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小堺桂悦郎
資金繰りコンサルタント [ 借金 ]
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小堺桂悦郎
[インタビュー]
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借金バンザイ!/フォレスト出版(1)
2006.04.23
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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借りる時は「融資」や「借金調達」と言っていたのに、 返せなくなってくると「借金」という言葉に変わるのです。
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資金巡りの仕事は、税理士や会計士の仕事と見方が違う
【主藤】 今回のゲストは、フォレスト出版から出版されております、4万部を突破したベストセラー「借金バンザイ!」の著者、小堺桂悦郎さんにお越し頂きました。小堺さん、今日は宜しくお願いします。
【小堺】 宜しくお願いします。
【主藤】 「借金バンザイ!」というタイトルですが、「バンザイ・シリーズ」の三部作なんですね。
【小堺】 そうですね。
【主藤】 そうでしたか。思い出すのが、くらたまなぶさん。
【小堺】 そうですね。
【主藤】 非常にインパクトがあるタイトルの「バンザイ・シリーズ」三部作はあわせてもう10万部を超える勢いで非常に好評ですが、小堺さんの今のご活動はどういうことをされているのですか?
【小堺】 中小企業の資金繰りについて電話で問い合わせや、実際に出向いたりして相談に乗っています。
【主藤】 資金繰りの相談というのは、いわゆる税理士さんや会計士さんにするのとはまた違うのですか?
【小堺】 違いますね。税理士事務所時代にもそういう相談には乗っていましたけど、やはり税理士事務所は税務会計ですよね。どうしても見方が違うんですよね。
あくまでも「税務署のルール、税金のルールにのっとってきちんと会計しましょう」というのが税理士の仕事ですから、実際のお金が今月間に合うとか足りないということになると、同じところから見ているようですけどちょっと違うわけですよね。
【主藤】 小堺さん自身は金融機関の融資係で、お金を貸す側にいらっしゃったんですよね。
【小堺】 そうです。
【主藤】 税金の申告、決算書作りをメイン業務とする税理士事務所にもお勤めになって、税理士事務所の立場から会社を見てきたご経験もありますよね。
それを踏まえて、あえて資金繰りコンサルタントという立場で独立されたわけですけども、やはり資金繰りの部分だけを専門に見てもらった方が、会社にとってはよろしいのですか?
【小堺】 いいと思いますね。というのは税理士事務所の時も最初は僕が両方見ていたんですよ。領収書をチェックして「これ、何ですか」とか「これは税務署から見るとちょっとまずいですね」とか言って、要は事後の整理ですよ。
一方でリアルタイムに「今月お金がどうのこうの」とか「銀行の借り入れをどうしよう」とか資金繰りをする。同じことだけど前と後ろとか、表と裏みたいなことを一人でやっているとおかしくなってしまうんですよね。
【主藤】 私も経営者という立場で、税理士さんとお付き合いありますけど、税理士さんの範疇だと思っていましたね。たぶんほとんどの社長さんはそう思っていると思うんですけど。
【小堺】 思っているでしょう。僕もそう思っていたんです。
【主藤】 会計とお金の調達、いわゆる経理処理と資金繰りが同じ分野だと思っているので、税理士さんの仕事かなと思っていたのですが、厳密にいうとそうではない。最初はやはりそう思っていたけど、やってみると違っていた。
【小堺】 銀行にいる時、決算書の審査をしましたけども、あまりわからないんですね。売り上げが上がって利益が出ていればいいということは誰でもわかるけれど、現実はそうでなくても融資しているではないですか。
だから僕はそのへんがよくわからなかったんです。それで税理士事務所へ行けばもっとよくわかるのかなと思ったんです。でも考えてみたら税理士事務所は悪く言うと紙の仕事で、生のお金を見ていないんですよ。見る必要もないですよね。
【主藤】 送られてくる領収書や通帳、請求書。それを見て仕事をするからですね。
税務処理は事後の整理だけど、資金巡りは今現在、むしろ先のこと 【小堺】 さっき「事後の整理」と言いましたけど、終わった後のことですよね。
【主藤】 仕入れが終わった、経費を払った、売り上げがたったという事業活動が終わった後の結果。
【小堺】 会社の方でも全部きちんと整理しているかどうかは別にして、とにかく終わりましたと。今月のことではなくて、早くて先月、標準的にいったらたぶん2ヶ月前の整理をしているわけですよね。だから決算は2ヶ月ずれているではないですか。普通の中小企業の場合は「3月決算です」といっても税務署に出すのは5月。そこで2ヶ月、間があるわけです。
【主藤】 そうですね。
【小堺】 でも2ヶ月前の資金繰りをしても、もう終わっているわけだから。
【主藤】 そうか。税務処理はあとから出てきてもいいけども、資金繰りは今現在のことだし、むしろ先のことを読んでいないとダメなんですね。
【小堺】 「今月どうする」というのもあるし、「来月もっとどうする」という話です。実際銀行に行って「どうやって借りようか」とかね。終わったことも大事だけど、それが第一歩目ではないですか。極端にいうと税理士事務所は、請求書をどんな費用にするかが最重要なわけですよ。
【主藤】 勘定科目をきるという。
【小堺】 そうですね。税務署のルールがあるから。ところが資金繰り上から言うと、入ってきた金は入ってきた金だし、払った金は払った金だから、それがどんな費用になろうが関係がない。仕入れと人件費と経費とよく言いますよね。おおまかに言ったらこの3つですから、資産表ができてなくても資金繰り表、実績表はできるのです。
だから僕は急がなくてもよかったのです。もっと言葉悪く言うと、資金繰りが大変な会社だったら税務署から問題にされることがないから、急ぐ必要がないのです。それよりもお金をどうやって借りるかという話ですよね。税理士さんでも銀行に勤めたことがないでしょう。「生のお金を数えたことがありますか」という話なので。
【主藤】 そういった意味では銀行に勤められて、しかもお金を貸す立場にいらしたのと、税理士事務所もお勤めになったというこの2つの経験が非常に大きく生きているのですね。 【小堺】 そうですね。でも最初からそれを目指したわけではなくて、税理士事務所にいた頃に法人担当者とは別に専門でやっていたのですが、その税理士事務所の看板が邪魔になってきたんですよ。要は資金繰りなので、どんどん緊迫してくるではないですか。
【主藤】 事情が。
【小堺】 だから線引きがぎりぎりまで近づいていかざるを得ないのです。「何とかしたい」と言うのだったら、できるだけ「どうしよう」となりふり構わずなるではないですか。「相談乗りましょう」「やりましょう」となりますよね。そうした時にやはり税理士事務所という看板が邪魔になったんですね。
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