□アラームでなく朝日で目覚める――「静」がキーワード――――読ませていただいて感じたのは、朝という時間はテキパキ働くことも大事だけれど、これからつながるビジネス中心の時間帯に対して、どれだけちゃんとセットして向かえるかというと、心の部分や頭の整理をしたりと、むしろそういうところに使った方がいい、ということだと感じました。
ずばりそうです、その通りです。――――今までのビジネス書では仕事術的な内容が多かったのに対して、この本では「あ、そうだったんだ」という方が多かったと思います。まだお読みになってない方もいらっしゃると思うので、52の法則の中から1つ2つ、何かヒントになるものをお薦めでご紹介いただけますか。
そうですね。――――例えば、“朝の光で目覚める”ということが書いてありますよね。つまり、目覚まし時計で起きてしまうのは、やっぱりよくないと?
まず心臓によくないですよね。びっくりしますから。1番自然なのはやはり朝の光で、脳に朝がきたんだ、とリセットさせるというのが1番ですよね。だからカーテンをちょっとだけ開けておくような工夫をして、まず1段階として光で目覚めるのがベストですね。それでも起きられない場合もあるじゃないですか。その場合は次に音楽が、自分の好きな音楽がかかるようにしておく。で、光でも音楽でも駄目だった時のために、一応保険をかけて3番目に目覚まし。――――なるほど。
この3段階でいってほしいなと思いますね。――――もう1つ、「静かな時間」というのがテーマの中ですごく多いですよね。
はい。――――朝はどうしても時間がなくてドタバタドタバタしてしまうけれど、それはよくないということですか。
そうです。日中はいくらでも皆さんドタバタしてください。やっぱり心静かに自分と向き合う時間、例え3分でも5分でもその時間というのがあると、1日が全く違いますよね。――――実は、読む前に驚いたことがあったんです。この本、実際にめくっていくと真ん中に、「いい事が起こる香り」と書いてありまして、爪でちょっと削って匂いを嗅ぐと、グレープフルーツの香りがするんです。ビジネス書で匂い付きというのは、初めてなのではないですか。
そうですね。国内初。――――匂い付きにしようと思われた理由は?
私自身が、おまけがとっても好きで。――――なるほど。伝ちゃん、お好きですよね。
好きなんです、そういうおまけが。もっと、ビジネス書にいろいろと楽しいおまけがついていてもいいのではないかと昔から考えていまして、ぜひ香りを付けて欲しいということをしつこくお願いして、念願叶ったわけです。――――伝ちゃんのご提案だったわけですね。でも出版社の方は、匂い付きで印刷となると、大変ですよね。
でも今いろんな技術があるので、何でも言ってみるもんですよね。――――朝にグレープフルーツはぴったりですよね。
柑橘系の香りは、人間の成功体験をフラッシュバックさせる、そういう効果もあるので、どうしても苦手でね、さっき光でとか音楽でという話をしましたけど「それでも伝ちゃん、朝苦手なんだよ」という人はぜひ、グレープフルーツの香りをベッドサイドに置いておいて、寝ながらでいいですからそれを自分の天井にというか、空中に向けてシュッシュッと振りかけて下さい。そうすると、すごくスムーズに次の動作にいけます。じゃあそろそろ起きてみようか、という。――――つまり、目が覚めたら、その時に寝ながらベッドでシュッシュッと?
そうそう、上に向かってシュッシュッシュッと。――――皆さん、ぜひやってみてください。
やってみてください。これはね、本当にやる価値があります。もっと五感を活用していったほうがいいですよね。(3)に続く