優れた企画やアイデアを連発する人たちがいます。俗にいう「ヒットメーカー」と呼ばれる人たちです。世間では天才と称され、あたかも生まれながらに才能があるように思われがちですが、そこには秘密があることを多くの人は気づいていません。企画
づくりの秘密。この本で、わたしは偉大な先輩方との仕事を通じて、見出した「秘密」をみなさんにこっそりお伝えしようと思います。
その秘密は大きく2つあります。1つめは、優秀なプランナーは優れたアウトプットを生み出すシステムを持っているということです。このシステムがあるからこそ、優れたアイデアを連発できるのです。
2つめの秘密は、企画づくりの法則です。企画やアイデアは二段階で考えれば、発想を誘発しやすいのです。これは誰もがなんとなく実感はしていることですが、悲しいかな多くの人はこの段取りを踏みません。簡単なことですが、やるとやらないとでは雲泥の差が生じます。天才的なアイデアマンには、実は経験に基づいた因果律のようなものがあり、そこからパッとアイデアが浮かぶようです。この因果律は見えないものですから、これは自分にはできない芸当だと思い込んでしまうのでしょう。
しかし、本書で提示する「アイデアの二段階抽出法」を活用すれば、わたしのような凡人でも多くのアイデアを生み出すことができます。案外見落としがちなのはきっかけとなるベースの情報を多くの人が重要視していないことです。いい方を換えれば、ジャンプ台(となる情報の土台)があれば跳べるのに、それなしに無理矢理高く跳ぼうとしているのです。何もないなかで、「うーん」と考えても脳は活発に動き出しません。むしろ、様々な情報を結びつけることで、アイデアはふっと浮かんでくるものなのです。
本書はこれら2つの秘密に基づき、独自に構築したマイ・プランニング・システムのつくり方と二段階抽出法をベースにしたハックを中心に、企画における知的生産の技術を伝えていきます。