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嶋津良智
経営コンサルタント [ 経営 ]
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嶋津良智
[インタビュー]
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だから、部下がついてこない! /日本実業出版社
2006.10.08
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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20代の頃の従業員と経営者、双方からの 部下育成マネジメント経験が役立った。
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【高城】 本日は日本実業出版社から出版されている2万部を突破したベストセラー「だから部下がついてこない」の著者でいらっしゃいます嶋津良智さんをお迎えしております。嶋津さん、本日はよろしくお願い致します。
【嶋津】 宜しくお願いします。
【川崎】 それでは嶋津さんのプロフィールをご紹介します。 1965年東京生まれ。大学を卒業後、IT系ベンチャー企業に入社、そこで同期100名の中でトップセールスマンとして活躍され、24歳の若さで最年少営業部長に抜擢。3ヶ月で担当部門の成績が全国ナンバーワンとなる。そして1994年、ほかのお二人の経営者と合弁で株式会社レカムジャパンを設立。こちら現在のレカム株式会社になります。2004年にはその会社を株式上場させ、実質5年で52億の会社に育て上げた実績を残し、現在は第一線からは退かれています。社員として、そして経営者として2度の株式上場を体験され、一般社員から社長業までこなした経験、更には起業、合併などのビジネスシーンでのあらゆる経験を生かして現在では独特のコンサルティング手法で各界の企業をバックアップ、次世代を担うリーダーの育成に取り組んでいらっしゃいます。
【高城】 早速ですが嶋津さんは幅広くリーダーの育成をされていらっしゃると思うんですけども、最近のご活動についてちょっと教えていただけますか?
【嶋津】 はい。現在はですね、カルチャー・アセット・マネージメント株式会社という、主に教育事業を展開している会社を経営しています。 ペイフォワードビジネスカレッジという、ビジネススクールを主催運営しており、こちらの方は私自身が独立・起業から会社を上場させるまでに学んだ業績向上に向けたノウハウ・ドゥハウをプログラム化し提供しているスクールです。 その他社外取締役顧問業を受諾する中でのIPOに向けた業績支援の向上に向けたお手伝いですとか、あとは講演活動ですね。企業研修の企画・立案、ブレーン、こういったところを主な活動としてやっております。
【高城】 幅広くご活躍されていますが、今回の出版は満を辞してお出しになられたんじゃないかな、とちょっと思っておりまして。嶋津さん自身が今回の「だから部下がついてこない」をお書きになったきっかけとか、このタイミングに、っていうのは何かあるんですかね?
【嶋津】 たまたまある著名な方から「嶋津さんが20年かけても世の中に伝えていきたいことって何なの?」っていう質問を受けまして。真剣に考えましたら、自分自身にノウハウがあるものは部下育成ですとか、マネージメントとかいう部分でしたので、「あ、これだな」と思ってそのテーマで本を書きたいと思ったんで執筆しました。
【高城】 内容についてもお聞きしましょう。上司論を今回書くそのきっかけっていうんですかね、考え方の原点はどの辺りなんでしょうか? 【嶋津】 原点は私が大学卒業して入った会社というのが今で言うベンチャー企業と言われる企業で、会社の成長に人がついてきてないなかったのです。 まだ24歳なんていうまだ私みたいな若造が部下を持つ立場に就かせていただいて、手前のことしか考えられないような若造でした。 そういう意味ではかなり部下育成や、人を動かすとか人が自ら動いてもらうにはどうしたらいいのかとかいうことにはもがき苦しみました。 サラリーマンとして働いている時にもマネージメントを経験して、更には経営者としての立場からですね、人をマネージメントするということも経験したっていう、そこはすごく大きかったと思いますね。 【高城】 それはじゃあ何か誰かに習ったっていうことではなくて。
【嶋津】 そう、これは体験と経験から分かる。 或る意味、失敗ともがき苦しみから考えたみたいなところが大きいですね(苦笑)。
「部下の相談にはのらない」 嶋津流“デキる上司の部下育成術”とは?
【川崎】 “デキる上司のコミュニケーションのルール”っていうところで、“部下の相談に乗ってはいけない”、それから“部下を平等に扱うな”と、そういった点は、何か聞いただけだと「え?」っと思ったんですけどもこれは詳しく教えてください。
【嶋津】 部下の相談に乗るなというのは、或る意味では切り口の問題なんですが、やっぱり上司っていうのは部下から頼られたりとか、認められたりとか、やっぱり自分の部下から「これどうしたらいいんですか」とか「あれどうしたらいいんですか」「こういう問題があるんですけど何かアドバイスもらえますか」とか言われると、ちょっと言葉は荒っぽいですけど、調子ぶっこいて教えるわけですよ(笑)。 でも結局それって実は部下自身が自ら考えることをしない、という副作用に出ることに意外と上司が気付いていない。だからまずは自分の意見や考えを述べる前に部下に考えさせて、部下がどう思い、どう考えているのかをまずしっかり聞いて、それに対して出来るだけその部下の意見や考えを尊重するような形で補足するようにアドバイスを加えていくっていう形でやられたほうが、部下も自分で考えたことのほうがやっぱり動き易いですし、やる気も出ますから。
【高城】 私は本を読ませていただいて、すごく共感出来るところがありました。「こうしなさい」ではなくて、どうしたらいいのかっていうのを考えさせることって部下を伸ばすことのすごく大事なことかなって思ったんです。更に言うと、誰でもいつかは必ず上司になれたんですが多分これからは上司になれないと思うんですよね。要するに管理職って全員がなる仕事じゃないので。
【川崎】 そうですね。
【高城】 もっと言うと、なってから学ぶんですけど、もしかしたらなる前にちゃんと自分達でそれに気付いて準備していかなきゃいけない時代になったのかな、と思うんですよね。 優秀なプレーヤーだった人が管理職になって時間をかけて学ぶ、じゃなくてこういう本を読んで準備していかなきゃいけないのかなってちょっと思ったんですよね。 実際に嶋津さんのまわりにいらっしゃる読者の方とか講演に来られた方から色々とご質問を受けたりとか相談を受けたりすることってあると思うんですけど、どんな質問がありますかね?
