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山田真哉
公認会計士 [ 経理・会計 ]
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山田真哉
[インタビュー]
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さおだけ屋はなぜ潰れないのか?/光文社(3)
2005.05.08
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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身の回りのことを数字的に分析する過程は 結構楽しいものなんです。
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分析をする上で、会計は非常に有効なツールとなる
【主藤】 一番最初のさおだけ屋の潰れない秘密や、今の食器洗い乾燥機やフランス料理のお店の秘密もそうですが、会計という切り口でわかりやすく数字を身近に感じることをきっかけに、企業経営や自分が独立する時のスキルを自動的に学べる分野が、実は会計ではないかと思ってきました。
【山田】 それは、会計をやっている人間にとって、すごく有難いお言葉です。実は会計をやるにも、会計士の試験というのは、経営学という科目があるくらい、会計をやるなら経営を勉強しなければいけないんですよ。
【主藤】 会計というと、単に事後的な数字、経済活動が行われた後の数字を分析するか、まとめる、少なくともそれを提案の基の材料にするかというふうなイメージを持っていましたが、大きな誤解だったと気づきました。
【山田】 何をするかという意味でも、当てはまりますよね。
【主藤】 実際、会計士の立場から、具体的な切り口で見ると、経営上大きな変化があったとかいうことは、この本も含めて何かありますか?
【山田】 やはり、他社との比較という面では、会計は非常に有効です。
ライバル社の比較って、するじゃないですか?その時、単にライバルが「何を言っているか」とか「こんなキャンペーンをやっています」とかだけでなく、「資金源はどこで、資金をどこに投下して、うまく人件費を回しているか」と、会計的な視点でライバル社を分析した方が、絶対自分にとってライバルを真似するなり、逆の方向に行くなりで、役に立つと思いますよ。
【主藤】 数字にピンと来る方は、会計的な見方からライバル会社を分析したり、日常の身近なところでの疑問を解決することが経営者にとってももちろん役に立ちますし、ビジネスマンにとっても大きなヒントになってくるということですね。
【山田】 そうですね。分析するには、会計は非常に有効なツールだと思います。
本の中にもありましたけど、塾のチラシで、いわゆる合格者数そして教室の数で割ってみると、その1教室あたりの人数が把握できます。
すると、「あそこの塾は何人だから、うちはもっと人数を増やそう、減らそう」となります。そういったチラシ見るだけでも、十分他社の分析はできますよ。
【主藤】 なるほど。チラシにある数字を冷静に見るという目があれば誰でもできますね。
【山田】 そうですね。
生活習慣までも、会計の切り口で読み解くことができる 【主藤】 もう一つ、会計的な視点でビックリしたのが、会計を切り口にして、生き方や考え方、生活習慣まで話が及んでいるところが、私はさすがだなと思いました。
実はそこの場合の切り口は在庫なんですね。在庫という切り口から、生活習慣の話まで及んでいます。
【川崎】 耳が痛かったですね。
【主藤】 川崎さんは、物を簡単に捨てられる方ですか?
【川崎】 もうおうちの中に物がたまってしまって、全然捨てられません。包み紙やリボンに至るまで、いつか使うと思っていますが。
【主藤】 私も捨てられない方です。特に段ボールが、何か送る時のために捨てられません。
【川崎】 かさばりますね。
【主藤】 大きい段ボールは、なかなか手に入らないので、これはとっておいた方がいいと思ったりします。こういうふうに、捨てられない人というのは、会計的に見るとどうでしょうか?
【山田】 私自身も本当に捨てられない人間で、地方の3DKのマンションに住んでいますが、1部屋完全に倉庫になっています。
物を捨てたがる妻に言わせると「2DKを借りればよかったのに」みたいな話になるんです。
【主藤】 奥さんにとっては、捨てられる物ということでしょうか?
【山田】 はい。その時点で3DKを借りてしまったが、実際は2DKでいいとなると、それだけで2、3万家賃が変わってきます。
月2、3万ということは、年間にすると20、30万という話ですから、会計的に見ても、明らかに損ですよ。
【主藤】 物を持ち過ぎてはいけないと。
【山田】 そうですね。
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