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片桐 明
株式会社コストダウン 代表取締役/インターネットFAX総合研究会 特別研究員
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第9回 インターネットFAXを選ぶ5つのポイント
2011.11.16
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インターネットFAXを扱う各社のサービスはさまざまである。 料金も、送受信できる枚数も企業によって異なるので、 数社を比較してから選ぶとよい。
判断基準は、普段どのようにFAXを使っているのかという点だ。 コスト面で負担にならず、かつ利便性の高いサービスを選ぶ必要がある。 ここでは、インターネットFAXを選ぶポイントを5つに絞り、紹介したいと思う。
1、送受信機能 送信機能のみ、送受信とも可能など、各サービスによって異なるので、用途によって選ぼう。
2、初期費用・月額費用 初期費用は無料、1,000円台、2,000円台と各社さまざま。 各社とも、初期費用が無料になるキャンペーン期間があるので、その時期に申し込むのも一案だ。 気をつけたいのは、初期費用だけで判断するのではなく、 月額料金、送受信の料金などをすべて合わせて判断すること。
初期費用は無料でも月額料金は割高であったり、月額料金は無料でも初期費用や通信料が 高く設定されているところもある。 普段FAXをよく使う企業なら、初期費用より月額料金を重視すべきだろう。 月額料金が安めのサービスのほうが、毎月のコストを抑えられるからだ。
FAXをあまり使わない企業は、毎月高い月額料金を払うのはムダになる。 そうなると、初期費用と月額料金のバランスがいいサービスを選ぶ方が望ましい。
3、送受信の料金・枚数 インターネットFAXは月額料金のほかに、通信(送信)料金、受信料金がかかる。 この点もチェックが必要だ。 送受信の料金は、枚数ごと、もしくは通信時間ごとに変わり、 受信料金は無料のところもあれば、送信、受信共に料金がかかるところもある。
普段あまりFAXを使わない企業は、月額料金に送受信の料金が含まれているサービスでも良いだろう。 逆にFAXをよく使う企業は、枚数制限があるとサービスを利用しづらくなる恐れがある。 送受信の料金は安くても、枚数を超過すると割高になるサービスもあるので、 ここは慎重に考えなければならない。
受信料金は無料で抑え、送る枚数×料金、または1回送るたびに かかる時間から割り出して大体の見積もりを立てたほうがいいだろう。 適切なサービスを選択するためにも、1週間でどれぐらいのFAXを送受信しているのか調べてみて欲しい。
4、携帯電話への対応 営業職や出張が多い人は、パソコン以外にも携帯電話やスマートフォンなどでFAXを送受信できる機能があると便利。 インターネットFAXは、インターネットがつながる環境があればFAXを送受信できるのが基本だが、 すべてのサービスが携帯に対応しているわけではない。 どのような場面で使うのか、利用シーンも考えて、サービスの内容を確認することが大切だ。
5、受信通知メール機能 サービスによっては、FAX受信をメールで知らせてくれる機能がある。 届いたことに気づかなかったという事態を防ぎ、その場で確認できるので、スピーディな対応を実現するためにも、この機能はぜひチェックすべきだろう。
以上、インターネットFAXを導入する際に必要なポイントを簡単に挙げさせてもらった。 ここで再度強調しておきたいことは、普段のFAX使用頻度や送受信先、利用シーンを 改めてきちんと把握した上で、自身に合った最適なサービスを選択するよう心掛けたい。
以下に代表的なインターネットFAXサービス名、事業者とサービス内容を記載しておく。 特徴などを良く確認の上、貴社にとっての最適なサービスを見つけてみよう。
■050グリーンFAX (NTTコミュニケーションズ) 初期費用 : 1,050円(税込) 月額料金 : 1,050円(税込) 通信料金 : 8.4円(税込)/3分 *同社および無料通話先プロバイダの場合、050IP電話番号へは無料 受信料金 : 0円
【特徴】 ・パソコンや携帯でFAXを送受信できる *一部制限あり ・1回の通信で100枚まで送受信可能 ・1契約番号あたり保存容量は100MB ・メールによる着信通知サービスにより、FAX受信をリアルタイムに確認できる
■D-FAX (東京テレメッセージサービス) 初期費用:2,625円(税込) 月額料金:0円 通信料金:オプションで利用できる 受信料金:0円
【特徴】 ・基本は受信のみ、送信は別途料金がかかる ・パソコンやスマートフォン・タブレット端末で利用できる ・初期登録料のみで利用できる ・FAX着信通知サービスがある *専用端末が必要 ・日本から海外への送信は可能 ・1度に送信できる枚数(容量)は登録しているメールアドレスの容量制限による
■eFax(j2 Global Japan) 初期費用 0円 月額料金 1,500円(税込) 通信料金 300円相当分まで月額基本使用料に含まれる 超過分は11円/page 受信料金 130ページまで月額料金に含まれる 超過分は15円/page
【特徴】 ・最大50のFAX番号に対して一斉送信できる ・パソコンと携帯でFAXを送受信できる ・世界約250ヶ所の都市へのFAX送信が可能 ・メールによる着信通知サービスにより、FAX受信をリアルタイムに確認できる
■iFAX (NTTコミュニケーションズ) 初期費用 0円 月額料金 0円 送信料金 平日昼間 26.25円(税込)/枚、夜間(午後7時〜翌朝午前8時)および土曜、日曜、祝日 19.95円(税込)/枚 受信料金 平日昼間 26.25円(税込)/枚、夜間(午後7時〜翌朝午前8時)および土曜、日曜、祝日 19.95円(税込)/枚
【特徴】 ・最大3000宛先まで国内・海外のFAXへ一斉に送信可能 *国際通信(国際FAX通信)は申し込み必須 1回につきで最大32ページ送信できる
■KDDI ペーパーレスFAX(KDDI) 初期費用:1,050円(税込) 月額料金:997.5円(税込) 通信料金:15.75(税込)/枚 *サービスのユーザー間、KDDI 050番号向けは無料 受信料金:0円
【特徴】 ・最大10件まで一斉送信できる ・1回の通信で50枚まで受信、送信は5MBまでのファイルサイズ制限がある ・Webディスク機能で100MB保存(増量可能) ・携帯でFAXの送受信が可能 ・海外からの受信はできる(一部対象外)、送信はできない
■メッセージプラス(アクセル) 初期費用:3,150円(税込) 月額料金:998円(税込) 通信料金:16円/枚(税込)*NTTコミュニケーションズおよび無料通話先プロバイダの場合、050IP電話番号へは無料 受信料金:0円
【特徴】 ・メッセージプラス同士ならFAX送受信無料 ・パソコン・携帯・スマートフォン・タブレット端末で利用可能 ・暗号化されたセキュアな通信経路を使ったFAX送信 ・メールによる着信通知サービスにより、FAX受信をリアルタイムに確認できる
※記載の情報は、代表的なプランの内容。各サービスの料金や詳細は各社のサービスホーム ページにて確認をお願いしたい。
執筆者:片桐明 インターネットFAX総合研究会特別研究員 株式会社コストダウン 代表取締役社長
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