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笹氣健治
心理カウンセラー [ 能力開発 ]
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笹氣健治
[インタビュー]
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なぜあなたはその仕事を先送りにしてしまうのか?/ 秀和システム(2)
2005.12.17
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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ビジネスパーソンとして、心理学者として情報を発信しています
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行動に移すための3つのステップとは?
【主藤】 本にも書いてありますが、完璧を目指すということと、結果を怖がりすぎてしまう。この2つは密接につながっているような気がしますね。
【笹氣】 そうですね。完璧を目指す以外にも、例えば、効率を目指すというのがありますよね。よく成功者はこうしていると紹介される本がありますが、「それを取り入れれば自分はすぐ成功できるんじゃないか」とか。
いかに最短で成功するかが当たり前のように言われてしまうと、意識の中にそういう思考が生まれてしまうんです。そのために遠回りするのがいやだとか、これをやってしまうと遠回りになってしまうという恐怖があって、「じゃあもっと違う最短距離がないだろうか」と探し続けるあまりに、いつまでたっても行動しないんですね。
【主藤】 短期間で結果を出すという効率化も最近、顕著に現われている1つの先送りの原因なんでしょうか?
【笹氣】 そうですね。それはおそらく学校教育もそうなんですが、正解を出さなければならない。自由な考え方よりは、他人が決めた、他人の評価にいかに合わせるかという教育、育て方をされていると、どうしてもすぐに答えを考えてしまいます。それも先送りというよりは行動をためらってしまう原因としてありますね。
【主藤】 なるほど。今、代表的な先送りにしてしまう原因をお話していただきましたけれども、このような課題、原因があるとは言いつつも、仕事はしっかりとこなして、結果を出さなければいけないわけですよね。
どうしようかというお話になると思うんですね。具体的に行動に移すための3つのステップと本には書いてありますが、これは今までの方法とどのあたりが一番違うのでしょうか?
【笹氣】 私の場合、3つのステップを、思考レベル、行動レベル、感情レベルに分けて整理して、それぞれのレベルにおける課題を捉えることを提案しているんです。今まで言われているのは、思考パターンの部分、あるいは行動パターンの部分だけなんですね。とにかく行動しましょうとか、完璧を求めすぎても物事には限度があるからやれるところからやりましょうと。そうなってしまうと、どうしても気休めに感じてしまうんですね。
3つのステップのうちすべてが重要だと思うんですが、特に私が重要だと思うのが、感情レベルの対処です。成功したいとか、仕事をきちんとやりたいという人が仕事を先送りしてしまうと、どうしてもイライラしたりとか、マズいと思ったりして動揺してしまうわけですよ。動揺している状況ですと適切な思考や適切な段取り、適切な行動につながりにくいので、まずは感情のレベルを安定することによって、思考や行動が適切にできていくということなんです。
感情レベルでの解決方法
【主藤】 ステップの1つに、感情レベルのことを取り入れることが、これは今までと一番違うところなんでしょうか?
【笹氣】 そうですね。先ほど言ったように完璧を目指さないでこうしましょうというアドバイスではなくて、自分で自分が完璧主義になっていることに気づくようにすることですね。
完璧主義というのはいい部分と悪い部分があります。いつまで経っても行動できない準備中の自分が悪いと気づいて、どうすればいい部分を活かしつつ、不都合な部分は見直そうと自分で考えるように、ミニワークをつけたんです。また、この本を読むだけではなくて、自分で解決策を思いつくようにしたんですね。
【主藤】 自分で自分の課題なりに気がついて自分で克服していくと。
【笹氣】 そうですね。自分で気づきやすいようなガイドラインを示している本にしました。
【主藤】 読者の方からはどのような反響がありましたか?
【笹氣】 WEBサイトのURLを載せているんですが、この本は150ページの薄い本なんですが、「すごく内容が濃い本でした」という反響をいただきました。先ほども言ったように200ページから250ページの本が多くて、読み終えること自体を先送りしてしまうという冗談みたいな話があるので、そうなりたくなかったのでしっかり書いたんです。
おかげ様で2冊目も発売されたんですが、1冊目のこの本を読んだ出版社の編集者の方から、「自分もミニワークをやって、それで行動を先送りしないようにできるようになったので、是非他のアプローチでこういう悩み解決の本を書きませんか」と言われたりして、次の出版につながるようなこともありました。
【主藤】 そういう効用もあったんですね。今、少しお話に出ましたけれども、10月に2冊目の本が発売されまして、好調な出だしということですが、『「仕事がイヤ!」を楽にするための本』という、ストレスを軽減する本ですね。
このようなテーマでこれからもますます笹氣さんは経営者、ビジネスマンの立場から心理カウンセラーとして、色々と情報を発信していかれると思うんですけれども、時間の方も来てしまいましたので、最後に1分ほどリスナーの方のためにメッセージをお願いします。
【笹氣】 やはりビジネスをする上で、色々な障害、特に心理的な悩み、葛藤を抱えてしまうと思うんですね。それは私自身が経営者なのでわかりますが、なかなか解決する方法というのが世の中に出ていなくて、大体の人が自己流で何とかしている状況なんですね。
それを私がカウンセリングを堀之内先生の下で学んで興味を持って、私自身が堀之内先生に代わって、専門家のレベルではなくて読者のレベルでわかりやすく書いています。皆さんが常に安定した気持ちでビジネスをやっていけるような手助けができればと思っています。
そのためにも色々な情報発信をしていますので、メールマガジンやセミナーを通じて、自分自身で自分の悩みを解決できるような方法をお伝えしていきます。興味がある方は是非来ていただければと思います。
【主藤】 楽しみですね。心理学というと専門的過ぎたり、難しすぎたりとハードルが高いイメージがありますけれども、笹氣さんのように心理学の部分を経営者、あるいはビジネスマンの視点から翻訳してわかりやすく伝えていただくというのは本当に貴重な活動だと思います。本日はありがとうございました。
【笹氣】 どうもありがとうございました。
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