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秋月昭彦
SE ウェブサイトマネージャー [ キャリア ][ インターネット ]
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秋月昭彦
[インタビュー]
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SEの持つべき「思想」 / すばる舎(1)
2005.12.04
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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社会人、サラリーマンとしての自覚が大事だと思います
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SEは何をしているのか?
【主藤】 主藤 今回のゲストは、すばる舎から出版されております、5万部を突破したベストセラー、『SEの持つべき「思想」』の著者でいらっしゃいます、秋月昭彦さんです。秋月さん、今日は宜しくお願いします。
【秋月】 宜しくお願いします。
【主藤】 非常に多彩なプロフィールでね。幅広くご活動されていらっしゃいますが、現在は、どのようなことをなされていらっしゃるのですか?
【秋月】 主にはネットショップ大手でコンテンツの監督のようなことをしております。効果的なページ作りやページのマーケティングですね。
あと新コンテンツの開発ということも手掛けておりまして、SEとタッグを組んで様々な仕組みを作ろうということもやっております。
【主藤】 今回はこの『SEの持つべき「思想」』についてお話を伺いたいのですが、ちょっと堅いタイトルの書籍だと思うのですが、なんとこれが5万部も売れてベストセラーになりましたね。
【秋月】 おかげ様で、ありがとうございます。
【主藤】 多くのSEの方が「自分は一体どのような姿勢で仕事に取り組んだらいいのか」と迷っていたことがこの本の売り上げからわかると私は思ったんですけれども、実際は、どうでしょうか?
【秋月】 「この思想は何を示しているのか」という興味から、この本を手に取られた方が、多いようなんです。誇張してわざと思想と言っているところがありまして、「技術だけじゃないんだよ」というベーシックなことを言いたかったんですね。
技術を、SEが持つべきというのは当たり前でもっと根本的な「社会人として、サラリーマンとしてやるべきことをして初めて、できるSEになるんだよ」ということを言いたかったんですね。
【主藤】 なるほど。今日はこのSEという言葉を含む書籍ですので、「僕はSEではないから関係ない」という方が、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、パソコン、コンピューターを使う仕事をされている方には、何らかの形で関係あるということで、是非聞いてもらいたいと思うんですね。そもそも川崎さん、SEという仕事を知っていますか?
【川崎】 SEの友人がいるのですが、システムをゼロから作っていく人ということしかわからないですけれど、具体的にはSEの仕事を知らない人にはどのようにご説明するんですか?
【秋月】 そうですね、本当に知らない方には一言で、「コンピューターシステムを開発する監督さんですよ」と言っているんですね。委託を受けたシステム開発会社が開発したり、社内の開発部隊が開発したり色々な場面でシステムを開発すると思うんですけども、そこには必ずSEという人がいます。
「こういうシステムを作りたい」と委託をされたら、まず設計図をSEが作ります。その設計図を基にプログラマーというプログラミングする方を集めましてSEが、いつまでに誰が何を作るかということを割り振って、スケジュール管理をするんですね。
出来上がってきたシステムを今度はシステムの大きさにもよるんですが、10人、20人の大規模な人数でテストをします。あと、現在は出来上がったシステムの仕様書、説明書を書くのもSEの仕事なんですね。このようことをトータルに行い、監督する人がSEですね。
【川崎】 初めてSEの仕事の内容を聞きました。
SEの実態と目指すべき道
【主藤】 SEというこの職種に対して世間が持っているイメージと、実態のギャップが実は大きいのかなと思ったのですが、そのあたりはどうでしょうか?
【秋月】 逆に私の方はSEの世界にいるのでわかりづらいんですけれども、色々な話を聞いていると、「SEはとても人付き合いが苦手で、言葉が下手なんだけれども技術はすごいピカイチ」「思いのままにシステムを操って、素晴らしいシステムを作る人」「すごくできる人は高給取り」というイメージが一般的にはあると思うんですね。
まず高給取りとは、ほんの一握りなんです。大手の開発会社で大きな案件を作っているような人はもちろん高給取りなんですが、現状は突貫工事で不定期な仕事をしているので、なかには家庭を崩壊させてしまうような方もいらっしゃるんです。
【主藤】 徹夜が続いて家に帰れないからですよね。
【川崎】 すごく忙しくて、寝れないと聞いたことがあります。
【秋月】 そうですね。本当に1ヶ月ぐらい家に帰れないとか、ざらにあるらしいので。あと人付き合いが苦手とか、開発のスペシャリストという点なんですけれども、確かに私がこれまで一緒に仕事をしてきた中でそういう方は、多くいました。
職人気取りで「自分の技術はすごいんだ」と誇示して、その技術力があるから「僕は好きにやるよ」というような独りよがりで、顧客のことや会社のことを考えずに仕事をする方が多かったですね。
それで『SEの持つべき「思想」』という本が、出来上がったんです。今、プログラマーの方が、より上流のSEという職種に憧れて狙ってきている状態なので、そういう独りよがりなSEというのは淘汰されてしまっているんです。
どういう人が残っているかと言いますと、コミュニケーション能力が高くて、協調性もあって、システム開発以外の分野も精力的な勉強される方ですね。例えば、経理のシステムや販売管理のシステムを作る時などは、プログラミングができるだけではダメなんですね。
どのような仕組みで会社が流れて決算されているかということを知らないと、仕組みを考えてシステムを作り上げることができないので、「そんなこと関係ないよ」というSEの方は淘汰されていってしまうんです。
【主藤】 今もお話に出ましたけどもこの本は、今SEを実際になされている方と、SEという職種を社内に抱えている経営者の方、2人の立場から実は非常に思慮深いヒントを与えてくれていると思うんです。
SEの方はもちろん、これから始まる競争に勝たなければいけない経営者の方は自分の会社のシステムがそもそも出来上がるのか、基本的な問題からコストが割に合うのか、いろんなことを心配しながらシステムを発注して完成を待っていると思うんですけども、私自身の経験からすると、自社のシステムを開発した時に、直接的な金額で約3千万円、間接部分も入れるともっと6千万円を費やしたいと思うんですけれども、何も使い物にならなかったですね。
【川崎】 えーっ、本当ですか!
【主藤】 見事に、これっぽっちも。私だけではなくて、やはりこういう話は多いんですね。
【秋月】 多いですね。
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