前回は、FAXにおけるコスト削減と業務効率化の可能性についてお話しした。
今回は次世代FAXともいえる、「インターネットFAX」について、
コスト削減・業務効率化の視点から紹介したい。
FAXにおいても、IP電話と同じように
インターネット回線を使うインターネットFAXが登場している。
インターネットFAXはネットワーク上にFAX番号を持ち、
インターネットを使ってパソコンや携帯でFAXを送受信できるサービスだ。
ネットワーク上のFAXサーバーでデータを変換するので、
相手は従来のFAX機を使っていても、やりとりが可能である。
また、インターネットFAXでは、
従来のFAXのようにFAX機の置き場所にしばられず、
インターネット環境があれば
どこからでもFAXを送受信することが可能だ。
FAXとインターネットFAXのどのような点が違うのか、
まずは業務効率の面で見てみることにする。
【ある保険販売代理店の事例】普段は、お客さまのご自宅や会社に訪問してご相談をうかがったり、
新しい商品のご説明をしたりしているため、
契約や契約内容の変更に伴う書類のやり取りは、
一度事務所に戻らなければなりませんでした。
そのため、対応が遅れることがあり、お客さまにお叱りを受けることも…。
インターネットFAX導入後は、
外出先でもパソコンを使ってFAXを送受信できるようになりました。
FAXを受信すると”お知らせメール”が届くので、
お客さまへの対応がスピーディになって喜ばれています。
→FAXを受信したときにパソコンや携帯にメールで知らせてくれるサービスは、
各社が提供している。このサービスを利用することで、
外出先でもFAX受信の確認ができ、迅速な対応が可能になるのだ。
また、ペーパーレス化による業務効率改善事例もご紹介しよう。
【あるネットショップの事例】化粧品や健康食品の通販サイトを運営しています。
電話やインターネットでの注文なら、コールセンターのオペレーターが
自席で即座に発送処理できるのですが、FAXで届く紙の注文書は、
自席から離れて整理した後、自席に戻ってパソコンに入力するため、
発送準備に時間と手間がかかっていました。
また、大量に届く紙の注文書の保管場所にも困っていました。
インターネットFAX導入後、オペレーターが自席のパソコンでFAX確認できるようになり、
発送準備が格段にスピードアップしました。
また、受信FAXはデータで保管するため、
大量の注文書の保管・整理もとても楽になり、売上管理がしやすくなりました。
→商品発注時、品番や数量を記入してFAXで送信…というケースはまだ多い。
それをデータ化して一括管理することで、
保存・検索に対する作業効率が格段にアップすることは間違いない。
次に、コスト面での違いを見てみよう。
【ある不動産店の事例】毎月たくさんのお客さまに、いろいろな情報をFAXで送信していますが、
契約につながるのはごくわずか。
それでも、営業活動にFAXは不可欠。
FAX送信の通信費をどうにか安くしたかったのですが・・・
インターネットFAX導入後、
従来のFAXと比較して送信料がとってもおトクになりました。
遠方にFAXを送っても全国一律料金なので、
より多くの物件情報をお客さまに提供する場合でも安心できますから、
これからのコスト削減効果に期待しています。
【イベント運営会社の事例】展示会やイベントの期間中は現場から離れられないので、
オフィスと同じ業務環境を用意しています。
会場の多くには、あらかじめインターネット環境が用意されていますが、
FAXはつど用意しなければならず大変です。
また、機器のリースや回線の手配が負担になっていました。
インターネットFAX導入後、FAX機の搬入・搬出が不要になり、
会場へのFAXの準備がとても楽になりました。
FAX機が不要なので、省スペースでバックヤードをすっきりさせることもできました。
インターネットFAXは自由度が高く、業種問わず、さまざまなシーンで活用できる、
まさに、現代と次世代をつなぐソリューションと言えるだろう。
次回はインターネットFAXによって実現出来る様々なメリットについて、
もう少し詳しく見ていこう。
執筆者:片桐明
インターネットFAX総合研究会特別研究員
株式会社コストダウン 代表取締役社長