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藤巻健史
フジマキ・ジャパン代表取締役 [ 資産運用 ]
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藤巻健史
[インタビュー]
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藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」入門/光文社(1)
2006.07.09
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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長い目で経済を見ることは重要で、 自分の財産を守るためにも日々の勉強は必須です。
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株取引先のノウハウとは?高校生から学ぶ必要はなく基本は読み書きそろばん
【高城】 今回のゲストは光文社から出版されております、8万5千部を突破したベストセラー「藤巻健史の5年後にお金持ちになる資産運用入門」の著者、藤巻健史さんです。藤巻さん、今日は宜しくお願い致します。
【藤巻】 宜しくお願いします。
【高城】 本日初めてお目にかからせて頂くのですが、書店で必ず藤巻さんの本が大体2冊か3冊ありまして、本の表紙の藤巻さんの写真はいつもお目にかかっておりますので、初めてお会いしたとはとても思えない感じです。
今回のテーマであります「5年後にお金持ちになる資産運用入門」というこの書籍、8万5千部のベストセラーですけども、ちなみにこの本は 何冊目になるのでしょうか?
【藤巻】 10冊近く出したと思いますけど、真面目な本が2冊ぐらいで、あとはわりと柔らかい本を出してきました。
【高城】 コンスタントに書店でお目にかかり、それと同時に素晴らしいご経歴をお持ちですね。早稲田大学を含めて大学でも授業されているそうですが、現在のお仕事の中心になっているものを少し教えて頂けますか?
【藤巻】 今、本当に何が本業になっているのかよくわからないのです。大学の先生をやったり、新聞に書いたり、本を書いたり、非常に講演活動が多くて。ですが、それは一応副業でして、一番の仕事は少人数ですけども投資助言業務の「フジマキ・ジャパン」という会社で、ファンドに助言を与えているのがやはり本業です。
昔、モルガン銀行時代に私がやっていたようなことを間接的にやっているというのかな。直接ブローカーさんを通じてトレーディングは免許の関係でできないので、助言をしています。
【高城】 直接1つの株をどれに投資したらいいかということではなくて、もっと大きな意味ですよね。
【藤巻】 そうですね。僕は株であれば日経225というインデックス。株全体が上がるか下がるか、長期金利が上がるか下がるか、ドルが上がるか下がるかという全体的なものの取引の助言をしているんですよ。だから日本経済がよくなると株が上がり、土地が上がり、金利が上がり、日本経済が悪くなると逆なことというふうに日本経済を予想して、その動きに合わせて資産がどういうふうに動いていくのかなと考えていく。個別株は取引していないのです。
【高城】 藤巻さんといいますとある意味、金融のプロフェッショナルな世界をずっと生きてこられた方ですよね。今回この本は、高校でお話をしたものをベースに作られたそうですけど、藤巻さんの読者層はものすごい幅が広いですよね。違う世界の方だから、すごいなと思うのですが。
【藤巻】 いえいえ、私もあまり頭のいい方ではなく、難しいことを考えないから、もともと物事を全て易しく考えることを心がけていました。
もう1つ逆な言い方をすると私はモルガンで支店長の時代、若い理科系の人間を採用する時、理科系の知識なんて私は全くないんですよ。その人間に自分が研究していることを私にわかりやすく説明しろと。全くド素人である私に説明できるかどうかをチェックしたのです。要するに自分のことを難しい言葉ではなくて、ド素人にもわかるような言葉で言えるということは、はっきりと自分の専門分野に通じている、わかっているということだろうと私は判断したわけです。だから自分自身もなるべく易しい言葉で言えるような努力を絶えずしてきたつもりです。
【高城】 高校時代、金融のお話を藤巻さんから聞くことがあったら、川崎さん人生が変わっていたのではないですか?