【嶋津】 なかなか自分の部下が思ったように動いてくれないという質問が一番多いんですけど、実はその質問自体、私自身が27、8の頃にある方にした質問でして。 誰もが悩む部分だと思うんですよね。で、その時にたまたまその私が、本にも書いたんですけど、セミナーに出た講師の方から「嶋津さんね、人を動かそうなんてちゃんちゃら可笑しいよ。上司っていうのは部下が自ら動こうとする環境を作ってあげることが大切なんですよ」ってアドバイスを貰って、それに或る意味衝撃を受けましてですね、それから部下を動かそう動かそうっていう風に思うんではなくて、部下が自ら動こうとしてくれるために自分に何が出来るのかな、という発想に変わったっていうのは大きかったいうのはありますね。 私自身はこれはもうセミナーでもお伝えしていることなんですけど、上司の条件に主に私は六つあると思ってるんですね。一つは思考、もう一つは体験、でもう一つは行動、もう一つは徹底、五つ目が傾聴、六つ目がフォローというこの六つが必要だと考えています。 もうちょっと詳しく説明すると、思考というのは先程お話した考えさせるということですね。体験というのは純粋に部下に自分が多少我慢してでも権限委譲やら何やらして体験させるということですよね。で、行動というのはやっぱり行動が成果を変えますから、如何に行動させるか、ということですね。で、次は徹底。これはもう如何に徹底させるかですよね。行動してもなかなか三日坊主みたいな感じで続かないパターンとかもありますから、やっぱり如何に徹底させるか。で、もう一つはやっぱりちゃんと話を聞いてあげる、という傾聴ですよね。で、最後にやっぱりフォローですよね。この六つが出来る上司としては必要な私なりの条件だと考えています。 【高城】 お聞きしていると当たり前のようにも聞こえるんですけど、出来ないんですよ(笑)。
【嶋津】 これは多分、考え方とか、その人の哲学になってくる部分だと思うんですけど、私自身が当たり前の事ほど大切だ、という考え方を持っているんですね。 とかく人っていうのは特別な事に関心を寄せがちですし、その特別な何か情報を得るとそれを使ってみてどうだ、みたいなことをやりますけれども、そういう方っていうのは結局それで自分が使った情報やらスキル、テクニックを得たものを使って上手くいかなかったら、またそのスキル、テクニックや情報のせいにして、また次の新しい情報やスキル、テクニックを得にセミナー行ったりとか本を読んだりとかするわけですね。
でもそういう方っていうのは結局深い洞穴からいつまで経っても脱出出来ない。何故なら本来大切な誰もが出来る当たり前の事を誰もが出来ないくらい続ける、という大切さが理解出来てないからだと私は考えているんですね。だから経営の一番大切な事は何か、って言ったらこの当たり前の大切な事に如何に気付いてそれを徹底して続けることかな、という風に考えています。
【高城】 今“深い洞穴”と仰ってましたよね(笑)。入らないようにしておかなきゃ。 【川崎】 要は一日にあっという間に変わるような、魔法のような教育はないということですよね。
【高城】 私はそう考えています。
【川崎】 人柄を磨いていかなきゃいけないんですね。
【嶋津】 仰るとおりですね。
【高城】 一回そういう話を聞いたりとか、本を読んだことによって満足してしまう方が結構多いと思うんで、読んだ方が実践して継続出来るようにしていかなきゃいけないのかなっていうのをちょっと思いましたね。ぜひお読みになった方は続けていただきたいな、と思います(笑)。
【嶋津】 そうですね、はい、ぜひ(笑)。
【高城】 まだまだお聞きしたいことが沢山あるんですけども、時間のほうが迫ってまいりました。 最後に、嶋津さんのほうから皆さんに今回の本を通じて、ビジネスに活かせるアドバイスみたいなものがありましたら、頂けますでしょうか。
【嶋津】 人は誰と出会うか、誰に相談するか、誰から学ぶかによって人生が変わるっていう風に私は考えています。 そういう意味ではやっぱり自分自身が上司として、如何に部下に対していい思い込み、いい学び、いい言葉、そういったものをインストールしてあげられるかによってその部下の人生を右にも左にもある意味では左右しかねないんで、是非とも社会の中で大きな役割を果たしているのが実は上司だ、という自覚を持っていただいて、是非そのいい学び、いい言葉、いい思い込みを自分の部下の方にインストールしていただけたらなぁという風に思います。
【高城】 有難うございます。
【川崎】 はい、本日のゲストは「だから部下がついてこない」の著者でいらっしゃいます嶋津良智さんでした。 嶋津さん、 どうも有難うございました。
【高城】 どうも有難うございました。
【嶋津】 どうも有難うございました。
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