私(代表 片桐)は前職であるコンサルティング会社でそれはそれは色々なことを教えて頂きましたが、その中に、「経営者は
No excuse(言い訳)」ということがあります。
「excuse」を使った英文で日本人に最もなじみが深いものは、恐らく「Excuse me」でしょう。
意訳で「失礼しました」で、直訳すると「私を許して下さい」です。
さて、昨日(26日)、政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会による中間報告書が提出されました。(委員会 公式サイト
http://icanps.go.jp/、中間報告書
http://icanps.go.jp/post-1.html)
今日の日経朝刊には公開されたその報告書に対して、今のところ、厳しい見方が主流のようですが、「想定外という認識」と「なぜ想定外にしてしまったか」と「想定外後の対応」にもメスが入っているようです。
片や「東京電力福島原子力発電所における事故」に最も関わる2つの機関。
すなわち政府と東京電力株式会社。
その経営者とは菅前首相と事故当時は東電 清水前代表取締役社長となります。
東電では事故後の記者会見には清水前代表取締役社長が登場したり、武藤代表取締役副社長が登場したりしました。
後に実質的に勝俣代表取締役会長が清水前社長の事故後対応を引き継ぎ、6月28日付けで清水社長(当時)は顧問に、武藤副社長(当時)も顧問に異動し、代わって西澤常務取締役が代表取締役社長になりました。
清水社長は震災後2週間経過した辺りで一時、入院し、その2週間後の4月11日に復帰しました。
このような流れを振り返っても、東京電力の経営者は誰なのか、あるいは命をはった、覚悟をもった真の経営者は誰なのかわかりません。
一つの店を守る飲食店店主にとって入院はお店の命取りです。中小零細企業にとっては、不祥事、災害、事故、事件は倒産の危機で、多くの中小零細企業経営者において経営=人生のすべてで、それこそ人生を賭け、命をはって、根性を入れて会社を営んでいます。
今年の企業の不祥事、事故に関しては、
・バードカフェを運営する株式会社外食文化研究所によるグルーポン すかすかおせち事件で1月3日、代表取締役 水口憲治氏が辞任
・林原グループ 負債額約1300億円超で1月経営破たん。不正経理問題が発覚し、2月2日会社更生法適用申請。代表取締役 林原健氏と実弟で専務の林原靖氏が取締役を引責辞任
・焼肉酒家えびすを運営する株式会社フーズ・フォーラス(代表取締役 勘坂康弘氏) 4月下旬、ユッケが原因による集団食中毒で死亡者5名、重症患者 32名、その他の病人 約150名を出し、全店で営業を中止。その後営業を再開することなく同6月に従業員を全員解雇し、7月に廃業となった
・JR北海道(北海道旅客鉄道株式会社) 5月27日 トンネル内での特急脱線・炎上事故により中島尚俊社長(当時)が自殺。9月18日遺体発見
・大王製紙 井川意高会長が同社子会社からの巨額の不正借り入れ事件で11月22日、会社法違反(特別背任)で逮捕
・井上工業(2008年10月16日破産) 架空増資事件で11月22日、中村剛元社長他4人が金融商品取引法違反(偽計取引)等の疑いで逮捕される
・オリンパス 損失隠し問題で10月24日、菊川剛社長(当時)、森久志前副社長で取締役(当時)、山田秀雄常勤監査役(当時)が辞任。現在、取調べ中
が代表的なものでしょうか。
責任の取り方、けじめのつけ方には色々とありますが、少なくとも問題や事件を起こした経営者や会社は相応の責任を取っています。
命をはって、人生をかけて、根性を入れて、逃げも隠れもせず、言い訳をせず、時にはけじめをきっちりつける。
それが国家経営者、企業経営者というものではないでしょうか。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。