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鬼塚俊宏
ストラテジィエレメント株式会社代表取締役社長
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取り組まないと成長が鈍化する?『ダイバーシティ』こそ成長のキーワード
2010.11.28
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取り組まないと成長が鈍化する?『ダイバーシティ』こそ成長のキーワード
最近は、『ダイバーシティ』という言葉をよく耳にするようになった。特に企業経営者や人材育成の部門に従事する方々で、聞いたことがないという人はいないであろう。 ただ、この『ダイバーシティ』という概念は、実は人材育成部門に限ったことではなく、企業の事業戦略を立案する上でも非常に大切にしたい考え方である。
というのは、前回のコラムでも紹介させて頂いたが、『マス・イノベーション』という考え方にも通ずるからだ。つまり、異なる考え、意見、経歴、人生経験をもつ人たちを幅広く混ぜ合わせ、同じ目的に向かって「共同思考」することで、革新的なアイデアや商品が生まれやすくなるのである。
これからますますグローバル化が加速される中で、この考え方に無知でいることは、致命的な事態を引き起こしかねない。ただ、この『ダイバーシティ』という考え方を企業組織に取り入れ、定着させるのには正直時間を要する。『ダイバーシティ』導入の先駆けとして成功を収めているマクドナルドでさえも、取り組み始めてから30年近い年月を要した。もちろんマクドナルドは企業規模が大きいというせいもあるだろうが、30年前と現在とでは、時代背景がまるで違う。全てのビジネスがものすごいスピードで流れている。ということは、出来る限り短時間で組み込んで、定着させる必要があるのだ。
賢い読者の皆さまは、もうお気づきであろう。 グローバル化により、“いずれ受け入れなくてはならない”、けれども“時間を要する”のであれば、“今すぐ行動に移す”ほかないであろう。
「取り組まないと成長が鈍化する?『ダイバーシティ』こそ成長のキーワード」 に関する推薦図書:
ダイバーシティの力 〜一体性とダイバーシティを取り入れることでマクドナルドはどのように繁栄しているのか〜 (日本未翻訳書籍)
<書籍内容のダイジェスト> 1955年、レイ・クロックはマクドナルド兄弟所有のハンバーガーレストランを基にマクドナルドを創立する。その後、フランチャイズ展開を視野にあらゆる経歴の人物を雇い、マクドナルド構成員としての経営プログラムを確立する。 本書ではダイバーシティを実践することの重要性を世界118ヶ国、160万人の労働者を抱える巨大企業へと成長を遂げたマクドナルド社の人事雇用戦略法を通じて詳しく知ることができる。 また著者であり同社勤務歴30年以上のパトリシア・ソーウェル・ハリスにより経営の真髄であろう「秘密のソース」についても事細かく解き明かされている。
本来、ダイバーシティと「マクドナルド・ウェイ」なる究極の経営プログラムの相関図とは何を目的に描き記されたものなのか? また民族、年齢、出身、経歴、男女問わずした雇用ハードルをどのように乗り越え、人事育成教育経営モデルのスタンダード化を図ることができたのか? 本書にふれることで先述にある共同思考を具現化する、最適な導線を知ることができると言えるであろう。
フォーチュン紙にて2年連続ダイバーシティ“diversity:多様性”の代表格と表された同社、そして優れた手腕の持ち主でもある著者、ハリスはこう述べている。
我々の誰ひとりとして、我々全員を合わせたそれより優れた人はいない。 〜 None of Us Is as Good All of Us: タイトルより抜粋 〜
もっと詳しく読みたい方は、以下から書評を無料ダウンロードできます。
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