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藤野英人
レオスキャピタルワークス株式会社代表取締役社長兼CEO [ 能力開発 ][ 経理・会計 ][ 人材採用 ][ 経営 ]
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藤野英人
[インタビュー]
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「細部に神が宿る」−小さなところを見逃すな(2)
2007.04.08
[ TOPBRAIN RADIO ] あのベストセラー著者に聴く!
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人を教えるということは自分のライフワークだと思っています。
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オープンに伝えていくことは重要で、それでまた得ることがすごく大きい
高城 1つ是非お聞きしたいなと思ったことがありまして、この本に書いてあることはプロの投資家のものすごく秘密の技だと思うんですね。手の内を明かすことになってしまっていいのだろうかというのはなかったのですか。
川崎 ばれてしまっていいのだろうかと。
藤野 これを実際に1つ1つ実践することはすごく大変だと思うんですよね。何でもオープンに伝えていくことは重要で、それでまた得ることがすごく大きいんですね。だから私は隠すよりは公開した方がいいだろうと考えています。
高城 そういった観点ですが、早稲田や明治で講義をされていらっしゃり、人を教えるということがやはりご興味あるのですか。
藤野 そうですね。私自身、人を教えるということは自分のライフワークだと思っていまして、もちろん給料と時間の99.5パーセントぐらいはファンドマネージャーの仕事から出ているのですが、本業は大学の先生であって、給料の1パーセントぐらいにしか過ぎない大学の非常勤講師の授業というのは、僕にとってはとても重要で、学生と向き合って話をして自分の考え方を伝えて、そして次世代に伝えることが自分にとってはすごくしっくりする状態なんですよね。結局、人に教えるとか、人を教育することは短期的にいうとあまり大きな影響力がないですけれども、長期的にいうと破壊的な影響力があると思うんですよ。そういう面でみれば、投資で会社を変えるとか社会を変えるということは、ものすごく大きなことだけれども、教育を通じて社会を変えるのはものすごくゆっくりで10年20年30年がかりだけれど、効果はすごく大きいなと思っているのです。
高城 なるほど。不思議だなと思ったし、お話を聞いて少し納得ができたんですけども、金融の世界の方はものすごく合理的に生きていらっしゃるので、全てものをつめて考えていらっしゃるのかなと思ったんですけど、一方で人という部分を大事にされるバランスが素晴らしいなと思ったんですね。
藤野 私はすごく思うんですけれども、実はすごく欲深なんですよ。ただ、ものすごく深くて、30年後50年後の日本の社会をめちゃくちゃ良くしてそこでリターンを大きくしたいという欲深なんですよ。だから短期的に自分のところに入ってくるお金はあまり興味がないのです。長期的に自分の会社、自分の取り巻く社会や人たち、それから当然日本全体が大きく幸せになって、その中で僕は大きく深く儲けたいというのがあるのです。そのために何をしなければいけないかというと、やはり自分の考え方を伝えたり、人にものを教えたりという活動をやることによって30年後、50年後のリターンを大きくしたいと。だから3ヶ月とか半年とか1年という面で見れば、僕はそれほど欲深ではないんだけれど、30年後という目で見れば僕はめちゃくちゃ欲深なので、30年後に対して合理主義、合理的に動いているのです。
高城 正しいですね。
川崎 その通りです。
高城 世の中の成功者のみなさんがそういう活動すれば、日本はもっとよくなるなと今日はちょっと思いましたけれども、この「スリッパの法則」は1つのメッセージで、まだまだ伝えたいことはたくさんあるんですね。
藤野 たくさんありますね。
高城 お聞きしたいことは私どもの方もたくさんあるのですが、だいぶ時間の方も迫ってまいりまして、まだこの本を読んでいらっしゃらない方も一方でまだいらっしゃると思いますので、藤野さんからリスナーの皆さんにビジネスに生かせる何かアドバイスをちょっと最後に頂ければと思うんですけれども。
藤野 はい。この「スリッパの法則」は、会社の見方についてわかりやすい視点で、大学生や高校生でもわかるような言葉で書いていますので、幅広い人に読んで頂けたらなと思います。会社を通じて社会を知る。社会をよく知ることによって、最終的には自分を知ることになるので、やはり自分を深く知るということの1つのきっかけとして使って頂けたらなと思います。
川崎 本日のゲストは「スリッパの法則」の著者でいらっしゃいます、藤野英人さんでした。
高城 ありがとうございました。
藤野 ありがとうございました。
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