これまで社会支援の対象であったカンボジアが今、経済の面で大変注目されています。その理由を、他の東南アジア諸国の比較を交えながらご紹介します。
カンボジア経済における7つの魅力は、
@高い経済成長率
A安い賃金
B若い労働力
Cドル建て経済
D外貨の持ち出し、海外送金の自由
E外資100%での会社設立が可能
Fビジネスビザの取得が容易
です。
過去10年間の経済成長率は平均で7.9%と、ASEAN諸国でトップの経済成長率です。4つのエンジン≠ニ言われている観光、縫製、農業、建設分野は好調に推移することが予想されています。最低賃金の月額は、ベトナムが123ドル、タイが286ドルなのに対し、カンボジアは61ドルとまだまだ低く、人件費が高騰する中国からの生産拠点の移転先としてもカンボジアが注目されています。
また、全人口の46%が20歳以下と非常に若く、今後10年で350万人の若者が労働市場に参入してくるとみられます。安い賃金と併せて考えても、当面は労働力の確保に困らない状況です。
外資の参入障壁が非常に低く、外国人による100%出資の会社を設立することが認められており、業種の規制もありません。また、ビジネスビザを取得する為の、特別な規制はまったくありません。
それにも関わらず在カンボジア邦人数(日本大使館登録数)は、約1500人。タイが約5万人、ベトナムが約1万人ですから、まだまだ非常に少数です。
求人傾向としてはベトナム同様、製造業の営業職が圧倒的に多く、アパレル・縫製関連の求人も比較的豊富です。
語学に関してはやはり英語力が多くの求人で必要とされるが、英語力がなくても営業経験や工場勤務経験は武器になります。
家賃は、場所やサーブスの度合いによってもピンキリですが、ロシアンマーケット付近などの比較的安い所で月に$350くらい(家具付きでも掃除はなし)から、ボンケンコン付近の外国人居住地あたりで$650〜1500くらいです。
ローカルスタッフの給与相場は、製造業の場合、一般的な平均賃金(月額)は、一般工職で$82、中堅技術者で$204、課長クラスで$663。 非製造業の一般職は$266、課長クラスは$1019、店舗スタッフは$50が一般的です。
■カンボジア進出主な日系企業
伊藤忠商事、OCS、カンボジアスズキモーター、クボタ工建、クラタペッパー、鴻池組、アジア住友商事会社、東洋建設、豊田通商、ニッセイ・カンボジア、株式会社安藤・間、前田建設工業、丸紅、商船三井、三井物産、三菱商事、日本工営株式会社、ミネベア、ヤマハ、イオン(順不同)
松本博明 まつもと・ひろあき/人材総合サービスパソナを退社後ZZZ年単身来港。Asian Success社を経て、2005年Career Integration Asia Co.,Ltd. 設立(2010 年Career Integration Co.,Ltd.に社名変更)。本連載へのご意見ご要望は、E-MAIL:info@kananworks.comまで。