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前田和彦
有限会社アーノスグローブ代表 [ 資産運用 ]
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前田和彦
[インタビュー]
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借金国家から資産を守る方法 −資産防衛のプロだけが知っている!/フォレスト出版(1)
2005.11.06
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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資産の運用は必ずリスクがあり、 掘り出しものはありません。
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プラベートバンキング・サービスとは?
【高城】 今回のゲストは、フォレスト出版から出版されております、8万部を突破したベストセラー、「借金国家から資産を守る方法−資産防衛のプロだけが知っている!」の著者でいらっしゃいます、前田和彦さんです。前田さん、今日は宜しくお願い致します。
【前田】 宜しくお願いします。
【高城】 本を読ませて頂きまして、幅広い読者をカバーして非常に読みやすい本だなと思って読んでいたんですけれども、その中でプライベート・バンキングという言葉でてきます。プライベートバンキング・サービスというのは、どういうものなのかと教えて頂いてもよろしいですか?
【前田】 最近、日本でもかなりプライベート・バンキングを多くの銀行で始めていますが、どうしても資金の運用だけをいろいろとアドバイスすると思われているんです。
現実に私自身、スイスのUBSで経験したプライベート・バンキングというのは、必ずしも資金の運用だけではなくて、例えばそのお客さんが持っている会社、その会社の事業承継とか、お子さんをどう教育していくということも含まれているんです。事業承継の場合には、このお子さんにこの会社を継がしていいものなのかどうかというところを見ます。
その上で会社を売った方がよければその売却先を探すとか、あるいはこのお子さんをどこかで修行させた方がよければ、会社を探してきて修行させるということも全部網羅しているのが、プライベートバンキング・サービスなんですね。
例えば資金運用の場合でも、私がどこかの銀行やファンドと提携していて、その商品を売るという形ではなくて、お客さんのリスクとか取れるリスクの大きさとか、色々なものを考えて、基本的に銀行、証券会社に聞くんですね。その中で、このお客さんにとって一番合う金融機関を探して、「そこにお金を預けたらどうですか。こう運用したらどうですか」とアドバイスします。その結果としては、場合によってはお客さんの使う銀行が変わることもあるということですね。
要は、基本的に銀行などと提携しているわけではないですから、プライベートバンキング・サービスはお客さんの本当のアドバイザーということですね。 【高城】 プライベート・バンキングは、本当の顧客志向のサービスだと思うんですね。でも、私どもが知っている普通の銀行は、お客様に指示を受けて株式を買ったりとか、運用したりという形で、指示以上のことは絶対にしないという認識があるんですよね。
この本を読んで、そうではないバンキング・サービスがあるということを改めて一般の方にもわかって頂けたのではないかと思うんですけれど、プライベート・バンキングが一般の人々にとってもう少し近い存在になる日がこれから先、来るんですか?
【前田】 そうですね、難しいですね。実は、ファイナンシャルプランナーさんがある意味、一番近い立場を取れる可能性はあると思います。銀行や証券会社の場合はやはり商売ですから、いくら売ってなんぼの世界というのがどうしてもあるんですね。
それに対して、いわゆるそこでどんどん儲けようという観点ではなくて、親身になってアドバイスをするということに生きがいを感じるかどうかというのが、そのFPの方が本当のプライベート・バンキングをやれるか、あるいは商品の売り子になるか、という分かれ目になると思います。
だからプライベート・バンキング自体、別にそんなに難しいことをしているわけではないんです。誰でも本当はできることなんですけれど、ただそれをやっているとなかなか収益という意味では上がらないので、組織でやるのはちょっとかなり難しいと思いますね。
円の価値を考える 【高城】 その中でも資産を増やすということでは、株式が女性の間でも川崎さん、ブームですよね。
【川崎】 はい。
【高城】 株式をやっている方が増えていると思うんですけれど、一方この資産を守るこという点では、日本に住んでいる人は、日本の円が使えなくなるということを考えていないと思うんですね。でも、この本の中では、日本円で持っていることは一番のリスクだと書いてあって、読めばなるほどと思うんですけれど、実際はどうなんですか?
【前田】 円の価値というのは何で決まるかということをよく考えた方がいいと思うんですよね。
それともう1つは、今はもう、外為法が自由になったので、国内で自由に外貨を売買できます。このような状況を見た時に、円は今、ゼロ金利ですよね。通貨ごとに1つの金利というのがあって、それが円でいえば今は、ゼロ。ドルで言えば4%ぐらいだと思うんですけれど、それを基準にどれぐらいのリスクを取ったら、どの程度の金利が出るかというのを考えながら通貨配分していかなければいけないし、一方で円の状況を考えた時に、日本銀行がお金を刷りまくっているんですよね。
今、お金がマーケットに余っていて、そのお金が不動産や株に流れています。そういう意味では昔のバブルの時と同じなんですよね。
【高城】 そうですね。
【前田】 金利が上がったバブルの時にはどうなったかというと、金融引締め政策が取られた瞬間に、不動産は大幅に下落し、株も落ちたという状況になってしまいましたよね。これがいつ起こるかというのは、本当に今、わからない状況なんですよね。
そうなった時に、円というのは、何の裏づけもない通貨なんですよね。債券が暴落をして、日銀が大幅な損を抱えた時に、海外としてはどうするかというと、「こんな円は要らないよ」ということになると思うので、この危機感はみんなが持った方がいいということですね。
【高城】 明日から円が使えなくなったら大変ですからね。
【川崎】 考えたこともないですね。
【前田】 使えなくなるというよりは、価値が大幅に下がる可能性があります。例えば日本の場合は食糧から何でも、全て輸入しているわけですよね。例えばアメリカから小麦を買いましょうという時に、円が暴落していると、誰もアメリカの輸出者は円を欲しくないので「ドルで支払って欲しい」と。
それで、商社が仕方ないから、「ドルで払いますよ」となる訳です。でも、商社がそのリスクを取るかというと、もう取れないですよね。ということは卸の業者さん、あるいは小売店にドルで売りますよね。そうすると、その為替リスクを誰が取るのかとなると、最後は消費者がどうするのかということです。
消費者が円で払おうとしたら、小売店が、今度は自分が為替リスク取ることになるので、「ドルで支払ってください」ということになりますよね。ブラジルでも起こりましたけれど、毎日毎日すごい勢いで(貨幣価値が)暴落していくわけですね。
【高城】 そうですね。
【前田】 それに例えば、給料の引き上げのベースがついていくかというと、それは後々になってしまいます。やはり実際に円を使うことが現実にはできなくなるという
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