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須藤実和
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香港FA木津英隆の「マネーは巡る」 第二十三回 香港返還16周年を迎えて
2013.09.10
将来、自分が何歳からいくら年金をもらえるのか、それどころか年金そのものをもらえるのかどうか、不安になってきた時代。在香港の日本人ファイナンシャル・アドバイザーが、海外に駐在している時だからこそできる、将来に備えた年金・保険対策を、分かりやすく説明していきます。
2013年7月1日に香港は返還16周年を迎えました。香港がイギリスから中国に返還されたのが1997年で、私が香港で働き始めたのが1999年です。当時はまだ街中で西洋人を見かけることが多く、中国に返還されたとはいえ、イギリス領時代となんら変わらない完全資本主義の法治国家制度が維持されていました。
香港はいまでも完全資本主義の法治国家であることには変わりありませんが、中国大陸からの移民の増加とともに、英語よりも北京語を話す人口が増え続けており、香港の中国化が危惧される状況にはなっています。しかし、私自身は、香港はこれからも香港であり続けると信じております。
香港中心部で大規模デモ&セントラル占拠
香港の中心部で7月1日、台風接近による強い風雨にもかかわらず、「民主派」による大規模なデモが起き、主催者発表では43万人がデモに参加し、政府トップの行政長官を決める普通選挙の実施要求など、現政府や中国政府に強い不満を示しました。
今年のデモの終着点は例年のアドミラルティー(特区政府本庁舎)ではなく、金融街のセントラルとなり、午後5時から行われた集会では「セントラル占拠行動」の発起人らが理念を説明しました。
集会は3時間で終了し、デモは平和裏に解散しましたが、「民主派」は2017年の行政長官選挙で普通選挙が実施されない可能性が高まったことに懸念を強めており、高度な自治を保障した「一国二制度」の形骸化が進んでいることへの不満も根強い状況が明らかになりました。
香港が香港であり続ける理由
一方、経済界などをバックにした「親中派」は、デモと同じ時間帯に香港各地でバーゲンセールを行ない、更に99香港ドル(約1270円)という破格の値段で、若者に人気のグループを多数集めたコンサートも開いたが、それが逆に市民をデモ参加に駆り立てた面がありました。
デモに参加した女子学生は「コンサートは当然魅力的だったが、何が重要なのかを考えた」と話しています。
私が、香港はこれからも香港であり続けると考える一番大きな理由は、若者の政治関心度が高いという点に尽きます。上記の女子学生のコメントに代表されるとおり、香港人としてのアイデンティティーを維持し続けることが、香港の発展を未来に渡って維持し続ける鍵になるということを、香港の若い人達は良く理解しています。香港の主要産業である金融、物流、そして中国本土に対する高度なゲートウェイ機能は衰えることを知らず、誰でも自由にビジネスをすることができ、世界中のヒト・モノ・カネが集まり、外国から訪れる人達に沢山のエネルギーを与えてくれる街は香港以外にありません。
もしもまだ香港を訪れたことがなければ、是非一度、訪れてみてください。東洋の真珠と言われる美しい夜景、昔ながらの人情味あふれる街並み、喧嘩をしているわけでもないのにとにかく声の大きい人達・・香港はこれからも香港であり続け、いまの広東省がそうであるように、中国本土は香港の成功をモデルにして、いずれは中国の香港化が進んでいくことになるでしょう。
<今月のマネーの教訓>
香港の強みは、若者の政治関心度が高いこと。香港の主要産業である金融、物流、中国本土に対する高度なゲートウェイ機能が衰えることはない。
<筆者>
木津英隆/謙信アセットコンサルティング(香港)代表取締役。香港在住歴10年の資産運用コンサルタント。ロイター通信、米系格付け会社S&Pを経て、2009年より現職。特に将来的な年金・保険・教育費対策プランニングを得意とする。Email: info@kenshin.com.hk
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