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朝倉千恵子
株式会社新規開拓代表取締役社長 [ 営業 ]
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朝倉千恵子
[インタビュー]
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初対面の1分間で相手をその気にさせる技術/日本実業出版社(4)
2005.06.12
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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営業では、相手を意識した 心のマナーを大事にして欲しいと思います。
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デキる営業マンになるためには、未来アポがオススメ
【主藤】 この他にもアポイントのとり方やテクニックも書いてありますが、「未来アポ」というのはどういうふうなことですか?
【朝倉】 例えば忙しい営業マンというのは、当日なんて空いていないんですね。よく「アポイントがやっと取れた、今すぐ行きます」という人がいますが、営業が忙しい人の場合、先のアポイントまで全部埋まっているはずなんです。
ですが、2週間後だとか、1ヵ月後、2ヵ月後のアポイントであれば、さすがに予定は空いていますよね。そうなってくると、自分の中でのスケジュールを常に把握しなければいけません。
その時に、お客様に負担をかけないアポイントの取り方があるんですよ。要するに、「いつ頃でしたら、お時間取ること可能ですか?」という質問をするんです。そこで相手から「今は忙しいけど、2ヵ月後、3ヵ月後なら時間があるかもしれないよ」と言われたら、この言葉をしっかり覚えておきます。
そして2ヶ月後、できればそのちょっと前段階の一週間前にもう一度電話をかけます。「以前電話をかけた時に2、3ヵ月後だったら可能だというお話を聞いていましたので、楽しみにしておりました」というふうにして、例えば4月でしたら、未来アポの場合、2、3ヵ月後なら6月、7月の話ですよね。7月を想定したら、6月に電話をかけるわけです。「7月の初旬、中旬、下旬とありますが、どのタイミングでしたら、お時間をとることが可能ですか?」と。
これ、実はやんわりとした質問なんです。でも、初旬、中旬、下旬という3つの中での時期の選択をお客様に委ねています。そこでお客様が「中旬だったら、いいですよ」と言ったら、ここからは選択権はお客様、主導権は自分の方に持っていかないと、お客様に対して失礼なことになります。
【主藤】 今のお話は、私も経験ありますが、確かに空いている時はついつい目の前の近い日にアポイントを入れてしまいがちです。けれども、相手からも「この営業マンは暇なんだな」というふうに思われてしまいますよね。
【川崎】 大体、相手にOKされたら、すぐ伺うというのが営業のスタイルで一番いいのかと思っていました。違うんですね。
【朝倉】 もしも、どうしても今すぐということであれば「明日の午前中のアポイントが急遽キャンセルになりましたので、この時間でしたら、お会いすることは可能です」という言い方をすることもできるはずですよ。
「僕はもう時間が暇でいつでも行けますよ」という人に会いたいですか?
【川崎】 いいえ、あまりたいしたお話を持ってない人のように感じます。
【朝倉】 そうなんですよ。忙しい営業マンは今日の今日はありえません。だからこそ「突然今日時間が空きました」「このお時間でしたら可能ですが、明日では如何ですか?」と。そうすれば、「この人は、よっぽど先のアポイントまで埋まっていて、たまたま今日が空いたんだな」と思い、相手も「だったら、いいですよ」となるんです。もし「いつでも行きますよ」なんて言ったら、相手は「この人は暇な人だ」と感じ、重要視してくださらないですよ。
印象を変える、七色の声とは? 【主藤】 今すぐ応用できるお話がいっぱいありますが、川崎さんからも、何か聞いてみたいことはありますか?
【川崎】 本の中で、電話アポを始められた当初、ご自身の声がすごく高くて、まだ新入社員の女の子のようなイメージを与えてしまい、自分の声がお嫌いだったと書いてありました。
それ以来、どんな声が一番相手に印象を良くするのか研究し、七色の声を発見され、「今の声よりちょっと低めのこのトーンでいけばいいんだ」とあったので、具体的にどんな声で以前はお話されていたのでしょうか?今はすごく落ち着いた低い感じの声でいらっしゃいますが、最初は違ったのですか?
【朝倉】 日常会話はこういう声であるにも関わらず、緊張すると声が高くなるんですよ。特に電話をかける時というのは、ものすごく声が高くなったんですね。
余計に緊張しているからかもしれませんが、日常会話の声のトーンから電話をかけた瞬間になると、「初めまして、私」と裏返っているような声になってしまうんですよ。
【主藤】 緊張しますよね。
【朝倉】 若い女性と勘違いされて、「あ、女性だから会ってもいいかな」と興味本位で会ってくれる人はいます。
ところが本当の意味で重要人物には、まずその声では通用しません。忙しい人ほど、そういうトーンの若い人が来ても、何のメリットがないみたいに思われて、なかなかアポイントを取れなかったんですよ。
だから電話を切られることが怖くて、私は飛び込みに切り替えたんです。どうせ断られるんだったら、面と向かって断られた方がいいと。顔も見えない人にガシャンガシャン切られる方が傷つくんですね。
それで、どういう声を出せば、相手がすぐに電話を切らないんだろうか研究したんです。となると、高い声だと切られるので、あえて顎を引いて、「初めまして、私」という低いトーンでいくとですね。
【川崎】 ぜんぜん違う。
【主藤】 顎を引くだけで変わるんですね。
【朝倉】 正面で話している声と、顎を引いての声と、顎を上げて話す声と、にっこり笑いながら顎を上げての声というのは違うんです。
これはよく、トップセールスレディ育成塾の女性たちにも発声練習でやりますが、一度やっていただけるといいと思います。「あいうえお」という言葉でさえ変わりますよ。
【主藤】 今、数回実演していただきましたけど、顎を引いたか、真正面か、上かの3つだけで、声が変わって聞こえるとは気付きませんでした。
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