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HKM-日商快訊-
[ 中国 ]
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中国の日系企業における人材募集の現実
2012.06.03
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『HKM-日商快訊-』今月号の特集は、中国の人材紹介会社が主役の<人材特集第二弾>です。 アンケートにご協力いただいた紹介会社は合計15社。協力いただけなかった会社数も前回同様です(理由もまったく同じ)。 「前者が良く、後者が悪い」という意味ではありませんが、各社の“スタンス”はお伝えすることができたと自負しています。
たとえば「紹介人材の就業期間」は、人材紹介会社のジョブマッチング能力に直結する質問でした。 さまざまな回答がありましたが、アンケートという限られた枠では収まりきれない各社の“事情”があり、同時に“責任”も詰まっています。 興味をもった方は、人材紹介会社を利用する際、真摯な質問を各社にぶつけてみてはいかがでしょうか。 その回答内容から、人材紹介会社を品質を見極め、活用方法が導き出されるはずです。
人材に関連して、限られた枠といえば――。 人材サイトやFAXチラシ等に散見される、求職人材に関する「ひとことコメント」に目を通したことがありますか?
「明るい」やら「はきはき」やら「積極的」やら「やる気のある方」やら・・・。 まあ百歩譲って、こういった主観的評価が、採用ミスを人材紹介会社のせいにしたい(主に日本本社向けに)面々に役立つのかもしれません。 「これを参考にするだけ人事担当として無能」という真っ当な指摘もあるとおり、辻褄が合わない日本語が多すぎるのも事実です。
営業なのに「必ず内勤」や、中国語できず「広東省なら何処でも」、工場管理で「週休2日希望」、日本語2級、20代で「手取り18K」の通訳希望等々・・・。 中国ビジネスを甘く見ている日本からの出稼ぎ組や、日系企業を甘く見ている中国人化した日本人や、よこしまな日本語人材の影がちらほら・・・。
辻褄が合いすぎて、求人企業の内実がうかがえるコメントとなると・・・。 ・「奇抜な発想のある方向き」の進出企業トータルサポート業務。しかも政府系企業。 (こんな会社にトータルでサポートして欲しくない) ・日系コンサルタント会社の営業マネージャー「給与:5000元〜20000元以上」 (幅がありすぎ。営業制度を見てみたい) ・語学不問の「広告会社のクリエイター職」しかも「経験10年以上優遇」 (こんな奇特な人材は存在するのか・・・) ・「飲食系や語学学校は中国人営業が担当するため、(日本人は)日系企業のBtoB広告が中心」 (同じ広告枠で4〜5倍の価格差があるのは営業マンの国籍のせい?)
ツッコミどころ満載ですが、笑ってばかりもいられません。 真剣に読むと、いわゆる“日系社会の歪み”を如実に表しているからです。 人材紹介会社が悪いのか、求人企業が悪いのか、中国市場が悪いのか。 「一番優秀な人材は私の部下にする。服屋と同じでお気に入りは店頭に並べない」 こう豪語する、人材紹介会社の営業マンは実際に存在します。 悪貨が良貨を駆逐する状況になっている側面は否めません。
次回の<人材特集>は10月号(9/3発行)です。 本誌に登場いただいた方々の恩に報いるためにも、引き続き鋭意取材中です。 「こんな質問をしてほしい!」という方は、ぜひ、編集部までご一報ください。 HKM-日商快訊- 編集部:sz-edit@kanan.cn (編集長・加藤康夫)
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