【川崎】 テレビでよく、アメリカやヨーロッパの学校が授業でゲームのように「1億円あげます。それをどうしますか」とやっているのを見て、日本もあったらいいのにと思っていたのですが、藤巻さんの本の中でも紹介されていましたけど、日本でも授業でそのようなこともトライされていますよね。
【藤巻】 ただ、例えばA社の株を買って、上がるか下がるかというシュミレーションとか、ゲームではなくて、そのもとにある「経済がどう動くのか」ということを教えたかったわけで、あまり株を小学校、中学校、高校の時からゲームみたいにやったりする教育は、私は好きではない。
高校時代まではやはり「読み書きそろばん」という日本の基本的な教育をしておいて、重要なのは「経済はどうやって動くか」ということがわかっていると、基本的に「景気がよくなれば株だ」というコンセプトがわかる。基本的なことだけは押さえておく必要が高校生にもあると思うから高校で授業をさせて頂いたのですが、株取引のノウハウを学ぶ必要はないと僕は思っていますね。
若い人達に経済の仕組みをわかってもらいたい 「お金を儲ける」ことが、悪いイメージではなくなった
【高城】 「5年後にお金持ちになる資産運用入門」という本の内容は、品川女子学院での金融講座の授業で高校生の方に対しての講演からできたということですけども、そもそも本の出版に至るきっかけはどういうことだったのですか?
【藤巻】 1つは、やはり若い人達に「経済とはなんぞや」ということをわかってもらいたかった。要するにさっき言ったノウハウ本的なことではなくて、もっと仕組みをわかって頂きたいと思ったのが理由ですね。私は大学生向けの教科書的な本は一応書いたことがあるので、そうではなくて高校生でもわかるようなのを書いてみたいなと思ったのが1つのきっかけですね。
あと、品川女子の理事長の漆先生と私の弟(藤巻幸夫氏)と一緒に食事をしたことがあり、そういう教育もしっかりやっていらっしゃる先生と存じ上げていたので、漆先生にお願いして講義をやらせて頂いたのです。
【高城】 実際に高校生の方に講義をして、いかがでしたか?
【藤巻】 非常にみなさんに興味を持っていただけたと思います。反応もよかったですね。
昔日本人にはお金儲けが悪だったのです。最近もちょっと事件があって、「お金儲け、悪」みたいなことが出てきましたけど、僕は決してそうではないと思うんですね。こういうこと言うと、みんなに叩かれてしまうかも知れないのですが、例えばアメリカではお金を儲けることは、一種の勲章なんですよ。お金を儲けることは自分の実力の表現であって、それをいかに使うかでみんなから評価される。ある程度寄付するとか、あぶく銭みたいにワーッと使ってしまう。変に遊んで使ってしまうのはみんなに卑下されたり、look downされるのですが、いかにうまくきちんと使うかで評価されて、お金を儲けるということ自身は悪いことではないことをきちんとみなさんが言えるようになったのだなと若い人達を見ていると思いましたね。「お金儲け、悪」という概念とはちょっと違っていた。
今、いくつかの事件が続いていて、少しパッシングみたいなのが始まってしまっているけれども、基本的にはそれではいけないのかなと。お金儲けと悪ではない。きちんとしたルールに沿って、儲けることは悪ではないと私は思いますけどね。そうしないと日本はやはり経済三流国になってしまいますから。
資本主義の原理というのはやはりみんなで正々堂々と頭をひねって、みんながお金を自分で稼ぐことを考えることによって、日本全体が豊かになっていく。そういう概念がないと、若い人達のチャレンジ精神がなくなってしまい、日本経済も将来が暗いですから、公正な競争のもとでそういう制度を作ってみんなで一生懸命頑張っていくのは重要だと思うし、その基本的な概念である「お金を儲ける」という言葉に対して躊躇というか、あまり悪いイメージではなくなったのはいいことかなと私は思いましたけどね。時代が時代ですので、聞いていると反発を受ける方がずいぶん多いのではないかなと思いますけどね。
【高城】 実際授業をやってみて、高校生の方から質問とか出るのですか?
【藤巻】 多かったですよ。ものすごく多くて、非常にいいことだと思います。日本人はやはりシャイなので、なかなか質問を人の前でしないのですが、彼女達は非常に明るくどんどん質問してくれて、なかなか論理的で感心してしまったのですけど、非常におもしろい授業をさせて頂きましたね。
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