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					| 米山公啓 医学博士
 [ 仕事術 ][ 時間管理 ]
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					| 米山公啓
					
					[インタビュー] 
 
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					| 脳科学的に見た、ゆとりを生み出す時間術(3)  2007.11.21 |  
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    					| ストレスもドーパミンも時間管理に活かす方法――“脳”から考えたまったく新しいビジネススキル
 
 
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 □人間は行動していても、意外と考えてはいない?
 ―――米山さんの読者層はかなり幅広いのでは。
 
 そうですね。最初は、医学系だから医療の関係者だとか、医療に疑問を感じている人達がきたんですけれど、いまは実用、ビジネスマンで、だから本当にいろんな分野の人が読んでくれていますね。
 
 ―――今回はビジネス書として、いままでと違う読者の方にリーチしたのでは。
 
 そうですね、ここ数年はどちらかというとビジネス書に振っているんですね。脳関係の本ですね。そうするとやっぱり、あんまりそういう、理詰めで行動を見てこなかった人達が面白がっているというか、役に立っているのかなという感じはします。
 
 ―――実際に、読者の方からお問い合わせいただくこともありますか。
 
 ありますね。ビジネスマンからということはあまりないけども、いわゆる大学生くらいの人からメールが来たりですね、役に立ったということは結構ありますね。
 
 ―――いま先生もおっしゃっていましたが、ビジネスパーソン、日常仕事をしている方からみると、理詰めで行動を考えていないというのは、まさにその通りだと思うんですが。
 
 人間の行動って、要するにほとんど考えていない。というのは、脳に回路ができてしまっているわけですね。日常の動作回路というのができているので、それを使うとあまり意識がない。ということは、あまり頭を使っていないということになってしまう。
 
 ―――耳が痛い話ですね。
 
 だからやはり、意識して行動するということが、すごく脳を活性化することに繋がるので、その辺りを書きたいというのがあります。
 
 ―――実際に、ビジネスパーソンの方が脳をうまくトレーニングしながら、より仕事のパフォーマンスを上げていくために、したほうがいいことはありますか。
 
 やっぱり、いままでにない人達に会うとか、要するに自分の専門外の経験を積んでいくとか、そこからヒントがあるんですね。普段はもちろん、自分の専門的な仕事をやらなきゃいけないでしょうけども、それ以外のオフのときは、できるだけ関係ないことに頭を使うというか、研究していくというか、興味をもってやっていくということが、結局役に立ちますね。
 
 ―――オンとオフとよくいいますが、そうすると仕事がない土日はオフだからリラックスする、ということになりがちですけど、そうではないと?
 
 もう、オフはないですね。オフはむしろ自分の違う分野の情報収集というか。
 
 ―――そこは、真剣にやると?
 
 そうですね。もちろん。楽しみながら真剣にやる、ということになりますね。
 
 ―――実際にビジネスパーソンの方と会う機会が増えたことで、もっとこうしたらいいということを感じますか。
 
 それは感じますよね。やっぱり、行動のマンネリ化というか、そこから抜け出す何らかの発想が、非常にユニークさに欠ける。名刺交換会とか異業種交流会みたいなところへ行くと、僕よりも発想にやっぱりユニークさが足りないな、というね。こうやれば商品がうまく面白いのができるのにと思うことが、いくらでもある。だからそういうところに、ちょっと出したい感じがしますね。
 
 ―――今後のテーマとして、とくにビジネス関係でこういうテーマでやってみたいと思われているものがありますか。
 
 いくつかありますね。それはだから、経済学と神経学を融合させたような、神経経済学みたいな視点で、非常に難しいですね。医学と経済はなかなか、相反するものだから、それを統合させる部門がいま始まりつつあるので、そちらで医者の専門的な視点で経済を見ていく、ということをやってみたいと思いますね。
 
 
 □脳のもつ力に「年齢」は関係ありません!
 
 ―――脳を鍛えるとか、医学的に分析する上で、年齢はどう関係してくるのでしょう。例えば20代の方と40代の方は、体力でいえば当然違うと思うのですが、脳という観点でみたときにどれくらい違いがあるのでしょうか。
 
 基本的には記憶力だとか、そういうものはスピードが必要なので、どうしても年齢で落ちるんですけど、理解力そのものだとか、脳が変わっていくということを考えれば、あまり関係ないといわれています。
 
 ―――では脳を鍛える、というときに、20代の方と40代の方でやり方が違うということはないのですか?
 
 基本的にはないですね。
 
 ―――一緒ですか?
 
 うん。だから本当にアクティブな人だと年齢を感じていないと思いますね。50、60関係なく、やっぱり最前線でやっている人達は全く関係ないですね。だからむしろ自分が衰えたなと感じるときは、要するに常に情報がもう入ってこなくなってきていると思っているんです。物忘れを意識するということはもう、情報が少なくなってきているんだという状態ですね。
 
 ―――では、年齢に関係なく意識をして努力をしていけば、脳は鍛えられるということですか。
 
 そうですね。
 
 ―――そういう意味では、体力以上に脳というのはまだやりがいがあるということですね。
 
 そういうことですね。
 
 ―――ちなみに脳を、人間はどれくらい使っているものなんですか。
 
 これはデータがないんですよ。2割、1割とかいいますけど、それは全く根拠がないことで、それはわからないですね。電気的に信号をみれば脳全体を使っていますから、でもそれは使っているといえば使っているわけですね。だから脳細胞が減って、誰でも減っていくんだけど、それが過激に、すごく大量に減らない限り病気にはならないわけですから。だから使っていない場所は確かにあるんだけれども、そのパーセンテージは全くわからないですね。
 
 ―――最後に読者の方に対して、とくにビジネスでこの部分をポイントにすると脳が使える、といったアドバイスをぜひお願いします。
 
 普段の日常のなかに、ビジネスチャンスがあるというのは間違いないと思います。見えていないのだと思います。だから、その見る力をやっぱり自分で選び取らなくてはいけない。
 
 ―――ありがとうございます。本日のゲストは『頭のいい人の時間攻略法』の著者、米山公啓さんにおいでいただきました。
 米山先生は、作家として、お医者さんとして、それから小説家として幅広く活躍されていますけれども、今回の脳と仕事というテーマでお話をうかがって一番感じたのは、やはり目の前の仕事をちゃんとやっていくことですね。目の前のことをちゃんと処理していくことができないと、結局のところ時間管理ができないということです。楽しく、ゲーム感覚を交えながら目の前のことをテンポよくやっていったうえで、次のこと、将来のことを考えていかなくてはいけないのだな、と改めて痛感したインタビューでした。米山先生、ありがとうございました。
 
 どうもありがとうございました。
 
 
  
			 
  
			 
 
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