今月は先月に引き続き、優秀な人材を募集できない原因に言及します。さっそく先月の内容を振り返ってみましょう。
自社の社員採用に際し、優秀な候補者の応募数が減少。原因を調査したところ、以下の問題点が発覚──。
◆中国人人事担当者の募集目的の理解不足→指示通りの条件のみで機械的に<tィルタリングを実施
◆既存中国時社員が自己保身≠フために、優秀な人材を意図的に排除 最近の市場傾向を見ても、優秀な人材は減少していません! 問題を放置したままでは、見つかるものも見つかりません。
優秀な社員の採用は会社の将来を左右する大きな問題です。とくに中間管理職以上の職位は、業績に直接影響が出る場合もあるため、慎重かつアグレッシブな採用活動が必要となります。
中国の労働法では一度本採用に至った社員を会社都合で解雇するには、大きなリスクが伴う場合も多々あります。会社の採用方針、中長期の人事計画をしっかりと立て、それにマッチした人材をじっくりと時間をかけ選別することが大切なのです。
可視化が大前提 少しでもリスクを避けるために、採用チャンネルの可視化は必須です。自社で探すにしろ、エージェントに依頼するにしろ、可視化によって蓄積されたデータがあってこそ、厚みのある採用戦略を実行できるからです。
御社ではきちんと行われていますか?(以下4点)
◎採用担当メールアドレスの一本化
◎人材紹介会社との連絡の際など、必ず採用責任者へCCを付ける義務徹底(人材紹介会社と担当者の癒着の防止)
◎募集の状況の把握(利用される人材紹介会社ごとに応募者数、落選者数を記録)
◎採用チャンネルごとの応募者ファイルの管理(通し番号を付ける等) とくにエージェントを利用する際は、募集職位の転職市場の事情をヒアリングし、適正な給与額、福利厚生の水準を把握することも有効になります。
自社が提示する待遇が市場水準を下回るケースも、今後増えてくるでしょう。そんなときは、育制度の充実や業界の優位性、職位の将来性、習得可能なスキルなどを、募集時に積極的にアピールを! 優秀な人材ほど、将来の発展性を求める傾向は強いのです。
「以前はもっと多くの履歴書が上がってきていたのに…」と悩む読者の方々は、ぜひ自社の採用チャンネルの状況をご確認下さい。
回答でここまでわかる面・接・指・南「採用チャンネルの可視化を実施してから、待遇の魅力を疑うべし」
<筆者>
田中洋介:
10Year’s Staff総経理。1980年札幌生まれ。IT関連会社経て現職。多数の転職支援実績をもつ誠実がモットーのキャリアコンサルタント。
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