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大嶋啓介
有限会社てっぺん代表取締役 [ 自己実現 ][ 起業 ][ 経営 ]
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大嶋啓介
[インタビュー]
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たった15分の「朝礼」がリーダーを育てる(1)
2007.12.05
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1万人を集める居酒屋「てっぺん」の朝礼とは ――夢を叶える社員をつくる人材育成術
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□人を育てる、チームを育てる「朝礼」の効果
―――本日のゲストは、2万部のベストセラー『てっぺん!の朝礼』の著者、大嶋啓介さんにおいでいただきました。大嶋さん、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
―――大嶋さん、この本は2万部も売れたということですが。
そうですね。はい。順調に伸びています。
―――予想通り、という感じですか。
予想はしていなかったんですけれども、でもすごくいいペースで皆さんに読んでいただいているみたいで。いい感じです。
―――『てっぺん!の朝礼』ということで、やはり大島さんの「朝礼」がものすごく有名になっていますよね。累計でどのくらいの方が来られていますか?
毎月8百人くらいのペースで朝礼を見学しに来ていただいている方がおられますので。そうですね、累計で1万人以上はもう超えています。
―――しかし、朝礼といっても「てっぺん」は居酒屋ですから、夕方なんですよね。
まあ営業前なので。そうですね。
―――これは従業員の、あるいは若い人の教育ということがメーンになるんですか?
一人一人のモチベーションだとか、心の状態をですね、スイッチを「よし、やるぞ」という状態にしていく、そういう目的があったりしています。
―――朝礼のやり方のいちばん大切なポイントは、やはり人を育てるということになるんでしょうか。
はい。1つが人を育てる。2つあるんですが、人を育てることが目的と、もう1つは、チーム作りです。この2つがポイントになっています。
□「経営者になりたい人」しか社員になれないルール
―――大嶋さんは、居酒屋を始められる前に普通のサラリーマンをやって、それから居酒屋にお勤めされてから今のお店をスタートしたんですよね。
はい。そうです。
―――チーム作りや、人を育てるということを意識し始めたのはいつ頃なんですか。
僕はいま33歳ですが、9年前の24歳のときに居酒屋の店長をやらせていただくチャンスがありまして、そのときにかなり人間関係でボロボロになったんです。アルバイトさん、社員さんからは信頼されない。お客さんからも信用してもらえないような、もう本当に業績が上がらない、チームが作れない。そういう店長だったんですが、そのときはもう、かなり悩みに悩んでへこみまして、もう自分はダメな人間だと。毎日、逃げたい、逃げたいという状態まで、実は引きこもった時期もありまして。
―――そうなんですか。
はい。それくらいもう人間不信になって、上手くいかなかったときがあったんです。そんなときに、ある人材育成、そういう研修とかですね、セミナーとの出会いで、僕は人生が変わっていくんですが、そのときに自分自身がチーム作りに目覚めたのは、この9年前の店長時代に上手くいかないときに逃げたいというところから、もう一度、やってみようと思うきっかけになったときに、どうせやるんだったら、大切なことに気付けたんですね。なぜ上手くいかなかったのか。自分のことしか考えていない、仲間と本気で向き合っていない、そういう自分がすごくわかりまして、もう一度、仲間と一緒に、みんなが分かり合えて、本気になれて、みんなが熱くなれるような、そういうチームを作りたいという、9年前がスタートです。
―――そうなんですか。それから現在まで、ものすごくたくさんの若い方が「てっぺん」という居酒屋の門を叩いて、育っていったわけですね。
そうですね。
―――この本のなかにも出てきますが。
はい。いままだ、創業してから3年半なんですが、3年間はもう本当に一緒に走っていこうと。まず「てっぺん」という基盤を作っていこうと。3年経ったときから、どんどん独立させていこうと。夢が叶う会社にしたいという目的でしたので、独立し、経営者になりたいという人しか社員になれないというルールがあったり、自分でリーダーになりたいという人の集まりですから、いま、半年か1年で、7、8人のほとんど幹部のメンバーがみんな抜けていって、自分の夢をしっかり叶えていっていますね。
―――通常、働いている方には辞めてほしくないと思いますよね。
そうですね、はい。
―――でも、大嶋さんは構わないんですか。
はい。本当に僕、普通と違うことをしたい人間ではあるんですが、すごく、自分の会社を大きくしたいとか、自分の会社のことしか考えていなければ、やっぱりいい人材とか、優秀な人材はいてほしい、せっかく育てたんだからいてほしいというのは、普通だと思うんです。でもちょっと変わっているところがあって、有限会社てっぺんの代表の大嶋でもあるんですが、有限会社てっぺんというのは、株式会社居酒屋の一事業部を任せていただいているというような感覚でいまして、居酒屋がよくなるためにはとか、居酒屋がもっと元気になるためにはというところを考えていこうと。そういうリーダーを育てたいと思いまして、そこに挑戦していこうと。僕達の挑戦というのは、自分の会社を大きくしていくことの挑戦ではなくて、この業界がどうすれば元気になるのか、もっとこの居酒屋という仕事がどうすればみんなが誇りを持てて、働いている人達が生き生きと夢をもって仕事ができるのか、そういう、この仕事で働ける魅力を伝えていけるような、そんなことを発信していきたいと思って、その1つの方法として独立道場としてリーダーを育てていく、そういう会社にしました。
―――そうすると、大嶋さんはいま30代ですが、実際に働く方や門を叩いてくる方は20代ですよね。
中心はそうですね。
―――年齢の違いで「若い奴は」なんて思ったりしませんか?
全く思ったことないんですよ。逆に僕が20代のときとか、二十歳のときとか、18とか17とか19の人間もいますけども、逆にすごいなって思うことはあります。この若さでよく決めてきたな、というかですね、僕は自分が二十歳のときとか、全然、中途半端に生きていましたから、二十歳のときから、自分がやりたいことをバシッと決めている人達を見ると、いまの若い人達って夢がもてないとか、ダメだとかいわれることのほうが多いんですけど、全然そうじゃないし、逆にその世代を動かすような人間になっていってほしいなという気持ちで接しています。
―――若い方というと、どうしても冷めているとか、情熱がないというイメージがありがちですよね。
はい。
―――そんなことはないということですね。
そんなことはないです。
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