お断り:文中にコンピューターとコンピュータという表記が混在しますが、各ソースの表記と適宜、使い分けております。お許し下さい。
6月3日(日)放映されましたNHKスペシャル「コンピューター革命 最強×最速の頭脳誕生」を観ました。
その中でスーパーコンピュータ 「京(けい)」について紹介されておりました。
昨年、8年ぶりに世界一に返り咲いた日本のスーパーコンピュータ 「京」。
一秒間に1京(1兆の1万倍)回の演算能力を持つ「京」。
2位の中国製に4倍の差をつけました。
「京」は、これまでだと3年かかって諦めていたような計算を1日でしてしまうそうです。
片や最近、良く目にする「ビッグデータ」という言葉。
今やネット社会、メール、カーナビ、GPSシステムの普及等により膨大な情報がリアルタイムにデジタルで飛び交っています。
過去の情報もさかのぼってデジタル化されています。
世の中、デジタルデータで溢れ返っていることは容易に想像が出来ます。
ただ、今も昔もデータがたくさんあっても、処理出来なければ「活かす」ことは出来ません。
こんな話を紹介すると大昔のように思われるかも知れませんが、表計算ソフトが登場するまで、タテ・ヨコ集計すらかなり面倒で、非効率で、加工すらままならず、活かすまでに苦労がありました。
そのデータを「活かす」ことに欠かせないのがスーパーコンピューターです。
では「京」で何が出来るようになるのか。
身近なものとしては新薬開発、予測型防災システムの構築です。
・膨大な薬剤候補物質の中から、病気の原因となるタンパク質活性部位へ結合して発病を防ぐことが可能な化合物を予測し、新薬の開発期間の短縮や開発コストの削減へ貢献(創薬への応用)
・地震波伝搬・強震動および津波シミュレーションに基づく人工構造物の揺れの予測、被害領域予測に基づく地震防災予測計画、耐震設計への貢献
ということだそうです。
どんどんコンピューターが高性能化し、人間を超える力を持つようになっています。
「コンピューターが○○で人間に勝った」ということが起こっています。
では最後に人間に何が残るのか。コンピューターに出来ない、任せられないものは何か。
ある日本の研究者は、「何が大切か」、「何を大事に思うか」だと語っていました。
コンピューターはどんどん高度化して行きます。人間がもっと人間らしくならねばなりません。
「社会の進歩があるとともに一方に精神の堕落がある」
これはヘンリー・F・アミエル(1821年〜1881年)いうスイスの哲学者による言葉だそうですが、そうならないようにしないといけません。
また余談ですが、スーパーコンピュータ−を動かすためには、大きな電力を必要とします。「京」は一般家庭での平均電力使用量を400Wとすると、「京」の電力使用量は約3万世帯分に相当します。(ただし、電力あたりの性能は世界のスーパーコンピューターの中でもトップクラスで、「京」は高い環境性能を持ったコンピューターと言えるのです)(富士通ホームページ Q&Aより)
そもそも「京」の誕生は、2006年にスタートした国による「次世代スーパーコンピュータプロジェクト」が始まりです。
そして独立行政法人理化学研究所が主体となり、最終的には富士通が残り、「京」が誕生しました。
参照:
富士通ホームページ 「次世代スーパーコンピュータ」
http://jp.fujitsu.com/about/tech/k/ Wikipedia 「京 (スーパーコンピュータ)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC_(%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF) 以上、皆様のお役に立てば幸いです。