|
|
石田淳
行動科学マネジメント研究所所長 [ 経営 ]
|
|
|
|
石田淳
[インタビュー]
|
リーダーのためのとっておきのスキル/フォレスト出版(1)
2006.05.14
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
|
|
リーダーには部下へのねぎらいの言葉を 身につけて欲しいと思います。
|
”行動科学”との出会いが短期間での急成長につながった
【主藤】 今回のゲストは、フォレスト出版から出版されております、2万部を突破したベストセラー「リーダーのためのとっておきのスキル」の著者でいらっしゃいます、石田淳さんにお越し頂きました。石田さん、今日は宜しくお願いします。
【石田】 こちらこそ宜しくお願いします。
【主藤】 石田さんは、学習塾とコンサルティング会社、ともに経営されていらっしゃいますが、実は何年か前に一度お会いしているのですが、当時はまだ店舗数が10何店舗ぐらいだったと思うのですが。
【石田】 そうですね。おそらく5年か6年ぐらい前のことだったと思います。
【主藤】 そうです。5、6年前ですね。プロフィールのご紹介にあったように、5年で直営店舗を90校開校し、店舗数は10倍ぐらいになっていますから、逆にいうと10分の1の頃から私は存じ上げているわけですが、非常に短期間に急成長されましたね。
【石田】 そうですね。
【主藤】 石田さんは経営者としても本当に素晴らしい、私が尊敬するお一人なのですけれども、短期間でここまで急成長できると思っていましたか?
【石田】 いや、全然思っていなかったですね。特にやり始めた頃なんて。仲間4人と経営を始めたのですが、当時は12教室もいったらもう十分だろうぐらいに思っていましたね。
【主藤】 私は当時、『12教室だけでもすごいなあ』と思っていましたけれど。今現在は学習塾の経営とコンサルティング会社。
【石田】 そうですね。
【主藤】 2つの経営をされているわけですね。
【石田】 その通りです。
【主藤】 2つの経営をされるに至った経緯は何でしょうか。
【石田】 まず、最初はやはり学習塾の展開をメインに経営していたのですが、12教室ぐらい出したあたりで、新卒採用を開始したのです。書籍の中にも少し触れているのですが。 学習塾をやり始めた時に、ある年、半年で12人採用した際、10人辞めてしまったんですね。
そうなってしまうと、うちは学習塾といってもいわゆる個別指導の学習塾を、多くの教室で展開するという形で経営していたので、1人の教室を任せる塾長を短期間で育てなければいけなかったんですね。県にまたがって経営しているので、1つのフロア内で責任者がいて継続して教えるということができないものですから、経営的な観点を持った塾の先生をだいたい1ヶ月で1人ぐらい、どんどんどんどん育成していかないと教室の展開できなかったんですよね。
新人募集を開始し、12人採用した時に半年間でいきなり10人辞められてしまって、もうこれ会社潰れるんじゃないかなと思ったんですよね。その時にやっぱりマネージメントというものを、きちんとやらなくちゃいけない、と。僕はそれまでマーケティングやセールスのことばかりを考えて進めていたので、マネージメントということをほとんど意識したことがありませんでした。
そういうことがあったものですから、今一度自分自身で勉強しようと思い、日本で出版されているマネージメントの本はほとんど、ほとんどって言ってもおそらく100冊ぐらいだったと思うのですが、片っ端から読んで自分の中で実践していきましたが、結局できなかったのです。
【川崎】 その通りには事が進まなかった。
【石田】 そうですね、その通りに全く事が進まなかったんですよね。そのような中、たまたま出会った行動科学と行動分析学ということを教えている大学の先生に相談をしたところ、実はそういうパフォーマンスマネージメントというものがあるんだ、と。
日本でほとんど紹介されていないし、認知もされていないけれど、アメリカでは様々な企業が行動科学を取り入れ成果をあげている、と。それについて、もしよかったら紹介してあげようか、ということでその先生にアメリカの状況等詳しく紹介して頂いて、それから取り入れてやり始めたんですよね。
【主藤】 それがこの人間行動科学。
【石田】 そうです。
【主藤】 IS行動科学ですね。
【石田】 ええ。
目標までの行動プロセスを理論付け、分解し明確にすることで、目標を達成する
【主藤】 一方で、コンサルティング会社としては人間行動科学、IS行動科学。これを主な提供するサービス。
【石田】 そうです。
【主藤】 コンサル商品として。
【石田】 そうですね。
【主藤】 なるほど。ということは、本業での短期間の急成長。そこの一端を担ったノウハウですよね。
【石田】 そうですね。
【主藤】 それをコンサル会社に持ってきている。
【石田】 そうですね。
【主藤】 今、あえて短期間での成長のことを少しお伺いしたいのですが、外食産業でもどこでもそうですけども、お店を増やしていく時は人材の育成がついていかなければ、どんなにいいビジネスモデルでどんなに資金が闊達にあっても頓挫してしまいますよね。
【石田】 そうですよね。
【主藤】 そこを是非、今日はお伺いしたいなと思って楽しみにしていたんですよ。この書籍の中でもいろいろご紹介されていますが、やはり最初失敗した、とありましたよね。
10人辞められたと。新卒採用で10人辞められるとなると、私も新卒採用を担当したこともありますし、経験があるから分かるのですが、費用で考えても相当な損失ですよね、これは。
【石田】 相当な損失ですよね。
【主藤】 軽く10人辞められたって言いましたけども、実はこれはもうとんでもない金額的な損失が。
【石田】 ありますよね。
【川崎】 そうですよね?
【石田】 募集費用から考えるともう1千万以上は。
【川崎】 えっ。
【主藤】 1千万以上の話。そのあとのことも社長は計画していますから。
【石田】 そうですよね。
【主藤】 彼らがいるという前提のもと、いろいろ。
【川崎】 そうですよね。
【石田】 そのあとの出店計画をどんどん出して進めているので、それが全部ストップしてしまうんです。
【川崎】 そうですね。教える人がいなければ。
【主藤】 直接的な損失っていうのは何百万、何千万かもしれませんけども、社長の頭の、計算の中での損失は何億、何十億という。
【石田】 そうですよね。なりますよね、どうしても。
【主藤】 その経験を本当にもう、顔面蒼白になったことだと思います。
【石田】 もう本当にそうですよね。一時期は自分自身も結構悩んで、それまでは割とどちらかというと人材の育成であまり悩んだことがなかったんですよね。
辞めていく理由というのもさまざまな理由があったのですが、それを聞いているだけでも結構ショックだった部分もやっぱりあって。
【川崎】 どんなことがありましたか。
【石田】 逆に関わり過ぎるとか。
【主藤】 石田さんが。
【石田】 僕は関りません。ただ、その時マネージメントというのは関わってやることだと思っていたんです。例えばお酒を飲みに行くとか、コミュニケーションするとか。幹部に「それをやれ」と言っていたら、それが辞めていく理由の1つだった。
【主藤】 幹部の方は忠実に実行されたんですね。
【石田】 社長に言われたらやるでしょう。
【主藤】 それが裏目に出て。
【石田】 そうです。
【主藤】 もちろんそれだけじゃないでしょうけども。
【石田】 そうですね。あとは仕事のやり方を教えてもらえないとか。こちらとしては教えているつもりなのに、『もっときちんと教えて欲しかった』とか。そういうものがいろいろあって、自分の中でもショックでしたね。一時期は真剣に『塾の展開なんてもうやめてしまおう、会社ももしかしたら何年か経ったらダメかもしれない』ぐらいに思っていた時もありました。
|