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朝倉千恵子
株式会社新規開拓代表取締役社長 [ 営業 ]
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朝倉千恵子
[インタビュー]
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初対面の1分間で相手をその気にさせる技術/日本実業出版社(2)
2005.06.12
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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営業では、相手を意識した 心のマナーを大事にして欲しいと思います。
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相手の気持ちを踏まえた営業を心がけよう
【主藤】 私も今回の本や他の朝倉さんの本を何冊か読んで思ったのですが、朝倉さんの本は、マナー的なことから入って必ず出口というか、成果の部分を見据えたマナーに触れていますよね。
例えば、歩き方や身だしなみ、電話の掛け方にしても、「こういうふうにした方がいいよ」という部分だけに限らず、その先には「だから、こういうふうに自分を売り込む」という営業や結果を伴う入口も書いてあります。そこが非常に斬新だと思いました。
【朝倉】 ありがとうございます。心のマナーの部分を大事にして欲しいなと思うんですね。
心のマナーというのは、型にはまったお決まりの礼儀作法ではありません。常に相手がどう感じるのかを踏まえた上の展開をしないと、自分本位の一方的で身勝手なやり方になってしまうと思うんですよ。特に私たち営業は、お客様がいて初めて成り立つビジネスですしね。
その時に相手がどう思うのか考えず、「私はこの商品がいいから売るんですよ」という自分スタンスではいけません。
例えば営業では、相手の時間も面談の場合など拘束するわけですよね。その時貴重な時間をとってくれたことに対して、「ありがとうございます」ということは言葉に表わさないと伝わらないでしょ?
【川崎】 はい。
【朝倉】 でも、そういった一言を添える思いやりが、ビジネスマンは欠けてしまうことが多いんですよ。
【主藤】 忙しいから思いやりが欠けてしまうのですか?
【朝倉】 要するに、自分がしてもらった時に嬉しいことを、相手にもしてあげればいいと思います。
例えば厳しいことをコメントする時、相手がいきなり厳しいことをストレートに言うのと、「ちょっと耳の痛いお話していいですか」と前置きを言って話すのでは、聞き手の感情が変わりますよね。でも、部下育成の場合など、声を荒げて指導しなきゃいけない時もあるでしょう。
また、初対面の営業では、常にお客様に対してぺこぺこしなければいけないと思っている人が多いです。しかし、実は営業マンはいろんな企業を見ているわけですから、情報をたくさん持っています。もしかしたら今日初めてお会いしたお客様にも、ものすごく有益な情報を提供できるかもしれません。それなのに、妙にへつらってみたり、ぺこぺこしているイメージを与えたりするのは、結構もったいないと思います。
一番価値のある内容を提供できる、それが営業の強み
【主藤】 営業に携わる人間というのは、いろいろな所に行っていますから、他社のことから言ってはいけないことまで情報をたくさん持っていますよね。
【朝倉】 もちろん、そうですね。
【主藤】 けれども、そもそも情報を多く持っている時点で、もうプラスの面があるから、そこにまず気付こうということですね。
【朝倉】 そうです。自分の仕事に対するプライド・ポリシーを持って欲しいっていうのが一つですね。もちろん守秘義務がありますから、当然他社の情報を漏らすわけにはいきません。
しかし、同業種でものすごくすばらしいものを見てきた、聞いてきたとして、あるお客様に情報を伝えてあげることによって、もしかしたらその会社がものすごく伸びるかもしれません。社内にいる人というのは、外部の情報をメディア、マスコミ、または本とかで知りえる情報しかないわけですね。
すると、生の情報を一番知っているのは、現場を歩いていますから営業なんですよ。ということは一番価値ある情報、第一線での今すぐに使えるようなすごいネタや情報を持っている、こういう存在が営業なんです。そこで、根本的に営業のイメージを変えたいなと思ったんです。
【主藤】 なるほど。
【朝倉】 だから、飛び込み営業で門前払いにあったことがないって書いていますけど、それも一瞬でいかに相手に与える印象が大事なのかということを分かっていただくためにそう書いたんです。
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