかと思います。だからこそビジネスに直接結びつく、最終的には稼ぐためには、こういう勉強が今必要なんだ、先送りではない勉強をしましょう、という本を書き終わりましたので、11月に出ます。
―――今回の「一瞬で抜け出す」というのは、抜け出した後の続きがないと当然、皆さんが追いついて来てしまいますから、どんどん、どんどん、皆さんがより学んだり刺激になったりするために提供していきたいと思われていることが、たくさんあるのですね。
たくさんありますし、書きながら自分自身が勉強しています。
―――今後もぜひがんばってください
ありがとうございます。
―――本日のゲストは、『「その他大勢」から一瞬で抜け出す技術』の著者、松尾昭仁さんでした。今日のお話で感じたのは、頑張った分だけ、結果が出たほうが嬉しいわけですよね。その部分で、自分の頑張りがちゃんと人に伝わるための努力は何だろうと考えると、その一つがブランディングなのではないかと思います。ちゃんと人に伝わるためには、わかりやすく伝えやすい言葉でないといけない。そういったことを、当たり前かもしれないですが、今はサラリーマンの方もしなくてはいけない時代になってきたのだ、と本日のお話を聞いて感じました。松尾さん、今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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