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小堺桂悦郎
資金繰りコンサルタント [ 借金 ]
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小堺桂悦郎
[インタビュー]
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借金バンザイ!/フォレスト出版(3)
2006.04.23
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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借りる時は「融資」や「借金調達」と言っていたのに、 返せなくなってくると「借金」という言葉に変わるのです。
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景気がいいというのは金回りがいいということで、借金の有無とは別
【主藤】 資金繰りという観点からご著書を書いていらっしゃいますけども、いろいろな方から反響があったと思うんですよね。どういう反響が多いですか?
【小堺】 本を見て「まさにこの通りです」「うちの会社です」「どうしたらいいでしょうか」という話ですね。最近ニュースで「景気が上向いてきている」「景気がよくなっている」と言うではないですか。外車に乗っている人や派手な身なりをしている人もいて、夜飲んで歩いて「景気いいですね」と言うではないですか。
ただそれは金回りがいいということで、金回りがいいのが借りてきたお金なのか、払うものを払ってないのか、純粋に売って儲けて金回りがいいのか。これは別の話です。金回りは見た目にどこにも書いてないですから。背中を見たら「私、借金これぐらいあります」と書いてあるわけではないんでね。
【主藤】 小堺さんのお話を聞いていると、今起業ブームが続いていますけども、華やかなイメージやすごく夢を持って起業を考えて、実際起業する人が私のところにもよく来るんですが、私もさすがに小堺さんがお話したところまでのリアルなお話を彼らにしませんね。
一方でほとんどの中小企業の資金繰りが自転車操業であるのが現実だということは、起業前にやはり知っておく必要が。
【小堺】 ありますよね。前に起業家向けセミナーをやったのですが、最初から借り入れと切っては切れない業種がもう運命的に決まっているのですよ。
【主藤】 必ず借り入れが前提として事業が成り立つ。
【小堺】 全部自己資金でやるというのはかなり大変で、それをわかったうえで借りるのが大事だと思うし。最初からリスクあるのが嫌で、在庫も抱えたくないし、自分ひとりでできるもの、パソコン1台でできるもので起業しようとするのはいいと思うんですけど、そうすると僕の分野から言わせると、ビジネスかもしれないですけど、いわゆる融資の対象にはなり得ないんですよね。なぜならパソコン1つでできる、事務所を借りなくていい、人も要らない、在庫もないならお金は要らないではないですか。
お金が要らないということはお金を借りる必要がないということで、独立してすぐには売り上げが出ないから。軌道に乗るまでに必要なお金は何かといったら、「それはあなたの生活費でしょう」ということになるでしょう。それはもう融資ではない。ただの消費者ローンになってしまうんですよ。しかももし脱サラして、会社に退職願を出してしまってからだともう無職ですからね。それをわかったうえで、おやりになった方がいいですね。最初からポーンといくのだったら別ですけどね。
気持ちを変えて経営をすることが理屈より大事だから前向きに経営しましょう
【主藤】 借り入れが前提になる業態もあるし、そうではない業態もある。借り入れが前提の業態であれば、毎月資金繰りにある程度の時間と労力を結構割く。
【小堺】 そうですね。それを最初にやってしまえば面倒くさくないですよ。
【主藤】 それは経験してしまうと、どういうことですか?
【小堺】 経験というよりそれをわかったうえで、今月の売り上げがいくらで来月はどうだと。足し算、引き算をする。俗に言う家計簿やお小遣い帳と似たようなものですから。
だって「僕は税理士ではない」「経理のことよくわからない」と言っても、今月の売り上げいくらか、1円単位までは別として1120万ぐらい、いや1150万とかわかりますでしょう。通帳を見たらわかる話ですよ。紙に書いて出と入りを比べたらという話ですよね。
【主藤】 話を聞いて借金について、イメージは変わりましたか?
【川崎】 自分がもし飲食業で起業を考えたとしたら、今の話を伺って借金しようと思いますね。
【小堺】 僕は「借金バンザイ!」という人を食ったようなタイトルをつけていますけども、借りるまでは前向きなんですよね。「資金調達」や「事業拡大」と言って、前向きに融資を受けるんですけど、返せなくなってくるとみんな落ち込むんですよね。「俺ってダメな経営者ではないかな」とか「借金して」みたいに。借りる時は「融資」や「資金調達」と言っていたのに、返せなくなってくると「借金」という言葉に変わってるんですよ。
【主藤】 同じことでも名前が変わってしまうんですね。
【小堺】 名前が変わってしまう。大企業も上場企業もそうではないですか。
【川崎】 お話を伺うまでは「借金」という言葉のイメージがすごく悪かったんですよ。
でも会社のためにそうやって資金繰りをするのは別に恥ずかしいことではないなと思ったんですよ。
【小堺】 だから「気持ちを変えてやるのが理屈より大事だよ」と言いたくて「前向きにやりましょう」ということです。
【主藤】 それであえて「借金バンザイ!」というタイトルなんですね。今日は短い時間でしたけども、中小企業の資金繰りという普段なかなか表に出すことができないテーマで、今日お話を聞かれた方で「そろそろうちもしっかりと資金繰りを考えたいな」「計画的にやっていきたいな」という方は是非、小堺さんの本をお読みになって勉強されることをお勧めしたいと思います。最後に小堺さんからリスナーの方、やはり中小企業の社長向けで何か一言ございますか。
【小堺】 銀行の借り入れ対策、資金繰り対策は早目が一番です。早いに越したことはないですね。悩んでいるより僕の本を読んで、ちょっとでも心当たりがあったならばホームページを見て、無料相談もやっておりますので、電話を1本頂いた方がひどい状況にならずに済むのではないかなと思います。
【主藤】 がん検診と同じですね。
【小堺】 そうですね。
【主藤】 早期発見が大切なのですね。はい、わかりました。本日は「借金バンザイ!」著者でいらっしゃいます、小堺桂悦郎さんにお越し頂きました。小堺さん、ありがとうございました。
【小堺】 ありがとうございました。
【川崎】 ありがとうございました。
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