弊社が東南アジアでの転職支援サービスを始めたのは2008年である。きかっけは広東省の恵州にある日系精密部品メーカーが、ベトナム・ハノイ近郊に進出するので、日本人工場長を探して欲しいと求人依頼をいただいたことだった。
当時はキャノンやブラザーが相次いでベトナム進出しており、それを追うようにして下請けメーカーがベトナムに進出していた。
ベトナムでの求人傾向としては、このような製造業ニーズに基づく、工場関連職やセールス関連の求人が顕著である。またこのようなチャイナ経由でベトナムへ進出した日系企業の特徴として、中間管理職に中国人を配置しているケースも少なくない。
これはベトナム人幹部が育成できていない善処策だと思われる。
そういうことからもチャイナで経験を積んだ日本人工場管理者であっても、チャイナで培った免疫をそのまま活かして働くことができるとも言えるであろう。
ただ1つ触れておきたい点は、東南アジアにおけるローカルスタッフの共通言語は英語となる。
工場技術者であれば通訳がつくので言葉に対するハンディキャップは感じないが、セールス関連職等になるとやはり英語が言葉のツールとなる。
最近はチャイナや香港で働く日本人若手の中にも、英語をブラッシュアップするために、東南アジア担当のポジションを自ら志願したりして、チャイナ・プラス・ワンの波に備えている人材も増えている。
だから拙稿のタイトルも、チャイナ・プラス・ワンに負けないキャリア・プラス・ワン≠ニ名づけた。自ら積極的に、来るべき時代の変化の波に乗れるかどうかが、より一層大切になると思うからだ。
次回以降はインドネシア、タイ、ベトナムなど、それぞれのエリアの生活環境や求人事例、福利厚生などにスポットあてていきたい。
松本博明 まつもと・ひろあき/人材総合サービスパソナを退社後ZZZ年単身来港。Asian Success社を経て、2005年Career Integration Asia Co.,Ltd. 設立(2010 年Career Integration Co.,Ltd.に社名変更)。本連載へのご意見ご要望は、E-MAIL:info@kananworks.comまで。