□自分の人生を考えるための時間は「朝」しかない!――――本日のゲストは10万部を越えた大ベストセラー『幸運を呼びよせる朝の習慣』の著者、佐藤伝さんです。夜バージョンである『いい明日がくる夜の習慣』と合わせると20万部という、恐らく今年、かなりのベストセラーだと思います。佐藤さん、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。――――佐藤さんと申し上げましたけれど、普段は「伝さん」ですかね。
伝ちゃん、と呼んでもらっています。――――ではこれから先は「伝ちゃん」でお話を進めていきたいと思います。
よろしくお願いします。――――伝ちゃん、まず今回のテーマである「朝」というのは、ビジネスマンにとっては使わないといけない時間帯でありながら、どうしても朝早く起きようとして続かないという方が多いと思います。なぜ「朝」をテーマにしようと思われたのでしょうか。
我々に残された唯一の聖域とでも言いましょうか。それはやっぱり朝なのではないか、と。実際、会社に入って仕事が始まれば自分のことをあれこれ考えている暇はないし、疲れて帰ってくるともう色々、まったりしたいじゃないですか。――――そうですね。
となると、やっぱり自分の人生のビジョンとかそういうものを考える時は「朝」しかない、と。消去法でいったときに、もう朝しかないんですよ。――――夜は、どうしても仕事でアルコールが入ったりする方もいますしね。それにランチの時間帯は意外にせわしいですよね。
やっぱり静かに自分自身と対峙する時間というのは朝だけなんじゃないか、と思います。――――この本は「52の法則」という形でお書きになっていますが。
なぜ「52」か、わかりますか? 52という数字の意味ですね。――――すいません、わからないですね。
1年間が52週なんですね。――――なるほど。
ですから1週間に1つずつやっていってもらうと、1年で52個全てを制覇できますよ、ということですね。まあ、好きなものからやっていってもらって構わないんですけれど。トランプが52枚じゃないですか。「52」という数字はマジックなどの世界では“王”というか、全てを表しているということで、ちょっとそれにも掛けてみました。□寝起きで「ぼーっとする時間」が幸運を呼びよせる?――――私も本を読ませていただいて思ったのは、朝は眠いですからどうしてもぼーっとしたり、まったりしたりして時間が過ぎて、早起きしたけれど何もできないまま終わってしまう、ということを後悔した経験がありますが、それでもいいわけですよね。
いいんです。この「ぼーっとした時間」というのは、なんかバッテン、という風に我々は小さい頃から、「もっとシャキッとしなさい」「早く顔洗ってシャキッとしなさい」とか、そういう感じで言われませんでした?――――言われました。ですからぼーっとしている時間はない、無駄なような気がしてしまうんですね。
ですね。でも実はぼーっとしている時間というのは、実は考えたことが自分の潜在意識にちゃんと入っていく。とっても良い時間なんですね。だからぼーっとしているから駄目だ、とバツをつけるのではなくて、ぼーっとしているからこそ自分の本音と向き合える、というんですかね。そこを利用していく。――――これまでのビジネス書では、朝をいかに効率的にテキパキと動くかという、仕事術的な話が多かったと思いますが、今回のテーマは「幸運」を呼びよせるというところにあり、必ずしもそこでテキパキと動いて仕事を整理することだけではないと。
そうですね。朝起きて仕事をしましょう、と言っているわけではなくて、自分が向かう方向性といいますか、ビジョンを朝、ほんのちょっとでもいいから思い出しましょう、考えましょうということを提案しているんですね。ビジョンがあれば人はブレないので。――――ビジョンがあるとブレないのでしょうか。
そうです、そうです。コマにたとえてみるといいと思うんですよ。コマの軸の部分にあたるのが人生の夢、ビジョンなんですね。クリアなビジョン。これがないと、やっぱり日頃いろいろ、日中いろいろな出来事があったり、いろいろと人に言われたり、それでこう、ブレるじゃないですか。やはりその時に、朝ほんのちょっとでもいいから自分の夢に思いを馳せる、そういう時間があると人から何か言われても「ああ、そういう見方もあるね」という風に、とても柔軟にかわせますから。――――この本は「幸運を呼びよせる」というテーマですが、主な読者としてどういう方を狙っていたのでしょうか。
いや、狙ってはいない。――――狙っていないんですか?
ですね。だから結果的に男女どちらも読んでいただいて、若い方から年配の方まで。やっぱり習慣というものは永遠のテーマなんでしょうね。――――ビジネスで活躍されている方だけではなく、家庭にいる主婦なども含めて幅広い方がお読みになったのでしょうか。
そうですね。仕事本ではないので。――――10万部というベストセラーですが、読者の方から実際に反響がありましたか。
お陰様でメールや葉書、ファックス等を非常にたくさんいただいていますね。(2)に続く