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中国会計税務の気になる動向 タックス・ヘイブン対策税制
2013.08.21
中国でめまぐるしく変わる税法について、日系企業のみなさまが理解し、中国でのビジネスがスムーズに遂行できるよう、わかりやすく解説させていただきます。
前回までで香港の会計制度、税務制度の概要を説明してまいりました。中国と比較した各種制度のシンプルさや税率の優遇等により、中国と香港の両国に拠点をおく華南地区の日系企業の場合は、できるだけ香港に利益を発生させた方がグループ全体として節税ができるのではと考えているかもしれません。
もちろん、経済合理性のある取引の実施によって香港に利益が発生するようにすれば節税につながるのですが、税金を減らすことを主な目的として香港を活用すると、親会社である日本で課税されることがあります。
今回は、低税率国を利用して租税回避を図る行為を規制するための制度であるタックス・ヘイブン対策税制について解説いたします。
タックス・ヘイブン対策税制の概要
タックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは、香港など税率の低い国・地域に子会社をつくってそこに所得を発生させることにより課税回避する行為を防止するために、その子会社の所得を日本の親会社の所得とみなして課税する日本の税制です。
ここで勘違いしやすいのは、タックス・ヘイブン対策税制は、香港における税制ではなく、日本の税制であるという点です。すなわち、日本の法人税の実効税率は現在約37%と非常に高税率であるため、日本で発生する利益を香港に移転してしまう(海外への輸出を香港経由の取引にして、香港で利益が発生するような取引にする等)取引を防止するために、日本側で追加課税しようという考え方です。
タックス・ヘイブン対策税制の規制対象となる会社は、日本居住者が直接・間接で50%超の出資をしている、税負担率が20%以下で実態のない会社です。
適用除外要件
タックス・ヘイブン対策税制は、低税率国に子会社を設立することで租税を回避することが目的ですので、外国子会社が低税率国に進出すべき理由があると認められる場合で、かつ、そこで実体をもって事業を行っている場合には適用されません。
この、タックス・ヘイブン対策税制が適用されないようにするための要件を適用除外要件といいます。適用除外要件には、事業基準、実体基準、管理支配基準、所在地国基準 / 被関連者基準、の4つがあり、これらを全てクリアした場合には適用除外となります。
@事業基準 主たる事業が株式の保有等一定の事業に該当しないこと
A実体基準 主たる事業に必要な固定施設を本店所在地に有していること
B管理支配基準 その事業の管理、支配をその本店所在地国において自ら行なっていること
C次のいずれかの基準 (1)所在地国基準((2))以外の業種に適用):事業をその本店所在地で行なっていること(2)非関連者基準:主たる事業が卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業である場合、取引の50%超を関連者以外の者と行なっていること
終わりに
納税者にとって非常にメリットがある香港ですが、香港を利用して不用意に節税を行おうとすると、以上のように日本側で課税される可能性があります。華南地区でよく見られる来料加工の独資化後の香港企業については、実体基準や管理支配基準の要件を満たしておらず、日本側で課税されてしまっている企業も多いかと思いますが、しかるべき対応をとれば適用除外にすることは可能ですので、専門家と協議の上で対応策を検討することが得策です。
<筆者>
山口 和貴
/日本公認会計士。大手監査法人にて法定監査業務、株式公開(IPO)業務、IFRSアドバイザリー業務など、会計税務に関する全般的なアドバイザリー業務の経験を持つ。グラント・ソントン中国 日本デスクのシニアマネージャーとして、中国・香港進出企業に対して様々なサービスを提供している。
本コラムへのご意見・ご要望は、E-MAIL: k.yamaguchi@cn.gt.com まで。
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