原尻淳一氏の新刊『PLANNING HACKS!』が、4月27日(金)に東洋経済新報社より刊行!
2007年04月25日(水)

企画における知的生産の技術を伝える一冊!
優れた企画やアイデアを連発する人たちがいます。俗にいう「ヒットメーカー」と呼ばれる人たちです。世間では天才と称され、あたかも生まれながらに才能があるように思われがちですが、そこには秘密があることを多くの人は気づいていません。企画
づくりの秘密。この本で、わたしは偉大な先輩方との仕事を通じて、見出した「秘密」をみなさんにこっそりお伝えしようと思います。
 
その秘密は大きく2つあります。1つめは、優秀なプランナーは優れたアウトプットを生み出すシステムを持っているということです。このシステムがあるからこそ、優れたアイデアを連発できるのです。
 
 2つめの秘密は、企画づくりの法則です。企画やアイデアは二段階で考えれば、発想を誘発しやすいのです。これは誰もがなんとなく実感はしていることですが、悲しいかな多くの人はこの段取りを踏みません。簡単なことですが、やるとやらないとでは雲泥の差が生じます。天才的なアイデアマンには、実は経験に基づいた因果律のようなものがあり、そこからパッとアイデアが浮かぶようです。この因果律は見えないものですから、これは自分にはできない芸当だと思い込んでしまうのでしょう。
 
 しかし、本書で提示する「アイデアの二段階抽出法」を活用すれば、わたしのような凡人でも多くのアイデアを生み出すことができます。案外見落としがちなのはきっかけとなるベースの情報を多くの人が重要視していないことです。いい方を換えれば、ジャンプ台(となる情報の土台)があれば跳べるのに、それなしに無理矢理高く跳ぼうとしているのです。何もないなかで、「うーん」と考えても脳は活発に動き出しません。むしろ、様々な情報を結びつけることで、アイデアはふっと浮かんでくるものなのです。

 本書はこれら2つの秘密に基づき、独自に構築したマイ・プランニング・システムのつくり方と二段階抽出法をベースにしたハックを中心に、企画における知的生産の技術を伝えていきます。

■目次

はじめに

 企画づくりの秘密
 企画づくりのハックは、みんなをハッピーにする技術
 
CHAPTER1  企画システムハック 変数と代入式

 01 マイ・プランニング・システムのつくり方
 02 データベースは2種類ある
 03 なんでも集めればいいってもんじゃない
 04 勝ちパターンを過去の遺産にしない「名作ファイル」
 05 本や雑誌のレイアウトやチャートを集めて見本帳をつくる
 06 企画の典型は体にインストールする
  column PLANNING HACKS!のつくり方(本書を企画書にしてみよう!)
 07 他人の企画書を参考にするときの注意
 08 ケータイ片手に街へ出よう!
 09 電車でアイデア・メモを溜めていく(1DAY1HACKのルール)
 10 ブックマーク・ハックでスピード選択する
 11 システム発想の結果として、自然に周りが整理整頓される
 12 集中力は持続しない システムが集中力を生み出す
 13 グーグルを「秘書」とする
 14 変数と代入式

CHAPTER2  アイデア発想ハック 量と質

 15 発想術の極意はブルース・リーにある(Don’t Think! Feel!)
 16 コネクティング・メモ術
 17 発想に刺激をくれる場所を持つ
 18 ウィンドウ・ショッピングで発想力を鍛える
 19 発想しない会議の原因
 20 2つの会議(発想会議と決定会議)
 21 アイデア発想には罰ゲームを用意する
 22 仮説出しハック
 23 発想のヒントは現場にある
 24 量質転化を促す
 25 発想DAY、発想TIMEを設ける
 26 量と質

CHAPTER3  プランニング・ハック 失敗と本質

 27 小さな失敗から、たくさんのハックを紡げ!
 28 上司の思いつきを封じ込めるチェックポイント
 29 いきなりパワポで書くのは禁止!
 30 名作ファイルを検索して、企画の流れをイメージする
 31 企画書は一気に書く
 32 テーマソングで集中モードに入る
 33 ミーシーとミッフィー(企画書作成のマイ・ルール)
 34 情報間のケミストリーを引き起こす方法
 35 マトリックスの掛け算とネッティングで化学反応を起こす
 36 キラー・インフォメーションを自覚する
 37 プライオリティ検討の視角
 38 1シート1オブジェクティブの原則
 39 おいしいカレーライスがつくれる人は、企画づくりもうまい
 40 優れたプランナーはオリジナル・レシピをつくる
 41 早朝シフトせよ
 42 たった2本の線で企画書をかっこよくする
 43 企画書のフォントは3種類が限界
 44 失敗と本質

CHAPTER4  プロジェクト・ハック コミュニケーションとモチベーション

 45 周りを弾ませるコツ
 46 秘密の暗号を走らせる
 47 共通の話題はリサーチから生まれる
 48 共通アイテムを持つ(「四つ葉のクローバー」のお守り効果)
 49 ジェダイの教育システムが部下を育てる(プランニング徒弟制度)
 50 部下に与える仕事は2種類用意する
 51 知識は教えない、ハックを教える
 52 プロフェッショナル・アウトサイダーと定期的に語り合う
 53 空っぽこそ、最先端である
 54 リーダーは楽しくって狂っているのがちょうどいい
 55 スケマティクス・ダイヤグラムで作業を構造化しておく
 56 社内散歩をする
 57 チーム・コミュニケーションはダブルスタンバイが常識
 58 急な用件、重要案件は筆ペンにおまかせ
 59 みんなでランチミシュランをつくる
 60 プロジェクト・ディクショナリーをつくる
 61 ミニ・ライブラリーをつくる
 62 コミュニケーションとモチベーション

CHAPTER5  プレゼン・ハック 離見と保険

 63 プレゼンでの不安を消し去る保険ハック
 64 公開スパーリングをする
 65 外国人のプレゼンと日本人のプレゼン
 66 ちょっとしたサプライズを用意する
 67 レゼンの奥義は「離見の見」
 68 プレゼン企画書におけるパレートの法則
 69 沈黙する──間の効用
 70 USBで会話のきっかけをつくる
 71 離見と保険

CHAPTER6  実践編コンセプト・ハック 文脈と応用

 72 ハックを並べて、さらに効果・効率を増す
 73 ワークショップをデザインする
 74 二段階抽出法で、まずは「宿題」で情報出し
 75 ワークショップのルール設定と環境整備
 76 宿題情報をジャンプ台にして新しいアイデアを生み出す
 77 写真やイラストから、無意識を意識化する
 78 イマジネーションとアダプテーション
 79 要約は5W1Hを意識して
 80 コンセプトはイディオムで考える
 81 型にはまってはいけない
 82 ワークショップでチームワークと業務内容を高める
 83 文脈と応用

おわりに  経験の弟子

主要参考文献


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