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中野尚範
採用コンサルタント [ 人材採用 ]
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第2回 2億円かけてオーストラリアへ行く会社
2007.02.16
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前回は、正社員・派遣スタッフを辞めさせないことによって利益がどう変わるかという話でした。今回は、それでは辞めさせないためにどうすれば良いのかを書きたいと思います。 具体的な例をあげてみましょう。離職率を低減することのできた企業がどんな取り組みをしたか。正社員で成果があがったことは、派遣・アルバイトにも活用しましょう。 逆もしかりです。
まず、紹介制度です。 働いている社員が友達を紹介して入社することを奨励した。紹介されて入った友達も、雰囲気に馴染みやすいこともあるでしょうし、また、誘われたからにはやめにくい。誘った方も、余計に張り切って仕事をすることが考えられますよね。そもそも友達を誘う社員は自分の仕事にやりがいを感じているから紹介するわけですし。大手インターネット広告代理店でも導入されて離職率が半分になるような結果が出ているようです。弊社でも実際にそういう5,6人の事例があり、すべての組み合わせで成果をあげています。 それから、オフィスの近くに住む人にほど、住宅手当を高くする。通勤が遠いことが離職につながるとわかっているからです。なんだか単純すぎることのように思えるかもしれませんが、こういうことの積み重ねが離職率の改善につながっています。 それから地方の企業でこんな会社があります。その会社は、給料はあまり高くない。だけど、社会貢献に力を入れている会社で地元ではとても評判がいいんです。地方経済を活性化させる取り組みやメセナ的な活動を率先してやってるんですね。その評判が高いから、働いている人はそこの社員だということに誇りを持っている。「あそこの旦那さん○○にお勤めなんですって、すごいわね」とか言われると誰だって嬉しいですよね。ステイタスがあるんです。 昨年もパート・アルバイトも含めて全員で海外へ行くのがその会社の一大イベントだっていうこと。費用は会社持ちで2億円弱。 給料は高くないし、普段は使ってないところの電気は消すとか、徹底してしているけれど、使う時には、派手にお金を使う。そういうほうが社員への「サービス」もモチベーションを高めるし、話題になってまた会社の人気が高まる。
辞めさせない取り組みと、単純にお金(広告)をかけて、採用する仕掛けとは全く違うんです。高収入をうたうところに応募は集まるかもしれないけれど、必ずしも離職率の改善にはつながりません。その場しのぎの採用することではなく、人材の長期的なモチベーションを高めることにつながる取り組みをすることが大切なんです。それが結果的に採用力につながります。
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