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香港FA木津英隆の「マネーは巡る」第十八回 平成の徳政令
2013.03.22
将来、自分が何歳からいくら年金をもらえるのか、それどころか年金そのものをもらえるのかどうか、不安になってきた時代。在香港の日本人ファイナンシャル・アドバイザーが、海外に駐在している時だからこそできる、将来に備えた年金・保険対策を、分かりやすく説明していきます。
徳政令とは、日本の鎌倉時代から室町時代にかけて、朝廷・幕府などが土倉などの債権者・金融業者に対して、債権放棄を命じた法令です。つまり、借金帳消しということです。
同じことがいま、現代の日本で起ころうとしています。昨年12月の衆院選で自民党の圧勝を受けて発足した安倍晋三政権は今年4月に任期満了となる日銀総裁の人事の検討に着手、自民党は政権公約で2%の物価目標の設定を掲げていることから、金融緩和に積極的な有識者を軸に調整が進む見通しです。
安倍首相は日銀総裁人事を巡り、「物価目標に賛成いただく方になっていただきたい」と明言しており、デフレからの早期脱却に向け「大胆な金融緩和」を求めるそうです。
「大胆な金融緩和」政策がもたらすもの
国および地方の長期債務残高は900兆円を越え、借入金、政府短期証券を含む日本全体の債務残高は国民一人当たり950万円です。
少子高齢化で年金・医療など社会保障関係費は増える一方ですが、景気後退の長期化で税収が伸びる見込みはないため、赤字国債の発行額が対GDP比で220%を超えてしまい、いまのままでは今後数年以内に日本国債の大幅な格下げによる暴落が発生しても不思議ではありません。
この状況を打開するためには、日本国の借金である赤字国債を帳消しにするほかありません。本来ならば増税もしくは社会保障の大幅な削減によって赤字国債の発行額を減らし、財政再建を進めることが王道ですが、いずれの政策も国民に人気がないため、政治家も保身に走らざるを得ません。
そこで安倍首相が推し進める「大胆な金融緩和」政策の登場です。円の発行量を増やし、人為的な物価上昇とインフレを作り出すことで、円の価値を下げてしまえば、借金を帳消しにするのと同じ効果が生まれます。
日本には勤勉な日本人がこつこつ貯めた1439兆円の個人金融資産があります。いまターゲットにされているのは、まさにこの個人金融資産です。1985年のプラザ合意まで1ドル235円だったことを考えると、大胆な金融緩和政策によって1ドル160円まで円安が進んでも不思議ではありません。つまり、円の価値が半分になり、日本の個人金融資産の半分が失われるということです。
外貨運用による自己防衛が欠かせない時代
また、米国でシェールガスの商業化が始まっているので、日本の原発政策の後退に伴い、米国のシェールガスが日本へ大量に輸出されることになれば、これも長期的な円安要因となります。
日本国民がせっせと貯めた円預金が、金融緩和政策とシェールガス革命によって、気がついたら、円の価値が半分以下に減ってしまっていたというようなことが起こりかねない状況です。
こうした金融リテラシー教育がなされないまま、日本で「大胆な金融緩和」政策が進んでいくことに関して、非常な危うさを感じずにはいられません。いままで金融には無関心だった人達にも、外貨運用による自己防衛が欠かせない時代となってきたと考えるのが賢明です。
<今月のマネーの教訓>
「大胆な金融緩和」政策で日本人の個人金融資産がターゲットにされている。円の価値下落に備えて、外貨運用による自己防衛が欠かせない。
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