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安田佳生
株式会社ワイキューブ代表取締役 [ 仕事術 ][ 人材採用 ]
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安田佳生
[インタビュー]
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採用の超プロが教えるできる人できない人/サンマーク出版(4)
2005.04.03
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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採用方法と教育方法について 経営者に気づいてほしい
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社員は数より質。企業は社員への投資を怠ってはいけない
【主藤】 シリーズ3部作で売れている本と合わせて、安田社長自身も会社を通して、新しい人材論というのを広めていると思いますが、世の中は変わってきましたか?
【安田】 まだまだですよね。でもやはりその素材が大事であることや、今いる社員に投資しないといけない、ということは多少変わってきましたね。例えば、業績を上げてくれて、利益が出たら社員に投資するって言う社長が多いです。でもそういう会社にはやはり人が集まってきません 。
【主藤】 業績が上がってからの投資ではいけませんか?
【安田】 現段階では、待遇が悪いわけですよね。そんなところにいい人は来ないですよ。そしていい人が来ないと業績も上がらないですよね。その繰り返しですよ。だからまず、業績が上がる前にまず待遇をあげないといけません 。
【主藤】 業績の前に待遇ですか?
【安田】 先に待遇を良くしないといけません。すると、それを見て人が来る、そうするとその人たちが業績を上げてくれます。まずは投資ですよ。
【主藤】 投資も人に対する投資。
【安田】 現社員に対する投資ですね。
現社員の顔を思い浮かべて、何で給料をあげないといけないのかと思ってしまいますが、未来に入って来る、未来の社員の顔を思い浮かべて、今いる社員に投資するのです。
【主藤】 今いる社員は現状維持で、新しい社員から新しい制度でやるのは駄目ですか?
【安田】 そんなことはなかなか成り立たないですよね。外から入ってくる人は、今いる社員がどれだけ満足しているかを見ています。
ですから、社員満足度の高い会社は、人材がいっぱい集まってきますから、いい人を選んで採れます。いい人材を採れば、業績が上がります。
【主藤】 そういうふうに世の中や経済環境の変化とともに採用の考え方も変えなきゃいけないですね。
【安田】 一番変わったのは、やっぱり数から質に変わったってことですね。
【主藤】 数から質。
【安田】 かつて数がある程度いれば、売り上げは上がりました。
しかし営業の数を増やしても、今は売れないんですよね。では、質って何なのか?となった時に答えられる人がいないんですね。
【主藤】 答えられる社長がいない。
【安田】 はい。自分の会社にとって質のいい人材って何なのか?それが分からないんですよ。元気だとか、頭がいいとか、営業力があるとか、っていうわけの分からない答えが出てきます。
【主藤】 もっと深く掘り下げて、自分の会社の営業プロセスや商品を知らなくてはなりませんか?
【安田】 そのプッシュ型の攻めの営業で業績を上げている人という プロセスのどこを強化すれば売り上げが伸びるかです。集客が弱いのか、プレゼンテーションが弱いのか、クロージングが弱いのか、顧客フォローが弱いのか…、それによって戦略も採る人材も変わってきますよ。
自分に100%原因があると思うことがデキる人間への第一歩 【主藤】 今まで、採用する側の秘訣を、お聞かせいただきました。
今度は逆に、これから就職をしよう、転職をしようという人にとって、自分をしっかりとPRできる方法、自分がこれからできる人間に変わる方法といったコツはありますか?
【安田】 コツですか? まぁ、基本的には自己否定ができないと駄目ですね。
【主藤】 自己否定?
【安田】 自己否定。要するに自分はできないんだというところに注目できる人。
【川崎】 一番見たくないところですね。
【主藤】 一番見たくないところ、そうですね。できないんだというふうに自分を否定できる人。
【安田】 それもありましてね。
例えば、前の会社を辞めた原因が自分にあると思っている人でないと、私だったら採用しないですね。前の会社が悪いんです、と言う人はウチに入ってもどうせ同じこと言いますから。100%環境が悪いってこともありえないし、100%本人が悪いってこともありえません。どっちもどっちですけどね。
けれど原因を自分に追究している人でないと、成長しないじゃないですか?要するに自分は変わらないけれど、環境だけを変えようと思っているわけですから。
【主藤】 例えば、会社を辞めちゃったと、あるいはやめて転職しようと思った時に、大体会社や人間関係が嫌だとかありますけれど、そういうふうな気持ちも一方でありつつ、自分の中に何か、原因があったというふうにまず思うことですね。
【安田】 100%自分が悪いと思うことですね。すると、どうしたらいいだろうと、考えると思います。中途半端に、自分も悪かったけれど、会社も悪かったなんて考えていても、本人のためになりません。
【主藤】 転職を考えている人は、前の会社を辞めたのは100%自分が悪かったと、いう視点に立脚すると。
【安田】 自分が変わらないとね、会社だけ変わっても、同じじゃないですかね。やっぱり。
【主藤】 テクニック的に面接の時だけ、そういうふうな反省を取り繕っても駄目ですよね 。
【安田】 そうですね。
【主藤】 まずは自分が100%自分に問題があるということを考えるということが、できる人材の第一歩。
【安田】 そうです。やはり人間はできるところとできないところがありますよね。みんな大体、できるところをアピールします。
しかし、できるところばかり注目している人だと伸びません。今の段階では、できないことは別にいいんですよ。できないということを認識していれば、どうやったらできるようになるのかといろいろ考えて、いずれはできるようになるわけですよね。
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