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辰巳渚
マーケティングプランナー [ 仕事術 ]
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辰巳渚
[インタビュー]
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「捨てる!」技術/宝島社(2)
2005.07.10
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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ほとんどの人は、たくさん勉強をしなければ 成功は難しいと思います。
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「とりあえず取っておこう」という気持ちはダメ!
【主藤】 この本の中にはいろんなシチュエーションが具体的に書かれています。私も本当に捨てられない方ですが、例えば「とりあえずとっておく」は禁句というふうにあります。
普通、「これはいつか絶対必要だから、とりあえずとっておこう」というパターンの人が多いかと思いますが、どうしてですか?
【辰巳】 できればそのように思わないで欲しいんですけど、要は人間にとって判断することは、結構精神的に大変な作業だからです。判断を先延ばしにしようとする癖が人にはあるらしいですよ。
【主藤】 問題を先送りにしているのはいけないことですね。
【辰巳】 先送りしてもしょうがないということを、どこかで見極めて、今その場で考えることです。例えば「とりあえず」「いつか」という漠然としたものではなく「いつ」使うのか、「何に」使うのかと。そして思い当たらないなら、それは使わないものになります。
【主藤】 ものを手にした時に「これっていつ使うのかな?」と考えることが多いと思いますが、その時に考えていいものですか?
【辰巳】 基本はそれでいいと思います。
【主藤】 でも、今は使わないが一年ぐらいすると、明らかに使いそうだなと思った場合はどうすればよいですか?
【辰巳】 例えば印鑑を手にした時に、今は使わないが一年後印鑑を使うかなんて考えませんよね。そういう時には考えないわけですが、度数の合わなくなった眼鏡を手にした時には使うか考えますよね。
【川崎】 はい。
【辰巳】 いつか使うかもと思って置いておくかもしれないですけど、それをいつ使うのか考えてみて欲しいんですよ。
【主藤】 私、コンタクトレンズを20年位していて、2・3年前に手術をして、コンタクトレンズがもう必要ないのに、いつか使うのではないかとまだ置いています。やはり、その物を手にした時に判断することが大事なんですね。
【辰巳】 結局、今、用途が思い当たらないものは、ほぼ用途がないものだと思っていいと思います。もちろん職業によって、それぞれ多少の違いはあります。だから全部にそれが当てはまるとは言いませんけど、大体根本的に今言ったようなコンタクト、眼鏡、ネクタイなど、何でもいいですけど、自分という人間が使う点が変わらない以上、今思い当たらない物は使わないと、どこかで見極めないといけないんじゃないでしょうかね。
使わなそうな物やプレゼントへの解決策
【主藤】 物の必要性はどう見極めればよいのでしょうか?
【川崎】 難しいですね。そういえば確かに父のネクタイでも20年以上使ってないものがたくさんありますが、要らないってことですね。
【辰巳】 一本3万円もしたから、娘のプレゼントだからと理由はあるかもしれませんけど、物として使えるということと自分が使うということは別なんですね。
【主藤】 物の機能としてですか?
【辰巳】 はい、機能として使えるかどうか。つまり、壊れていない、新しいということと私という人間が使うかどうかということは別問題なんです。
今のネクタイの話で言えば、新品のネクタイは使えるものに決まっているんですけど、例えば私は赤が嫌いだとして、赤いネクタイを持っていても使いません。
【川崎】 確かに。
【辰巳】 例えば10年後に私が赤を好きになる可能性があれば、10年後に買えばいいんです。そのごく低い可能性にかけて持ち続ける、もちろんそういう選択でもいいんですけどね。
それよりは、使わない物を持っている方がもったいないので、そのネクタイを人にあげるとか、ほどいてなんか小物の袋にしたり、雑巾にした方が結局は物を生かすことになると思います。
【主藤】 ネクタイの話題が出て私も思い出したのですが、男性はどうしてもネクタイをプレゼントでもらうことが多いですよね。プレゼントでもらえばもらうほど使えないことが多いのですが、プレゼントなので捨てように捨てられません。
先ほどお教えいただいた、今その時に何を使うのかという目的を考えてみるということがひとつのポイントになってくるんでしょうかね。
【辰巳】 本当に私は使うのか、好きか嫌いかっていうだけでもいいと思うんですよ。好きじゃないものは使いませんよね。
【主藤】 プレゼントであっても、使わないと判断した時はもう思い切って捨ててしまうと。
【辰巳】 ゴミにするのは失礼ですから、新品のうちに売ってもいいですし、さっきの赤いネクタイの話なら、赤いネクタイが好きな人にあげてもいいじゃないですか?
【主藤】 なるほど。
【辰巳】 ただ持っているだけでは物をかえって粗末にしているのと同じだと思うので、使って活かすということを考えなきゃいけないんじゃないかと。
【主藤】 そこで最初私がお話した「とりあえずとっておこう」というふうになってしまいますが、それはやめようということですね。
【辰巳】 本を出して思った以上に皆さんが、自分で買ったものはいいけれども、人様からもらったものはどうしたらいいだろうと悩んでいることが分かりました。贈り手はその人のことを考えてくださるので、それをむげにしていいなんて全然思わないし、ありがたいことだと思います。
それを言うときりがなくなってしまうので、やはりいただいた時に、「ありがとう」って心から言ったら、それでいったんプレゼントの役目が終わったと考え、あとは物としてどう生かすかを考えた方がいいんじゃないかと思います。
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