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大橋禅太郎
マネージメントコーチ [ 仕事術 ]
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大橋禅太郎
[インタビュー]
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すごい会議/大和書房(4)
2005.10.02
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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「誰が、いつまでに、何をするか」を決めることに 価値があると思います。
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本当に出したいアイディアを出す方法
【高城】 つい、感想を言ってしまうのがサラリーマンの性なんですよね。自分も参加してみたくなるんですよね。
【川崎】 そうですね。でも「よく考えたらあんまり意味がなかったんだなぁ」っていう風に思いましたけど、書いてから発表するっていうのはどういうことですか。具体的にいうと。
【大橋】 例えば、ゆかりさんと僕が付き合ってるとするじゃないですか。今度11月に旅行に行こうと、どこかへ。1週間ね。例えば、2人で5つずつ候補を手元に書いてから。
【川崎】 行きたい場所とかですか?
【大橋】 それを1個づつ発表していこうというのが1つのパターンと、もう1つは普通の会話でこれをすると力関係が一般的にあったりとか、あんまり二人が本当に合意した候補が出ない可能性が多いんですよ。どちらかが「ギリシャ」って言ったらもうギリシャで決まり始めるとかね。
1個づつ出し始めると、お互いのアイディアがだんだん糸が組まれてく、毛糸が組まれてセーターになっていくように出てくるんです。且つ、書いてから発表することのメリットの1つは、書いてる時は相手のオピニオンが見えない、っていうのがあるんですよ。
そうすると例えば僕がゆかりさんの奴隷的関係にあったとするじゃないですか、恋のね。そうすると、ゆかりさんのアイディアを気にするじゃないですか。僕が何か言う時に。
【川崎】 そうですね。
【大橋】 書いてから発表するんであれば、その時のゆかりさんのアイディアが見えないんで、僕は僕の意見をそのまま書けるじゃないですか。
【川崎】 はい。
【大橋】 そういった状態で出せると、どっちに決めるにせよ、自分の本当に出したいアイディアが出せる、というのが1つのメリットですね。
【川崎】 なるほど。そうですよね。社長が出席しているところ、社長が「ギリシャだ。」って言ったら、「そうですよね。ギリシャですよね。」ってなりそうですものね。
【高城】 つい同意してしまいますよね。
【大橋】 人間って社会性を持っているんで、ある流れに合意する8割の人間がいないと社会は動かないんですよ。それなんで、ほぼ全ての社会はある意味DNA的にそういう風になってるんですけどね。
【高城】 なるほど。
【大橋】 それで上手くいってれば問題ないです。ところが今日、みんなが社長の思ってることを合意するだけで、上手くいかなくなり始めてるんですね。
【高城】 そうですね。
【大橋】 その時に多様な意見が出せるようなツールとかやり方が、いろんな組織又は個人が持ってたりすると、他より成功しやすくなるというのが僕の考えです。
【川崎】 なるほど。
うまく行かないときにこそ、自分で答えをみつけてみよう
【高城】 「すごい会議」の中でこのきっかけになるのが、いろんな世界各国から集まった方々と一緒に仕事を成し遂げる中で、ルールっていうものをものすごくこの中で決めてるような気がしました。
会議の中のルールを決めることによって会議が運営されてるような気がしたんですけども、大橋さんにとって、例えば仮にこういった新しいビジネスをやるきっかけがなかったとしたら、「すごい会議」を作るきっかけってなかったんですか?逆にこれが1つのきっかけになったんですかね。
【大橋】 その通りですね。というのは、これは僕が開発した方法ではなくて、ハワード・ゴールドマンという僕のコーチが30年前に作った方法で、僕は起業家なんでいろいろ新しいアイディアを作ってやるじゃないですか。でも、なかなか上手くいかないんですよ。思ったようにね。プランを作って、皮算用した時のように。
エクセルでプラン作っててニヤニヤしてる時は一番楽しいんですけども、実際にやってみるとその通りにいかないんですよ。じゃあ上手くいかなかった時にどうするか、っていうのを教えてくれた人は一人もいなかったんです。僕が36になるまで。
【高城】 なるほど。上手くいくことを教えてくれた人はいなかった。
【大橋】 上手くいくやり方を教えてくれた人は幾らでもいました。ところが自分のプランを実行する時にやってみたら上手くいきません。その時にどうしたらいいかっていうのを教えてくれた人が一人もいなかった。
【高城】 なるほど。
【大橋】 僕の経営陣はほぼ全員アメリカの一流大学のMBA取っていて、前職が経営コンサルタントで、ある意味エリートですよね。経営の仕方もよく分かっていて、言ってることによく「ハッ」とさせられるんですよ。
ところがやってみて上手くいかなかった時どうするかというと、彼等、分からないんですよ。僕もね。、分かる時はありますけど、分からない時は分からないでおしまいなんですよ。
【川崎】 出来ていないのはそれが分からないからですものね。
【大橋】 そう。それで「出来てない」っていうのが分かった時に、昔は例えば先輩に聞いたりとか教科書にあったりとか、答えが多かった時代だったんですよ。ところが今は、いろんな前提が変わってるんで、先輩さえも答えを知らないことを自分が答えを出していかないといけないし、教科書にもない中で答えを出していかなきゃいけないと。そうすると今までの僕らがやってた学習法というのは、先生がいる中で、教科書がある中で、正解がある中で学習する方法を習ってきたと思うんですよ。
ところが正解がない、教科書がない中でどうやって答えを見出すか、っていうのを教えてくれる人が殆どいないですね、日本では。それで僕らがこれ得て一番良かったのが、問題が解決出来るようになったんですよ。つまり答えがない中で、知ってる人がグループの中にいないなかで、どうやって答えを出すか。
【川崎】 それはこの本の中でも書いてらっしゃいますけども、○○が出来ない」ということで考えを止めてしまわないで、「○○をもっとこうするにはどうしたらいいのか」と質問形に変えるだけで、考え方とか自分の中から出てくるものが違ってくるような、そういう事を書いてらっしゃるんですよね。
【大橋】 はい。
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